国立循環器病センター(大阪府吹田市)で07年、未承認の補助人工心臓を付けた男性が治験(臨床試験)中に呼吸停止に陥った末に死亡した問題で、厚生労働省は14日、今月中にも第三者による調査委員会を設けるとの説明を翻し、遺族側に「センターで検証する」と伝えた。センターは既に内部の検討会で「医療事故ではない」と結論付けており、男性の母親は「納得いかない」と批判している。
この問題では、厚労省医政局の職員が先月18日、遺族側と面会し「大臣の指示で、本省に調査組織を置く」と明言した。しかし、舛添要一厚労相は翌日の閣議後会見で、指示を否定し「まず現場から情報を上げる」と述べたため、遺族側が真意をただしていた。
遺族の代理人の弁護士によると、医政局はセンター側の意向として「今後の検証と説明はセンターが行う」と回答。遺族側が開示を求めていた内部の検討会の結果は、センターが検証中を理由に公表せず、本省にも提出していないことを明らかにしたという。代理人は「今後も病院の設置者である厚労省に、主体的な調査を求めたい」としている。【清水健二】
毎日新聞 2009年1月14日 18時20分