東芝トップページ
本文へジャンプ
お問い合わせ
東芝科学館
東芝科学館トップページへ ヘルプ サイトマップ
イベント テクノロジー 歴史コーナー コミュニティ 来館のご案内
半導体
ビジュアル
エコロジー
ヒューマン
エネルギー
トラフィック
ホーム
 
Energy
エネルギー
発電やエネルギーとその技術について
ニューテクノロジー
21.新型 急速充電電池
17.小型燃料電池
10.熱電モジュール
 
サイエンスシアター
大型ヘリカル装置用超伝導ポロイダルコイル
電気を自由にあやつって豊かな社会に
燃料電池ってなぁ〜に?
   
インデックス
  ニューテクノロジー

10.
熱電モジュール Giga Topaz  [] [2]

2.未来にあるべき姿を実現させる必須アイテム
吉野 このモジュール1個で、どの程度の発電が可能ですか?
近藤 15W発電できます。これは例えば、携帯電話が6台充電できたり、持ち運びのできる小さな液晶テレビが5台動くといった電力に匹敵します。またモジュール2個で小型パソコンを駆動することも可能です。
吉野 では、複数つなげれば、さらに大きなものを駆動させられるのでしょうか?
近藤はい、例えば自動車がその最たる例です。ガソリン車というのは、その持っているエネルギーの約20%が走るための動力として使われていて、残りの約80%は排熱として大気に放出してしまっています。そういった現状の中で、ご存知の通り、今自動車は、パワーウインドやパワーステアリングなどと電化が進んでいます。そして、更に車内へサーバーを積んで付加価値を与える予定もあるようです。ますます電気を使う方向にあるのですが、車に搭載している発電機は走りに影響が出るため、そう大きくもできないと聞いています。このようなことから、現状では捨てている熱を使って発電を、という発想になりました。エンジンに近い排気管の部分にモジュールを取り付け、そこから電気を取り出すシステムとなります。
自動車排気ガス熱からの発電の図
吉野なるほど、車内でのエンターテイメントを始めとする様々な利便性を高めることに、このモジュールが大きな役割を果たしてくれるようになるわけですね。
近藤そうです。今、流行っているハイブリッドカーはその典型と言えるでしょう。街中では主に車が自ら起こした電気で走り、高速道路や山を登る時はエンジンで走るわけですからね。
吉野環境に優しい車が、この技術で、もっと優しくなるわけですね。その他の使用例は?
近藤モジュールを貼り付けたバケツに水を入れ、それを下から火であぶると、電気が出来ますので、先ほど言った事と同様に、液晶テレビを見たりラジオを聴くことができます。野外での活用はもちろん、自家発電をしている東南アジアなど発展途上国でも大いに活用頂けると思います。

東芝熱電モジュールを利用した発電
工場廃熱からの発電

吉野そうですね、海外での需要もかなりのものになりそうです。最後に、今後掲げている目標をお聞かせください。
科学館館内の展示近藤最終ターゲットは原子力発電所での利用です。現在は立地問題で悩まされており、新しい原発を建設できない状況です。そうは言っても、作らないわけにはいきません。ではどうしたらよいかと考えた時、原子炉に必要な電気を作り出すタービンに焦点を当てました。タービンはとても大きくコストも手間もかかるものです。これを無くすことができれば、と。そこで原子炉の中に、このモジュールを入れ、そこから直接、熱を採取して電気にすることでタービンは不要になると行き着いたのです。これが実現すれば、今より省スペースになり、数倍の原子炉が設置可能となるでしょう。これを究極の目標としています。

吉野今はまだ従来のスタイルが固定されているので、やはり、そこまで確立させるには年月がかかりそうですか?

近藤そうですね、性能アップも必要ですが、許認可をとるのにもとても時間がかかると思います。きっと実現している頃には、この世にはもういないかと思いますけれどね(笑)。でも、そこにたどり着くまでの間に、みなさんにも身近に使っていただいて、その良さを実感していただければと思っています。
吉野そうですね。環境に優しい技術は、これからの私たちにとって必要不可欠なものですからね。これからの市場展開や動向を興味深く見守って行きたいと思います。今日はどうもありがとうございました。

詳しくは、こちらのホームページをご覧ください。
http://www.toshiba.co.jp/efort/product/gigatopaz/

ライター

吉野のニューテクな日々
吉野あかね
(yoshino akane)
あかね書庵代表
主に雑誌、単行本、Webなどで活動中。
吉野あかね 写真
取材前は、私達の生活からかけ離れたところにあるものかと思っていましたが、とんでもない。ふだん使っているパソコンや携帯電話の駆動、自動車などに使うことのできる技術であり、その上、それが廃熱などを利用したエコロジーな電気をおこすことができるもの、なのですから。最終目標は原子力発電所への利用とのことですが、今よりも様々な面において理想的なスタイルで立地させられるわけですから、願ってもいない話。この技術を使った様々な恩恵を私達がこれからたくさん受けられるようになっていくのは、とてもありがたく、そして楽しみなところです。

BACK
Page Top
東芝トップページ | 個人情報保護方針 | サイトのご利用条件 Copyright