県警捜査二課は14日、2008年の県内における振り込め詐欺の被害状況を発表した。それによると、発生件数は147件(07年比37件増)、被害総額が1億4700万円(同5003万円増)といずれも増加。類型別では、融資保証金詐欺が67件(全体の45.6%)と最も多く、架空請求が41件、おれおれ詐欺が22件、還付金等詐欺が17件となった。同課は「身に覚えのない振り込みの要求には『その日に振り込まない』『一人で振り込まない』を励行して」と話している。

 最も被害件数の多かった融資保証金詐欺では、平均の被害額が約60万円と少ないものの、1回数万円の振り込みを数回行わせることで、被害が増大しているケースが多いという。また、還付金等詐欺は07年比約4倍の17件発生し、その中でも医療費名目に金を振り込ませた被害が64.7%に上る。
 手口も巧妙化しており、「最近、携帯電話の番号を変えた」と事前に電話をかけたり、何らかの方法で手に入れた名簿を基に実名を口にするなど、安心感を持たせる場合も多いという。同課は「被害者のほとんどが、自分は被害に遭わないと思っていた。高齢者だけではなく、各年代層に幅広く被害防止を呼び掛けたい」としている。