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ページ更新時間:2009年1月14日(水) 18時51分

裁判員制度に課題、立証方法で混乱

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 裁判員制度を見据えた立証方法で法廷が大混乱です。東京・江東区で隣人の女性を殺害し、遺体をバラバラにした事件の裁判で、検察側が遺体の切断状況を大型モニターで立証したところ、傍聴席の遺族関係者が大声で泣き出し、被告自ら「私は死刑」と叫ぶ騒ぎとなりました。

 星島貴徳被告は去年4月、東京のマンションで、2つ隣の部屋の東城瑠理香さん(当時23)を乱暴目的で襲い殺害。その後、遺体をバラバラに切断して捨てた殺人や死体遺棄などの罪に問われています。

 裁判員制度まで4か月。法廷は法律の専門家ではない裁判員が参加する裁判員制度を強く意識したものになっています。

 法廷には左右に65インチの大型モニターが設置されています。裁判員にも理解しやすいよう設置されたものですが、検察側はこのモニターを使って被告人質問を続けています。

 集中審理2日目の14日。検察側が、星島被告がマネキンを使って遺体の切断状況を再現している写真を大型モニターに映し出した時、法廷に異変が起きました。

 傍聴席の遺族関係者の1人の女性が耐えきれず、大声を上げて泣き出してしまい、両腕を抱えられながら法廷の外に出る事になったのです。

 その10分後・・・
 「私、絶対に死刑だと思います」(星島被告)

 うつむいて、か細い声でしか証言していなかった星島被告が突然、大声を上げて不規則発言をしました。

 星島被告はその後、落ち着きを取り戻し、去年2月上旬、入居前で空室の瑠理香さんの部屋にベランダ伝いに侵入した事なども淡々と証言しました。

 「例えば、私が被害者の遺族だったらと考えた時、自分の妻や子供がバラバラにされた写真とか、残酷な殺し方をされた死体の写真を人目に触れさせたくない」(櫻井光政 弁護士)

 裁判員制度は誰にでもわかりやすい裁判を標榜していますが、裁判員にはしっかりした‘心の準備’も求められる一方で、裁判所側には裁判員への‘心のケア’が求められます。(14日17:17)