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救急医療関連3団体、トリアージ制度導入などを求め提言

 日本救急医学会など救急医療関連3団体は、救急医療の人的資源の確保や救急トリアージ(緊急度による対応順序決定)制度の導入などを求め、舛添要一厚生労働相に提出した「救急医療を再構築するための提言」と、そのポイントを記した「『救急医療を再構築するための提言』の理解のために」と題する文書を、このほど公表した。

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 提言などを提出したのは、日本救急医学会のほか、日本救急医療財団、日本臨床救急医学会。救急医療を再構築するための緊急対応・方策として、▽全国民による救急医療に対する理解の促進▽救急医療の人的資源の確保▽迅速な受け入れ医療機関決定(「一元的な意思決定プラン」)▽夜間等一時的対応制度の構築(「オーバーナイトプラン」)▽救急トリアージ制度の導入▽空きベッド確保のための後方連携の強化・保障▽「たらいまわしストップ」の財政特別措置―の7つを提言している。
 また、これら方策を推進するための法的な根拠を確保し、継続的な進展を図るための法的整備・立法化を求めている。

 「理解のために」では、救急医療での人材の確保について、人的資源の投入だけでなく、医師と共に働く看護師やその他の医療職種などと多くの業務を分かち合うことができる工夫が望まれると指摘した。

 救急医療に関連した地域ネットワークの再構築については、地域の救急医療機関が相互に関連情報を共有し、地域の状況を「面」として把握できるようなネットワークの構築の必要性を強調。さらに、救急患者が急性期を経てリハビリテーションなどの治療に移った後、慢性期や老人医療を担当する施設に至ることも少なくないとし、機能的連携を意図した地域の情報共有も重要な課題と指摘した。
 また、地域の救急医療機関においては、救急患者の受け入れを円滑にするためのコーディネーターの導入と、それに呼応するシステムの構築が望まれるとした。「理解のために」は、救急医療機関が受け入れに至らなかった理由について、「ベッドが満床」のほか、「住所不定」「生活困難者」なども多くの救急医療機関にとって大きな負荷になっていると指摘。その上で、生活困難者への行政上の支援などを具現化するためのコーディネーターを一定の医療圏で導入することが、「たらい回し」を防ぐ方策になるとした。また、これらコーディネーターがいずれかの救急施設に患者を搬入できるように調整するため、一時受け入れ・転送システムに呼応できる複数の医療機関が固定、あるいは輪番で地域において必要とした。

 救急トリアージの導入については、電話や携帯電話から救急車を要請すべきか否かについて相談することによって、患者自身が救急受診の必要性を判断するシステムや、看護師による予診で「蘇生」「緊急」「準緊急」「非緊急」などに振り分けるトリアージを紹介。特に後者について、「患者からの苦情が激減する」「看護師らの職務満足度が上がる」などの報告があるとして、導入の必要性を強調した。


更新:2009/01/15 19:35   キャリアブレイン

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