体の外で卵子と精子を受精させ、女性の子宮に移植して妊娠、出産を目指す不妊治療法。女性の卵管がふさがっていたり、男性の精子の動きが悪かったりするための不妊が主な対象。日本産科婦人科学会によると国内で2006年に実施された体外受精の結果、約1万9600人が誕生。新生児60人に1人以上の割合になる。国内の体外受精児の累計は、1983年誕生の第1例以来約17万4500人。
(2009年1月15日掲載)
不妊治療で体外受精をする際、活発に呼吸している受精卵を選んで母体に移植すると、妊娠率を高められそうだとの研究を、セント・ルカ産婦人科(大分市)の宇津宮隆史院長と阿部宏之山形大准教授(生殖生物学)らのチームが15日までにまとめた。
妊娠につながりやすい受精卵の選択は、患者の負担を減らすためにも重要だが、従来は見た目のきれいさで判断するしかなかった。今回、呼吸量も判断に加えたところ、妊娠率は見た目だけで選んだグループの1.5倍だったという。
チームは昨年11月の米生殖医学会で発表、「注目すべき成果」として学会賞を受けた。
阿部准教授は、受精卵が消費する酸素量を、受精卵を傷付けずに測定できる装置を開発。これを日本産科婦人科学会の承認を得て、セント・ルカ産婦人科で使用した。
不妊患者計41人を2グループに分けて検討した結果、受精卵の細胞が均等に分割しているなど、形状の良さだけで選んだ受精卵を子宮に戻した21人では、妊娠は8人(38%)だったのに対し、受精卵の呼吸量が、過去のデータから算出した平均値より多いことも選択基準に加えた20人では12人が妊娠(60%)、1.5倍の妊娠率になった。
一方、受精卵の呼吸量が平均の2倍以上だと、逆に妊娠率が落ちることも判明。宇津宮院長は「受精卵を選ぶ客観的な基準が求められていた。呼吸量は有力な候補になる」と話している。
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