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築地市場移転「14年度に」 都、予定地汚染除去に目途(1/2ページ)

2009年1月15日15時30分

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写真東京臨海部に位置する豊洲新市場予定地(手前)=08年5月、東京都江東区

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 東京都は15日、築地市場を移転して開設する新市場について、2014年度の開業を目指す方針を固めた。移転予定地の土壌や地下水から大量の有害物質が検出され、汚染除去に1千億円かかるとみられていたが、工法を公募して586億円に圧縮し、除去に道筋をつけた。10年度に着工する予定だ。

 老朽化が進む築地市場は、江東区豊洲の東京ガス工場跡地約40ヘクタールへの移転が計画されている。しかし、都が08年に実施したボーリング調査で、最大で環境基準4万3千倍のベンゼンが検出されるなど、4122地点の4割近くで有害物質が見つかった。このため、移転には「食の安全」への不安や多額の公金投入に仲卸業者らから反対の声があがり、12年度開業の計画が先送りされていた。

 都は先送りに伴い、16年五輪招致にからんでメディアセンター予定地を市場跡地から臨海部に変更したが、移転は推進する構えだ。

 都の専門家会議は昨年7月、食の安全を守るために(1)予定地の土壌を地下2メートルまで入れ替え(2)地下2メートルより下の汚染土壌の環境基準以下への処理(3)地下水の浄化――などを提言。ところが、工費が約1千億円との試算があり、都は昨年8月、専門家がつくる技術会議に工法の検討を委託。技術会議は民間企業に工法を公募し、寄せられた221件から複数を組み合わせる方針をとった。

 具体的には、予定地に土壌を浄化するプラントを仮設。有害物質を1回の工程で除去する洗浄処理技術を採り入れ、費用を抑える。きれいになった土は埋め戻すという。

 地下水については、専門家会議は建物の建つ場所は着工前に環境基準以下に処理し、建物がない場所は将来的に基準以下にする対策を示したが、技術会議は区別なく浄化する工法を採用。区切るために必要な鋼材を省いて経費削減する。

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