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10.
熱電モジュール Giga Topaz  [1] []

便利な生活を送ることのできる大きな理由の1つに電気エネルギーは欠かせないものです。 しかし、周知の通り、電気は限りある資源の1つですし、便利さの代償として生じた廃熱による環境破壊問題は今や避けては通れない事実として私達の目の前に立ちはだかっています。今回は従来、困難であった自動車や工場などの高温廃熱を利用できる技術を取材。多大な恩恵を受けることになるであろう未来像を一足先にのぞいてみました。

株式会社東芝  電力・社会システム社
事業開発推進統括部  事業開発推進室
近藤  成仁さん
近藤成仁さん 写真

1.小さいけれどパワーは満点!
吉野 今回開発された「熱電モジュール」は耳慣れない言葉ですが、 私達の身近なところに使われているものでしょうか?
近藤 まだこの技術を使ったものはありませんが、温度差を利用するという技術面で、 構造上ほぼ同じようなものは市販されています。 景品として扱われることのある小さな温冷庫をご存知でしょうか? 最近はホームセンターでも見かけるようになりましたが、あれに使われています。

熱電モジュール

吉野 では、モジュールの中の構造と、これが発電する仕組みを教えてください。
近藤 P型とN型の2種類の半導体を交互に配列し、それを電極でつなげています。このPとNとで構成された1個1個が電池というイメージで、これを直列にしたものがたくさん集まって大きな電気を発生する仕組みになっています。温度差を生じさせることで発電するのですが、高温側温度は500℃、低温側温度は20℃の時、最大出力密度は1W/cm2 となります。

熱電発電の原理の図

吉野 どのような工夫によって、従来のものを超えることができたのでしょうか?
近藤これまでは耐熱性が低く300℃以上では使用できませんでしたが、 今回、高い温度に耐えうる材料を開発し、それを使用したことが1つのポイントです。 そしてもう1つは、高温でも半導体素子や電極などの部品が酸化しないように モジュールを封じ込めたこと。高温面には熱に強い鉄の合金を、 低温面には熱が伝わりやすい銅を使用しています。 これら2つの要素で500℃という高温にも耐えられるようになりました。

市販モジュールとの比較
  単位 東芝モジュール 市販モジュール
Giga TopazTM 小型タイプ 中型タイプ 大型タイプ
高温側温度 [ ℃ ] 500 230 230 230
低温側温度 [ ℃ ] 20 30 30 30
電圧 [ V ] 3.6 3.3 1.7 2.4
電流 [ A ] 4.2 0.8 8 5
出力 [ W ] 15.0 2.5 14.0 19.0
幅×高さ [ cm ] 3.7×3.9 2.9×2.9 6.3×6.3 7.5×7.5
質量 [ g ] 40 14 82 115
単位面積当りの出力 [ W /cm2] 1.04 0.30 0.36 0.34
単位質量当りの出力 [ W /g ] 0.38 0.18 0.17 0.17

『熱に強く、発電能力が高い、これが東芝熱電モジュールです』

吉野それが業界初の大きな飛躍となった要因なのですね。
モジュール断面図近藤 ええ、そしてもう1つ、専門用語で言うところの「モジュール化」する 技術も大いなる躍進です。たとえ高温に耐えうる材料だけができても、 またどんなに性能が良くてもそれだけでは熱が逃げてしまいます。 最も肝心なのは、熱を通すために必要となる色々なものを積み重ね、 そしてそれらをぴたりと付着させるところにあります。500円玉ほどの小さな中に、 およそ100個の半導体、またその他、数々の小さな部品を組み込み、 なおかつパッケージング。このモジュール化したところに意義があるのです。
吉野 一見したところ、そこまでは分かりませんでしたが、 たしかにチョコレートタブレットほどの大きさの中にそれだけの要素を 組み込むのは大変な技術を要することかと思います。脚光を浴びるのも当然ですね。

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