2009年01月14日
挨拶の常套句として定着しつつある今日この頃、
昨年末の時点では、今回の不景気はアプレッソにはあまり影響がなさそうに
見えていたものの、昨日、四半期に一度の全社でのキックオフミーティングで
営業の人たちの発表を聞いて、やはりある程度意識していかなければならないな、
と感じた次第である。
そんな中で、もしこれから不景気が自分の会社にも影響を及ぼした場合にも、
こういうことは守り続けたい、と思うことを、エントリにまとめようと考えた。
1. 売上と利益とを優先しすぎない
とりわけ不景気な情勢の中では、「企業は利潤追求団体である」という前提の元に、
取りかかろうとしていることが収益を生み出すものなのかどうか、
ということについて重点を置いて物事を考えがちになるのではないかと思う。
ちょうど昨日知った二宮尊徳の言葉で、
「道徳を忘れた経済は罪悪であり、経済を忘れた道徳は寝言である」
というものがあるそうだ。
寝言になってしまわないよう、会社の経済活動を支える最低限の収益や成長は
もちろん必要だが、一方で、そもそも自分たちはどういうことをやろうと
して事業を営んでいるのか、ということを、不景気の中でこそ再度確認したいものである。
私の場合には、シリコンバレーのような自由さと日本ならではの
細やかさを併せ持つ会社を日本につくりたかったのと、
企業情報システムの中でしばしば問題になるアプリケーション間の連携を
簡単に実現できるようなIT環境をつくりたかったのと、
その二つの理由でアプレッソを始めた。
だから、相当な額でのコンサルの依頼やSIの案件を持ちかけられても
これまで断り続けてきたのだが、もし不景気がアプレッソに訪れたとしても、
この指針を守りながら事業を続けていきたい。
2.「キレる人」に厳しく接する
ここ数ヶ月、外に出かけた際に、出先の会社の社内で、
上司が部下を大声で罵倒する場面に接することが何度かあった。
これは、元々そういう性質の人だった、ということもあるのかもしれないが、
問題がなければ怒る理由もないわけで、おそらく不景気の折、ということも
関係しているのだと思う。
叱りつけて萎縮させて努力させる、というマネジメントスタイルの会社も
あるのかもしれないし、不景気になってくると色々と焦ったりして
これまで温厚だった人が突然キレたりすることも出てくるのかも知れないが、
個人的には、相手が非常に失礼なことを言ったり、明らかな悪意を持って
何かをしたりしない限りは、特に仕事において、「キレる」という行為は、
本来冷静に普通の方法でもって説明すべきところを、
自らの説明能力の不足でうまくできなかった結果として誰かに八つ当たり
しているように映ることが多く、知性の欠如を強調表現しているだけのように
思えるので、たとえそうした露悪的な趣味がある人であったとしても、
少なくとも自分が代表をつとめる会社では、「キレる」という行為を
認めてはいけない、と思うわけである。
幸い、今アプレッソにはそういう人はいないが、
もし不景気で思うようにいかないことが出てきても、むしゃくしゃして
キレる、という人のいない、今のような状態を保ち続けたいものである。
※ ただし、以前「キレるスーパーゲーマーの話」で書いたような、
目標が高すぎるが故に暴走する人は大歓迎。
3.「遊び」の部分を必ず残す
これはこの半年ほどの反省点でもあるのだが、
昨年夏から年末くらいにかけて、開発チーム全体がリリースの関係で忙しく、
それまで週に一度開催していた勉強会をしばらく延期してしまっていた。
目の前にある、すぐに取りかかる必要のある仕事に対して優先的に
対処するのは良いとして、どんな忙しい状況でも、週に一度の勉強会とか、
今までと違うやり方を検討してみるとか、新しいバージョンの開発環境を
試してみるとか、仕事と直接関係ない開発や研究の成果を発表する
場所を用意するとか、中長期のプロジェクトへに取り組むとか、
忙しい時や、不景気の時こそ、こうした「遊び」の部分を意識的に
日常の仕事の中に組み入れていく必要があると思う。
仕事には、技能をためる側面と、それを使ってアウトプットを出す側面
とがあるが、技能を使う場面が続くようだと、今は競争力のある会社で
いられても、将来、平凡な会社に成り下がってしまう危険性を蓄積して
行くことになる。
だから、もし不景気の影響が出てきて、緊急の対応が必要になったり、
ドタバタしたりすることが出てきても、「遊び」の部分をきちんと
取っていくよう、心がけていきたい。
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