医療介護CBニュース -キャリアブレインが送る最新の医療・介護ニュース-

医師の転職ならCBネット |  医療介護CBニュース

話題・特集


もち丸飲みで胃かいように

 もちや寒天などの食べ物が胃の中で固まって出血性胃炎や胃かいように―。長野市の東口病院の中島恒夫副院長が、1月11日に東京都内で開かれた全国医師連盟(黒川衛代表)の第一回東京臨床研究会で、こんな症例を報告した。中島副院長は、「食物が異常な大きさのまま胃内に長期間滞留した場合、胃酸が出続けて出血性病変を生じる可能性がある」と説明し、「異常な食物の取り方をしないよう(同じものを食べ過ぎないよう)、啓発していかなければならない」と呼び掛けた。

【関連記事】
医療界の再編を―08年回顧と09年の展望(6) 全国医師連盟・黒川衛代表
政府が医師不足認める―2008年重大ニュース(3)「医師不足深刻化」
首相発言に抗議―全医連
「医者のモラルの問題」―経産相発言に全医連が抗議
「中原裁判」判決は「医師流出の誘因に」−全医連が声明

 上腹部の痛みを訴えて来院した60歳代の患者は、血液検査などで異常がなかったため、内視鏡で検査したところ、膨張した切りもちが見つかった。患者は硬い切りもちを、かまずにそのまま飲み込んでいたという。中島副院長は「乾燥した切りもちが胃液で膨らんだため、幽門(胃の末端部で、細くくびれている部分)を通過できず、9日間も胃の中に滞留していた。食べ物が長時間残っていたため、胃液が出続け、胃角部で接触性の粘膜障害を来し、胃かいようができてしまった」と説明した。胃の中に残っていた切りもちは、内視鏡手術で細かく切り刻んで処置したという。 

 また、2006年に吐き気と上腹部の痛みを訴えて来院した50歳代の患者は、受診の4日前から当時流行していた「寒天ダイエット」を試みており、胃の中を検査してみると牛乳と寒天が固まったものがそのまま残っていた。中島副院長によると、「牛乳と寒天が胃の中で融合し、幽門を通過できず、4日間も胃の中に滞留。食べ物が長時間残っていたため、胃液が出続け、粘膜障害で出血していた」という。栄養剤200ミリリットルと寒天2グラムを混ぜると、粘性が高くなってゲル状になることが分かっており、中島副院長は「この症例はそれ以上の量の寒天を用いた(食べた)可能性が高い」と説明した。
 
 このほか丸飲みしたシラタキや結びコンニャク、ギョーザなどが胃の中に固まって残って見つかった例もあるという。中島副院長は「丸飲みすると表面だけしか消化されず、そのまま残ることがある」と述べ、食べ物の丸飲みや食べ過ぎなどに気をつけるよう注意を呼び掛けた。


更新:2009/01/13 22:15   キャリアブレイン

この記事をスクラップブックに貼る


注目の情報

PR

新機能のお知らせ

ログイン-会員登録がお済みの方はこちら-

CBニュース会員登録メリット

気になるワードの記事お知らせ機能やスクラップブックなど会員限定サービスが使えます。

一緒に登録!CBネットで希望通りの転職を

プロがあなたの転職をサポートする転職支援サービスや専用ツールで病院からスカウトされる機能を使って転職を成功させませんか?

キャリアブレインの転職支援サービスが選ばれる理由

【第44回】江原朗さん(北大大学院医学研究科客員研究員) 「医師不足を根本的、長期的に解決するには医師の絶対数を増やすしかないが、短期・中期的な応急措置としては“集約化”が有効だ」―。こう話すのは、北大大学院医学研究科客員研究員で小児科医の江原朗(えはら・あきら)さん。医師は「不足」しているのではな ...

記事全文を読む

患者に寄り添う看護に重点医療法人社団昌栄会「相武台病院」(神奈川県座間市)24時間保育でママさん支援 厳しい労働実態から離職率が12.3%に達するなど、看護師の確保・定着が看護現場の重要な課題になっている。こうした中、神奈川県座間市の医療法人社団昌栄会相武台病院では、組織を挙げて働きやすい職場づくり ...

記事全文を読む

新型インフルエンザ感染対策

今回は、感染リスクが高い医療関係者のための、「N95マスク」の選び方と正しい使い方をご紹介します。

>>医療番組はこちら


会社概要 |  プライバシーポリシー |  著作権について |  メルマガ登録・解除 |  スタッフ募集 |  広告に関するお問い合わせ