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「BS世界のドキュメンタリー」

「BS世界のドキュメンタリー」

海外の優れたドキュメンタリー作品を通して「世界の今」をお伝えする番組です。ニュースにはない鋭い切り口と丁寧な取材で、世界で起きているさまざまな出来事の背景に迫ります。

【シリーズ 地球は訴える】 東ジャワ 突然の泥噴出

(シンガポール Caldecott Productions制作)

2006年5月、インドネシア・ジャワ島東部のシドアルジョの地表から、突然、高温の泥が噴出した。泥は瞬く間に広がり、10月には周囲8つの村が1000棟以上の住宅とともに泥に埋まり、一万人以上が避難する事態となっている。また、11月には泥の圧力で、地下のパイプラインが大爆発し、死者も出た。この泥噴出の原因は、インドネシアで石油と天然ガスの採掘を行っているラピンド・ブランタス社が、ガス田の掘削中に起こした事故だと言われている。 毎日12万5千立方メートルの泥が噴出する現場は、今や泥火山の様相を呈している。

番組では、日本でほとんど知られていない泥噴出災害の詳細をリポート。この災害によって、移転を余儀なくされた住民の苦悩、遅々として進まない補償問題、泥を除去するために政府やラピンド社がとった方法が環境を汚染している実態に迫る。きっかけは人為的なミスだったとは言え、人間の力ではどうすることもできない地球の力の脅威をまざまざと見せつけられる。


6月12日(火)深夜0:10〜1:00 BS1<2か国語放送>
BS世界のドキュメンタリー公式サイトへhttp://www.nhk.or.jp/wdoc/

【シリーズ 地球は訴える】 北極圏が溶けていく

(フランス ARTE制作)

地球温暖化の影響で北極圏の氷がどんどん溶けている。それにより、イヌイットの人々は、伝統的な暮らしを守ることが困難になってきた。氷が溶け、気候が温暖になると、狩りの獲物もいなくなり、狩猟がしづらくなるのもその一因だ。

北極の氷がこれほど減少したことはかつてなかった。氷の白い表面は、太陽光線をはね返す、という役割も担っているのだが、その氷が溶けることで、太陽の光をより多く吸収し、熱を蓄えてしまうようになり、温暖化をさらに加速させている。

永久凍土と呼ばれる凍った地層が溶けていることも問題になっている。地盤が安定せず、海岸沿いでは侵食が進んでしまっている。さらに、永久凍土が溶けることで、温室効果ガスと呼ばれる二酸化炭素やメタンが大気中に放出され、温室効果を速めてしまう効果もあるのだ。

北極で氷が溶けることで、メキシコ湾流にも影響が出てきている。西ヨーロッパはメキシコ湾流のおかげで温暖な気候を保っているが、このまま氷が溶け続けると、メキシコ湾流は停止し、西ヨーロッパは北極圏のような気候になると言われている。

番組は北極圏の氷が溶けていくことによって、イヌイットの暮らしや地球全体の環境にどのような変化が起きているのかを伝える。


6月13日(水)深夜0:10〜1:00 BS1<2か国語放送>
BS世界のドキュメンタリー公式サイトへhttp://www.nhk.or.jp/wdoc/

(C)Arte France

(C)Arte France

(C)Arte France

【シリーズ 地球は訴える】 環境難民の時代

(カナダ National Film Board制作)

自然災害や環境破壊によって居住地を追われた人々は、「環境難民」と呼ばれる。国連の報告では、現在2500万人の環境難民が存在し、その数は2050年までに1億5千万人に達すると予測されている。番組では、モルディブ、ブラジル、カナダ・アルバータ州を取材し、地球環境の変化が今 世界の人々の暮らしにどのような影響を及ぼしているかを検証する。

1992年ブラジルで開催された第1回地球サミットで、モルディブの大統領は、地球温暖化の影響で国が水没の危機に瀕していると世界へ訴えた。モルディブは2004年のインド洋大津波でも壊滅的な被害を受けており、多くの人々が避難生活を余儀なくされている。

ブラジルでは、製紙パルプ会社が農地を次々と買収して、パルプの原料となるユーカリの植林を進めている。多くの農民が都市部のスラム街へと移住し、厳しい生活を送っている。またユーカリ農園の周辺に住む人々は、農薬などによる環境被害を受けている。

カナダ西部のアルバータ州は世界有数の油田地帯として注目され、その多くはアメリカヘ輸出されている。しかし、油井建設のために農場経営者が廃業に追い込まれ、油井が排出する有毒ガスによって多発性硬化症などの病気も急増している。

番組は国連や環境問題の専門家の意見を交えながら、環境難民の増加はグローバル化経済を推進する先進国の大企業のみならず、地球に住む我々人一人の問題なのだと訴える。


6月14日(木)深夜0:10〜1:00 BS1<2か国語放送>
BS世界のドキュメンタリー公式サイトへhttp://www.nhk.or.jp/wdoc/

(C)2006 Les Productions Virage inc

(C)2006 Les Productions Virage inc

(C)2006 Les Productions Virage inc

【シリーズ 地球は訴える】 盗まれたカラハリ先住民の知恵

(南アフリカ Rehad Desai制作)

アフリカ南部のカラハリ砂漠に暮らす先住民で、かつてブッシュマンと呼ばれたサンの人々には、10万年とも言われる長い歴史と共に培われた独自の文化や伝統がある。

特に薬草に関する知識は豊富で、ケガや病気の治療、また砂漠での水や食糧の代わりとして利用してきた。中でも食欲抑制の効果がある「フーディア」は、厳しい自然環境で生きるサンの人々にとって欠かせない植物だ。

近年、先進国の製薬会社がフーディアの効能に商業的価値を見いだし、ダイエット製品の開発に乗り出した。サン族は、南アフリカの政府機関とフーディアによる利益の配分契約を結んだが、協定を結ぶ前に特許の使用権は外国の製薬会社に渡っていた。

観光産業のため住む土地を追われ、自活の道を模索しているサンの人々は、フーディアに新たな生活の希望をかけた。しかし、特許や製薬会社に関する知識がないサンの人々はフーディアの発見者として十分な恩恵を受けられずにいる。さらに、フーディアの存在が世界に知られたことで乱獲による絶滅も危惧されるようになった。

番組は、伝統的な文化を後世に残そうとするサンの人々の姿を追いながら、私たちが普段、何気なく手に入れているものが環境破壊につながる可能性があることを訴えかけている。


(C) Karl Rutins 


(C) Karl Rutins 
6月17日(日)22:10〜23:00 BS1<2か国語放送>
BS世界のドキュメンタリー公式サイトへhttp://www.nhk.or.jp/wdoc/