北九州市消防局は14日、昨年1年間に市内であった火災と救急出動の概要を発表した。いずれも前年に比べ、減少傾向だった。
火災件数は435件で、前年比96件減。過去10年では、03年の425件に次いで少なかった。火災による死者は10人で、過去10年では05年の8人に次いで少なかった。
放火自殺者や巻き添えの犠牲者などを除いた住宅火災による死者は5人。うち3人が一人暮らしの高齢者だった。逃げ遅れが原因と見られ、消防局は5月末までの設置が義務づけられた住宅用火災警報機の早期設置を呼び掛けている。
出火原因は放火が107件で最多。次いで▽たばこ55件▽こんろ41件▽火遊び35件。
救急出動は4万5248件で、前年比792件の減少。最も多かった05年に比べ、2016件減った。05年5月から取り組む「救急車適正利用キャンペーン」の効果とみている。
医師不足などで妊婦を受け入れる病院が決まらないまま死亡する事案が各地で起きたが、同市の妊婦の搬送は転院も含め528件。搬送先として複数の病院に照会した回数は最も多いケースでも5回で、生死にかかわる案件はなかったという。【木村雄峰】
〔北九州版〕
毎日新聞 2009年1月15日 地方版