騙す人間、騙される人間
「欺瞞し、裏切る、これ人間生来の心根なり」ソフォクレス
ソフォクレス(紀元前496年頃 - 紀元前406年)は、アテナイの悲劇作家、古代ギリシア三大悲劇詩人の一人に数えられる。
2008年に発生した振り込め詐欺の被害額は約276億円で、過去2番目に多かったことが分かった。警察庁によると、2008年の認知件数は前年比2551件増の2万481件であったという。
内訳は、オレオレ詐欺(「おれだよ、おれ。」と電話をかけ、電話に出た者がうっかり「○○くん?」などと問い直すと、「そう、俺、○○。実は事故にあっちゃってお金が必要になった。すぐにお金を振り込んで。」などと言い、指定した銀行等の口座に現金を振り込ませるやり口からその名前がついた詐欺)が7615件で155億円。
架空請求詐欺(郵便、インターネット等を利用して不特定多数の者に対し、架空の事実を口実とした料金を請求する文書等を送付するなどして、現金を預金口座等に振り込ませるなどの方法によりだまし取る詐欺)3253件で36億円。
融資保証金詐欺(実際には融資しないにも関わらず融資する旨の文書等を送付するなどして、融資を申し込んできた者に対し、保証金等を名目に現金を預金口座等に振り込ませるなどの方法によりだまし取る詐欺)5074件で37億円。
還付金詐欺(電話でATMに誘導し、還付金を受け取る手続とだまして、振り込ませる詐欺。例えば、犯人が税務署や社会保険事務所、市区町村などの職員を装って電話をかけ、還付金があるのでATMに行くよう誘導。電話でATMの操作を指示し、資金を振り込ませる。)4539件で47億円であったという。
詐欺の手口も年々巧妙かつ卑劣になっていくが、、警察官を現金自動受払機(ATM)に大量配置する昨年10月の特別警戒により、以後の被害を抑えることができたという。一方で、最近は現金書留詐欺(現金書留、小包、普通郵便で現金を郵送させたり、為替を送らせたりする詐欺)や手渡しによる詐欺被害が増加しているそうである。これらの詐欺に対し警視庁は、1.留守番電話の活用。2.ナンバーディスプレイ機能の活用。3.ATM利用限度額の引き下げをする。などして、自己防衛するよう呼び掛けている。
振り込め詐欺においては、大阪より圧倒的に東京に被害者が多く、還付金詐欺においては、逆に大阪の方が被害者が多いとされてきた。何故なら、大阪人は金を支払う時には口うるさいが、タダで貰える話となると、途端にガードが緩むからだと言われてきた。だが、面白いことに被害件数の統計をとってみると、大阪が2008年1-5月で84件月平均16.8件、東京が2008年1月-4月で622件月平均155.5件で大阪の約9.26倍と、還付金詐欺においても大阪の方が警戒心が強いことが分かったのである。
さすが商人の町大阪である。金にはいたって厳しい目をもっていることがこれで証明された。闇雲に他人を疑えということでもあるまいが、掛かってきた電話を安易に信じ、裏を取らないまま振り込んでしまい、騙されたとあれば、ある程度は自業自得の謗りを免れないだろう。何事にも注意深さは大事である。自分の身を守るのは、最終的には自らの危機管理の心掛け次第ということだ。
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コメント
そういえば大阪は還付金詐欺が多いという報道を見たことがあります。ウソだったんですね。騙されていました。
投稿: Mr.X | 2009年1月15日 (木) 22時54分