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【栃木】各校でマニュアルを 教職員不祥事受け県教委 再発防止策を発表2009年1月10日 生徒へのわいせつ行為や公金着服、飲酒運転など、相次ぐ教職員の不祥事を受けて県教委は九日、内部で議論していた原因分析や再発防止策の結果報告書を発表した。これまでの取り組みは「組織的、体系的な防止策が十分ではなかった」として、新たな対策の徹底を県立各学校で図るとともに、各自治体の教委を通じて公立小中学校でも、同様の取り組みを行うよう協力を求める。 (松尾博史) 本年度に入り、十四人(九件)が懲戒処分を受けたほか、女子生徒へのわいせつ行為で起訴された教員が休職処分中。県教委では昨年十月以降、教育次長以下十一人が計六回の会議で話し合った。 まず、不祥事の背景にある学校組織の特性として▽校長、教頭以外は教諭という「対等関係」であるため、指揮・命令が伝わりにくい▽周囲から「先生」と呼ばれるため、児童生徒より一方的に優位であるとの誤った認識をもってしまう▽授業や部活動指導は教員が単独で行うことが多く、外部から点検する機会が少ない−などを挙げた。 その上で不祥事全体の防止策として「予兆」を見逃さないために、普段から校長・教頭と教職員との間で報告体制を確立し、児童生徒や保護者からの相談窓口を設ける。各校で不祥事防止のための内部組織やマニュアルをつくり、県教委職員は各校を訪れて仕組みづくりを支援する。 報告書には、問題行為ごとの分析や対策も盛り込んだ。わいせつ行為の傾向として「児童生徒の言動を自分への好意と勘違いする」「部活動の指導の一環と称して、不適切な身体的接触を図る場合がある」と指摘。わいせつ行為の防止に特化した校内研修を行い、宿泊を伴う合宿などでは複数の教職員が一緒に指導するとしている。 公金着服の防止策としては点検の徹底のほか、原則的に同一人物に三年以上、同じ会計を担当させないようにする。飲酒運転に関しては、飲酒量の増加につながる教職員のストレスなどの軽減を図り、アルコール依存症が疑われる場合には通勤時の運転を制限させるという。
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