３０年オーナー職…大社義規氏が特別表彰で殿堂入り

　財団法人「野球体育博物館」は１３日、東京Ｄ内の野球殿堂ホールで０９年度の殿堂入り４氏を発表した。競技者表彰プレーヤー部門で元ヤクルトの若松勉氏（６１）、コーチ、監督、審判らを対象として昨年から始まった競技者表彰エキスパート部門では、初めて巨人などで活躍した故・青田昇氏（享年７２歳）が選ばれた。特別表彰では、元日本ハムオーナーの故・大社義規氏（享年９０歳）、日本野球の発祥などについて考察した著書「日本野球創世記」を残した故・君島一郎氏（享年８８歳）が選出された。表彰式は７月２４日、球宴第１戦（札幌Ｄ）で行われる。

　日本ハムの名物オーナーとして、３０年にわたってオーナー職を務めた故・大社義規氏も特別表彰で殿堂入り。出席した大社啓二オーナー（５３）は「故人も何より一番うれしい話だったと思います。すぐに仏前に報告しました」と頭を下げた。

　野球とファンと選手に惜しみない愛情を注ぎ、足しげく球場に通った。「連絡を取りたければ、日本ハムが試合をしている球場に電話をすればいい」と言われるほど。８１年の初優勝では胴上げされ、次の胴上げのためにつくったユニホームの背番号１００が今では球団で唯一の“永久欠番”となっている。

　「故人の思いを継承して、野球を愛するファンを愛する球団であり続けたい」と啓二オーナー。故人の思いは生き続けている。

　◆大社　義規（おおこそ・よしのり）１９１５年２月１日、香川・大川郡（現・さぬき市）生まれ。４２年に日本ハムの前身となる「徳島食肉加工場」を創設。６３年に商号を「日本ハム株式会社」に変更した。７３年１１月、日拓ホームから球団を買収し「日本ハムファイターズ」の初代オーナーに就任。０２年、牛肉偽装事件の責任を取って辞任するまで、約３０年にわたりオーナーとして球界の発展に尽力した。０５年４月２７日、心不全のため死去。享年９０歳。