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胸キュンえりちゃんに“マー君魂”注入

 緊張して手が震える吉田えり(右)を心配そうに見つめる楽天・田中(左)=松方ホール

 今春開幕する関西独立リーグの神戸9クルーズの女子高生ナックルボーラー・吉田えり投手(16)が10日、神戸市中央区の神戸新聞松方ホールで行われた日本赤十字社「はたちの献血」PRイベントのトークショーで、あこがれの存在である楽天・田中将大投手(20)と初共演した。最後まで緊張しっ放しのえりちゃんだったが、マー君から“闘球法”を授かり、来オフの合同自主トレ案も浮上。“野球愛”で結ばれる若き2人は、互いの健闘を誓い合った。

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 まともに視線を合わせられない。顔が赤らみ、手が震える。あこがれのマー君との初対面。「私のことを知ってくれているだけでうれしいです。今も緊張してて、(顔が熱気で)やかんみたいになっています」。こう言って恥じらいの笑みを浮かべたえりちゃんは、まさに「恋する乙女」そのものだった。

 ずっと特別な存在だった。06年夏の甲子園決勝。当時駒大苫小牧のエースだった田中が闘志むき出しで、早実・斎藤佑樹(現早大)と投げ合う姿に心を奪われた。それ以来、尊敬のまなざしで見つめてきただけに「雰囲気がすごいあるし、笑顔も好きです。このままの気持ちで、今日はぐっすり寝たいです(笑い)」。夢のひとときに胸がキュンと高鳴った。

 だが見惚(と)れるだけじゃない。女子高生ナックルボーラーの「顔」も、しっかり見せつけた。トークショーの壇上で行った約5〜6メートルのキャッチボール。最後の2球で予告なしに、自慢のナックルを投じた。「この距離で軟球だから揺れてなかったですけど、ちょっと挑戦的ですね(笑い)」。垣間見えたプロ根性に、マー君のハートも揺さぶられた。

 だから投球の秘けつを伝授した。「キャッチャーの配球の意図を考えないといけない。ときには自分の意思を押すことも大事。気持ちで相手に絶対に負けないように投げてほしい」。直々に授かった“闘球法”に吉田も「うれしいです」と声を弾ませた。恐縮して連絡先の交換はできずも、代わりに「来年できればいいなと思います」(田中)と、来オフの合同自主トレの約束をもらった。

 所有していた田中の野球カードの特製ファイルにサインをもらい、欲しかった献血PR用の等身大写真パネルも手にしたえりちゃんは、「頑張って成長したい」と奮闘を誓った。「1ファンとして気になるし、頑張ってほしい」。最後にエールを送った田中は、WBC日本代表入りとリーグVを狙う。意気投合した若き2人の今シーズンから、ますます目が離せない。

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