【第61回】 2009年01月15日
それでもやらないよりはマシだ。
定額給付金への反論に答える
まさしく、細野氏の指摘通りだ。この定額給付金は国民にとって、増税のようなムチではなく、アメの政策なのだ。
筆者にしてみれば、私たち国民の財布を潤す政策に反対する渡辺氏、その彼に賛成する人々の方がよほど理解できない。
〈そんなバカだと思わなかった〉
上杉隆のどこがバカなのかを具体的に示さないと論争も始まらない。具体的な問題提起、反論を待っている。
ちなみに筆者は、最大の景気対策は何か問う設問に対しては、昨年の金融サミット以降、一貫してこう答えている。
・「年内(2008年)の消費税減税」
・「食料品目などを非課税(消費税)」
前者は、すでに英国のブラウン首相が実施している。その結果、相応の景気対策になっている。仮に、日本でも消費税率を2%下げれば、消費行動を喚起する役割を果たすだろう。また、減税は、金融サミットでの国際公約にも合致する。
この時期、世界中が内需拡大策、景気刺激策を講じている中、日本だけが逆行して「増税」を語ることはまったく驚くべきことだ。本気で金融危機から脱しようとしているとは到底思えない。
次に後者。海外では低所得者層への負担軽減策として、食料品などについては、多くの国々が非課税としている。
じつはこの政策については、福田政権時の自民党の税調で実際に話し合われている。
内需の拡大は、ひとつの政策では効果が薄い場合があるが、減税・給付金・景気対策費などを同時に行なうことで、相乗効果を生み出し、思わぬ刺激策となることが考えられる。
もちろん、定額給付金が唯一の策ではない。だが、やらないよりはやったほうがいいのは確かなのだ。
麻生内閣の問題は、景気対策をできるかできないかで立ち止まっていることにある。すでに、世界は、やるかやらないかの問題になっているのだ。
第61回 | それでもやらないよりはマシだ。 定額給付金への反論に答える (2009年01月15日) |
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上杉隆
(ジャーナリスト)
1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者などを経て、フリージャーナリストに。「ジャーナリズム崩壊」「官邸崩壊 安倍政権迷走の一年」「小泉の勝利 メディアの敗北」「田中真紀子の恩讐」など著書多数。
永田町を震撼させる気鋭の政治ジャーナリスト・上杉隆が政界に鋭く斬りこむ週刊コラム。週刊誌よりもホットで早いスクープ情報は、目が離せない。