準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)の裏金問題に絡み、東京地検特捜部は14日、海外で捻出(ねんしゅつ)した裏金7000万円を税関に無届けで国内に持ち込んだとして、海外担当元副社長の藤巻恵次容疑者(68)ら4人を外為法違反容疑で逮捕した。
ほかに逮捕されたのは▽元海外事業部副事業部長、高原和彦(63)=業務上横領罪で起訴▽子会社の松栄不動産元社長、宇都宮敬(67)▽海外支店次長、村田吉信(55)の各容疑者。
逮捕容疑では、藤巻容疑者らは共謀して06年2月~07年8月、計5回にわたって現金7000万円を税関に届けないまま国内に持ち込んだ疑い。高原容疑者が香港などから成田空港に帰国した際、現金を隠して持って入国したという。
同社関係者によると、裏金は東南アジアで建設工事を受注した際に経費を実際より高く見せかける経理処理で捻出。裏金の一部は、OBが設立した政治団体「新政治問題研究会」などを隠れみのにした企業献金の原資になったという。
毎日新聞 2009年1月14日 17時41分(最終更新 1月14日 18時29分)