大変な年でした。
私はマンション業界に関わって、たかだか20数年です。
でも、この業界に30年40年、身をおいた先輩方の意見をお聞きしても、
かつてこれほどの逆風が吹いたことはない、とおっしゃいます。
上場企業が、次から次へと倒産していきました。
「新価格」などとふざけたことを言っていたのは、
わずか2年前のことです。
この2年間・・・わけのわからないタレントが表に出てきて、
ピンとはずれな広告が随分目に付きました。
例えば、春先に熱海で顔を出したヤザワさん・・・
今はどこに行っちゃったのでしょう?
私がミニバブルの典型例で取り上げた新浦安のマンションも、
今やかつての底値あたりまで値崩れしているご様子。
そういえば、このマンションも渡辺謙さんで広告してましたね。
その続きというか・・・・金町に出ている
樋口可奈子で広告している大規模マンションは
果たして売れるのでしょうか?
広告屋さんに騙されるのは、不動産屋さんです。
不動産屋さんは、エンドユーザーである皆さんを、
広告と営業トークで騙そうとします。
でも結局、大方のエンドユーザーは騙されません。
だから、こういう時代になったのです。
さて、2009年はどうなるか?
まさに氷河期です。
マンション業者にとっても、エンドユーザーにとっても・・・
業者は、ちゃんと利益を取って売れるものが出せない。
消費者は、心してかからないと、騙されて高値掴みする。
この異常な市場環境は09年いっぱい続くのではないでしょうか。
そして、2010年の春先にはある程度正常化の兆しが
見られるのではないかと思ってはいるのですが。
ところで・・・・
実は「日経マネー」にも書いているのですが、
「不動産投資」という視点で見れば、
これは10年に1度あるかないかのチャンスです。
「そんなもの、どっかの金持ちに言ってくれ」
と思っておられる方にも、
実は投資の方法はたくさんあります。
詳しくは現在発売中および2009年1月21日発売の
日経マネーをご購読下さい。
●ご相談のコメントをいただいている方へ。
お答えが遅れ気味になっています。お正月の休み中に、少しずつでも返信していきたいと思っていますので、いま少し時間を下さい。
一度お答えをして、榊のメールアドレスに返信をいただいた方は、見逃す可能性がありますので、もう一度コメントからご相談下さい。そうすれば見逃さずにお答えできると思います。
テーマ:首都圏マンション情報 - ジャンル:地域情報
世間では何やらそう見られている節があります。
まあ・・・何というか・・・ちょっと困りますが。
「榊淳司の注目のマンション情報3」の発行が遅れています。
私の取材・研究が遅れているのが主な原因で、
大変申し訳なく思います。
年末なので忘年会が立て込んでいて、体調不良です。
本日、休日ながらご相談をいただいた方に
いくつかアドバイスをお送りいたしました。
みなさまの判断の参考にしていただければ幸いです。
まだお送りしていない方は、申し訳ございません。
明日は休ませていただいて、月曜以降にお送りします。
近畿圏・中京圏のマンション供給は、
この間私が予想したとおり、少し増えそうですね。
ただ、この絶不況期にスムーズに販売が進むとは思えません。
今日は、休日の閑話休題でマクロ経済の話しをさせてください。
不動産関係を期待した方は、スルーでもいいです。
まず、この大不況でマスコミはこぞって大騒ぎ。
大失業時代の到来とか、倒産続出、就職難、マイナス成長、生活苦・・・・
まともにそういう雑誌を読むと暗い話ばかりですね。
でも実は、榊は割合と楽観しています。
なぜか?
だって、日本には約1億3000万人の人間が暮らしていて
毎日、飲んだり食べたりしてモノを消費しています。
自動車にも乗り、立派な家に住み、キレイな服を着ます。
日本の約1億3000万人が、買って消費するモノが
国内で生産されたり、輸入されたりしているわけです。
私が最近コラムを書かせていただいている月刊誌の「日経マネー」で、
大先輩の「さわがみファンド」の澤上篤人氏は
「67億の人類が毎日生活している限り、経済はある」
という趣旨のことをおっしゃっています。
景気が好いとか悪いとかというのは、カンタンに言えば、
経済の血液である「お金=通貨」のめぐりの良し悪し。
67億人が生きていく上で、絶対的に消費するものは消費します。
そのために、生産されるものは生産されます。
要は、人間がその能力を使っていいモノ
(例えば、車や住宅)を作る能力と装置があれば、
それを入手して快適な生活が送る人間がいて当然。そうあるべき、という考え。
もちろん、社会主義とか共産主義とか、
アホな幻想にとらわれなければ、というのが前提です。
あとは、そのモノの流通に媒介する「通貨」の流れがスムーズかどうか。
この流れが悪いと不景気。いいと好景気。
実は景気が悪い、好い、というのは「通貨」の流れの良し悪し。
いってしまえば、それを流している人間の「気持ち」です。
すごーくざっくりいえば、
人間の多くがいい気になってじゃかじゃかお金を使えば好景気。
逆に、チマチマ、ケチケチしてお金を使わなければ不景気。
今の不景気は、カンタンにいえばアメリカの低所得者が
借金を返せなくなり、モノを買わなくなったから起ったことが始まり。
世間の言葉でいうと「サブプライムローン」問題。
そして、それをテコに大金を儲けていた連中が
いっせいに大損して、これもまたお金を使わなくなった。
構造としては、割合単純でだと榊は思っています。
ビッグスリーの経営悪化もそれに尽きます。
だから、榊は、回復も早いと思っています。
いろいろ難しい問題はありますが、
アメリカの低所得者に代わって、
そのうちモノを買えるようになる(消費する)人間が、
シナにも、ロシアにも、南米にも、南アジアにも、たくさんいます。
アメリカの低所得者と違って、これからどんどん増えていきます。
モノを買って消費する人間は、
地球的規模で見ると、増えるのです。
だから、ここは世界的な景気が踊場で一休み、
ではないでしょうか。
ドルが弱くなる、人民元が強くなる、地政学的なバランスが崩壊する・・・
ということはあるでしょう。
歴史家の言葉で言うところの「パクスアメリカーナ」が終わるのです。
アメリカ人が、彼らの基準に照らして「悪」である
全体主義者や共産主義者、イスラム原理主義者を懲らしめないと、
世界の政治状況はいささか不安定になります。
でも・・・人々が生きている限り、経済は不滅です。
それを求める人々がいる限り、
製品は作られ、改良され、進化してきます。
政治的な不安定が世界に蔓延しない限り・・・・
日本はもう、ダイナミックには成長しないかもしれません。
でも、経済の絶対値(仮にGDP)が衰退することもないでしょう。
そう願っています。
成熟した社会の訪れ・・・を期待します。
そして、成熟した日本人にふさわしい、良質な住まいを。
榊の最後の願いはそこにあります。
さて、今日は疲れと酔いにまかせて綴ってしまいました。
もしかしたら、後に一部修正するかもしれませんが(笑)。
テーマ:首都圏マンション情報 - ジャンル:地域情報
ここは早くから株価が低迷しており、
時間の問題と誰もが思っていました。
私のブログにもいくつか問い合わせがありましたが、
「株価が事実上倒産状態にあり、その点からできれば避けるべき選択」
と、ご相談をいただいた方にはご案内していました。
株価が10円前後では、そういわざるを得ません。
予想されたこととはいえ、
そうなったらそうなったで、
ちょっと残念な気もします。
何といっても老舗です。
今はいくつもある大京OBが作った企業の中でも、
草分けと呼べる存在。
かつては供給数で3位あたりにランキングされていました。
ただ・・・・マンションづくりに「思想」や「志」が
あまり感じられませんでした。
10年ほど前の経営危機で、
創業一族が退場してからも、それは同じ。
この流れ、まだ続くかもしれませんね。
かつてない暴風雨が業界を襲っています。
不名誉退場、となる企業はまだまだ出てくるでしょう。
でも、整理淘汰が進んだ後には、
マンション業界が少しは知的に進化して、
日本の住文化を高める「モノ」を創ることに期待するばかりです。
作って売れば儲かるからどんどん作る・・・
誰でも資金さえあればマンション事業ができる・・・
そういう風土が、志の低い
マンション開発企業(デベロッパー)を生み、
成長させ、躍らせ、驕らせ、狂騒させた結果がコレです。
次回は、なぜにこの業界にはこれほどに志の低い企業が多いのか、
について書いてみたいと思います。
●ご相談をいただいている皆様へ
ご返答が遅くなって申し訳ございません。
榊は明日、休日返上でみなさまの相談にお答えするつもりです。
それでも追いつかなかった場合は、何卒ご容赦下さい。
先日、注意情報を出しましたが、
これは「その動向に注意の眼を向けてください」という意味です。
それ以上でも、それ以下でもありません。
誤解のないようにここで申し上げておきます。
榊淳司
テーマ:首都圏マンション情報 - ジャンル:地域情報
増えるんですか、というのが正直な感想です。
そもそも、去年の今頃の予想は
「首都圏のマンション供給戸数は07年が60,331戸(前年比19.0%減少)の見込みで、08年は54,000戸(同10.5%減少)と2年連続の減少を予測した。08年は、年明けから改正建築基準法の影響で供給戸数が激減するとしている」
ということですから、7,000戸ばかりが積み残しになっているわけです。
さすれば、残りの40,000戸が新規供給、ということになります。マンション分譲事業というのは、土地の仕込から販売開始まで、通常は1年から一年半かかります。つまり、来年発売開始になるマンションは、去年の後半から今年にかけて仕込まれたもの。
そんなに買ってましたか? というのも正直な感想。
業者間の転売ならいっぱいありました。
でも・・・・
実を言うと、デベはそれくらい出したいのです。
仕込んでもあります。土地が高かった2年位前に。
でも、今出せば当初の想定価格ではとても売れません。
赤字覚悟で販売せざるを得ません。
現に今、泣く泣く赤字で売られているマンションも多数あります。
でも・・・・赤字販売を行なえる体力が、デベに残っているのでしょうか?
榊の予想は2万戸台です。
業界的には、多いこしたことはありません。
でも、明るい見通しを立てられる空気はまったくない、
というのが、これも正直な現状です。
取り急ぎの感想です。
榊淳司
テーマ:首都圏マンション情報 - ジャンル:地域情報
コスモスイニシア
日本綜合地所
フージャース
プロパスト
(アイウエオ順)
最近、業界内で年内・年明けの動向に「注意」が集まってる4社です。
●JV案件の志を疑う2
みなさまからのご相談で、最近めっきり増えたのが
「売主の会社が倒産したらどうなるのでしょう?」
あるいは
「契約して手付金を納めたけれど、再生法が申請された。どうなるのでしょう?」
といった種類のものです。
個々のケースによって微妙に異なるので一概にどうとはいえませんが、
一番の問題は
・瑕疵担保責任などのアフターケア
です。
あまり表には出てこないものですが、
新築マンションの引渡し後のトラブルは案外多いものです。
水漏れ、雨漏り、床の反り、タイルの剥落、コンクリートのヒビ・・・・
「業界大手だから」「老舗企業だから」「テレビでCM流しているから」
安心できるとは限りません。
私が知る限り、大手でもかなり問題は発生しています。
業界ではこういう問題が発生した場合の対処を
「クレーム処理」と呼んでいます。
自分たちが「欠陥」の元を作っておいて
「クレーム」と呼ぶのは、なんとも傲慢な感じがするのは私だけでしょうか?
こういった問題が発生した場合、
もし売主が民事再生だったらどうなるのか?
補修を求める先の会社がなくなっているか、
半身不随常態か、あるいは名前も中味もまるっきり変わってしまっているか・・・・
というのが最大の問題だと思います。
中には、保険に入っている場合もあります。
その時は保険でカヴァーできるはずですが、
それにしても元々責任のある会社が対処するのと
おのずとやり方が変わってくるのではないでしょうか。
さて、こういう問題が発生した場合、
売主がJVで何社もある場合はどうなるのでしょう?
いわゆる、民法でいうところの共同債務になるはずです。
それぞれの持分に応じて補修の費用を負担しなければならないのです。
「だったら別に問題ないじゃない」
という声が聞こえてきそうですね。
その通り。
JV全社がすんなりと負担を承諾すればなんの問題もありません。
ところが・・・どこの社会にもいるでしょ、変なのが。
JVの中にもいるかもしれません。
例えば中の1社で決定権を持つ人物が、
補修計画書とその見積書をチェックして
「ここがおかしい」「これはもっと安くできるはずだ」
「なぜこの業者なんだ」
なーんてゴネ出して判子を押さなかったらどうなるか・・・
もちろん、その間は補修工事を行なえません。
補修工事が遅れて不利益をこうむるのは、
そのJVのマンションを買って住んでいる人。
JVに参加している企業が多ければ多いほど
こういった「変な人」による履行遅延が起こりやすくなります。
また、分譲・引渡しが完全に終わってから、
JVの1社が再生法を申請したとします。
そして、分譲したマンションに欠陥が見つかり、
補修をしなければならなくなった場合は・・・・
その再生法申請企業に負担能力がないと、
他のJV参加企業が肩代わりするのでしょうが、
やはり手続きが煩雑になる分、
補修工事が遅れるのではないでしょうか。
広告で「日本を代表する企業○社が事業主だから安心」
的な謳い文句をよく見かけます。
それは「日本を代表する企業○社全部が合意しないと、
アフターケアひとつできない事業だからご注意」
と読み替えてもいいのではないでしょうか。
売主が1社なら、決定権者はひとり、あるいは社内の数人。
でも、例えば「JV9社」となると、決定権者は「×9」なのです。
何かの欠陥・不具合が発見された時、
事業主が1社だったら、
「これは速やかに処理しなければ会社の信用に関わる」
という意識が働きます。
自然、対処もスピーディなはずです。
これが9社もあったとしたら・・・・
例の「赤信号みんなで渡れば・・・」の気持ちが生まれ、
9社それぞれの心理的な責任意識は希薄になると思います。
さて、JVプロジェクトの批判ばかり書きました。
少しは褒めておきましょう。
●JV案件のメリット
それは、中の1社が途中で倒産しても
その持分を他の企業が肩代わりして責任を引き継ぐ、
という契約があらかじめ為されていることです。
その点、購入者側にも安心できます。
もうひとつあるとすれば、
それぞれの参加企業がもつ得意分野が
マンションづくりにに反映されること。
電力系や電機メーカー系が参加していれば「オール電化」、
ハウスメーカー系が参加していれば
戸建て用の建材やプラン作りのノウハウを活かせる、とかです。
以上、JVプロジェクトの項を一応終えます。
ご意見・ご感想、そしていつもの通りご批判もあれば
コメントでどしどしお寄せください。
●さて、榊からいつものお願いです。
今まで2回「榊淳司の注目のマンション情報」を配信しましたが、
もしこの2物件のモデルルームに行かれた方は
ぜひ感想をコメントでお聞かせください。
皆さんの目に、あのふたつのマンションがどう映ったか、
榊はとても興味があります。
●お知らせします。
もうすぐ発売される「日経マネー」に掲載される
榊淳司の「失敗しない不動産投資」コラム。
今回の内容はずばり「不動産投資も今が買い時!」
実際に買って住む方にはあまり関係ないかもしれませんが、
ひとりでも多くの方に買って読んでいただければ幸いです。
●原稿のご依頼は、このブログのコメントからご連絡ください。
当方よりメールで返信差し上げます。
●メール配信のお知らせ
「榊淳司の注目のマンション情報」の
第3弾を現在計画中です。
今度は、ちょっと変りダネのマンションを紹介しようと思っています。
これまで榊がご相談にたいする回答を返信させていただいた方には
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不用の方は、コメントをお寄せいただく際に、
その旨書いて置いてください。
「注目のマンション情報」の中味だけ読みたい、という方は
榊淳司の注目のマンション情報
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●ご相談をいただいているみなさまへ
回答が遅れ気味で申し訳ございません。
今日もこれからひと仕事片付けた後、
各ご相談へのアドバイスを書いてお送りしたいと思います。
すべての方まではできないと思いますが、
だいたい4,5日以内にはお送りするように心がけています。
もし、それ以上経っているのにこない、
と言う方は申し訳ございません。
手作業で行なっているので、見逃した可能性があります。
恐れ入りますが、もう一度こちらのからコメントからお送りください。
★コメントをいただく際に、
○検討の物件名
○住戸の広さ、間取り、条件
○価格、先方の提示価格
○交渉過程
○家族構成など、マンションを買う理由
○その他必要と思われる条件
など、こちらが判断する上で必要と思われるアウトラインを
ある程度お知らせください。
ただ、個人情報は不要です。
首都圏、近畿圏の方については土地勘を交えた
アドバイスを差し上げられる場合があります。
その他のエリア及び首都圏・近畿圏でも
榊の土地勘のない地域につきましては、
申し訳ございませんが、市場データやHP情報による
一般的な見解をお伝えしています。
榊淳司
テーマ:首都圏マンション情報 - ジャンル:地域情報
かつての日本の一漫才師がいったギャグ・・・
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」
これは、日本人の行動様式を悪意の目で活写しています。
国際航路の大型豪華客船がまさに沈没しようとするとき、
脱出用のボートに乗り移れる人数に限りがあったとします。
世の習いとして女性と子ども、老人が優先されます。
後に残る男どもを説得する殺し文句として
アメリカ人には
「席を譲る君たちはヒーローになれる」
イギリス人には
「それがジェントルマンの義務です」
ドイツ人には
「女性と子どもと老人を優先するのが規則です」
日本人には
「他の方も皆さんそうなさっています」
といったとか、いわないとか・・・・
さて、この日本人の悲しき習性を余すことなく発揮しているのが、
マンションにおけるJV案件です。
JVとはジョイントベンチャー・・・だったと思います。
簡単にいえば、何百戸もの新築分譲マンションの「売主」に
聞いたような大企業の冠をかぶせたいくつもの会社が名を連ねていること。
つまり、売主が1社ではなく複数になっている場合。
なぜ、そういうことになるのか?
裏を明かせばカンタンなことです。
どこかの大企業の工場跡地とか、
いわくつきの土地の権利関係を整理した大きな敷地とか、
行政が持っていて払い下げた埋立地とか、
行政に連なる公団が持っていた再開発用地とか・・・・
そういう土地をどういう経路かで仕入れることに長けた
ゼネコンがあります。この企業を仮にH社と呼びましょう。
ところが、これを自分のところで購入して、
マンションにして販売して売れなかった場合・・・大変です。
かつてH社がマンションの分譲事業で大失敗なんかしていると
なおさらリスクには敏感です。
そこで、H社はもともとゼネコンであることを生かし、確実に利益が取れる
「設計」「建物建築」「販売代理」「管理」だけを請け負うことにして、
それを条件として他社に転売します。
このとき、土地のスケールが大きすぎると1社では中々決断できないので、
H社は複数の大企業に話を持ちかけます。
「このマンションが完売すると事業規模が00億円、利益が0億円。建築や販売はすべて私どもにお任せ下さって安心です」
「○○社さんが00%の持分について、事業化の方針です」
という感じで、脇の甘い大企業に持ちかけるのです。
その時に、○○社が日本を代表するような企業だと、
それを聞いた一部上場でも、成り上がり系の企業は
「じゃあ、うちもそこに名を連ねよう」ということになります。
そういったシナリオで
「日本を代表する○○社と○○社、○○社の共同事業」という
広告の謳い言葉にあるようなJVが成立するのです。
でも・・・みなさん、不思議に思いませんか。
そもそも、そのマンション事業が成功するはずなら
なぜ土地を仕入れる能力のあるH社が単独でやらないのですか?
単独でやれば、土地の仕入れ、設計・建設・販売・管理・・・・
デベロッパー事業のすべての利益を総取りできるのです。
その総額や、莫大です。
それをせずに、あえて他社に転売して、
自分たちは設計・建築・販売の薄い利益で満足する・・・・
不思議でしょ?
それは、デベロップメント(開発)事業には、巨大なリスクが伴うからです。
かつてH社がデベロッパー事業の失敗によって
企業滅亡の危機を味わっていたとすれば、
あえてそのようなリスクを避けようとするのは、それなりに理解できます。
でも・・・・
そんなリスキーなマンション開発事業を、
H社があえてリスクヘッジした土地で行ってきた企業は
一体何を考えていたのでしょう?
これは榊の理解の範囲を超えます。
あえて答えを出すとすれば、冒頭に申し上げたコメディアンのギャグ・・・
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」
そして、日本人の悲しい行動様式・・・
「他の方も皆さんそうなさっています」
そんな低い志で、エンドユーザー一人ひとりの人生に関わる
マンションを開発・分譲している企業の安直な事業姿勢に、
榊は素朴な疑問を感じ続けてきました
あえて言いましょう。
事業主企業が数多く名を連ねるJV案件には
よきマンションをつくろうという魂は宿っていません。
そこには
「みんなと一緒にちょっとだけ危ない橋を渡って、安直に儲けよう」
という、志の低い事業マインドが作った
出来合いのマンションがあるのみです。
ただ・・・そのようなマンションの中にも
現場の設計者や事業担当者の熱意が
込められた商品が・・・少しはあります。
それを見分けるのは、一般の方にはすごく難しい問題だと思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●さて、榊からいつものお願いです。
今まで2回「榊淳司の注目のマンション情報」を配信しましたが、
もしこの2物件のモデルルームに行かれた方は
ぜひ感想をコメントでお聞かせください。
皆さんの目に、あのふたつのマンションがどう映ったか、
榊はとても興味があります。
●お知らせします。
現在販売中の月刊誌「日経マネー」に、
榊淳司のコラムが掲載されています。
みなさん、ぜひ買って読んでください。
●原稿のご依頼は、このブログのコメントからご連絡ください。
当方よりメールで返信差し上げます。
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これまで榊がご相談にたいする回答を返信させていただいた方には
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不用の方は、コメントをお寄せいただく際に、
その旨書いて置いてください。
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榊淳司
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ほぼ決定・・・・のはずですね。
それを受けてか、今日は不動産屋さんの株が軒並み高騰。
年があけたらマンションが飛ぶように売れる?
のではないかという観測されているようです。
実際にどうかは分かりませんが。
きな臭いのは、自民党が分裂模様を呈していることです。
もし、新党結成で内閣不信任案可決−解散、
なんてことになると、それどころではなくなります。
早くこの法案が国会を通って欲しいですね。
中味を見ると・・・どうやら、今年買った人には適用されないようです。
160万円と600万円なら、それはやっぱり来年にした方がいいでしょう。
それに、今回は住民税からも控除されるので、
より多く恩恵を受けられることになります。
というわけで、ご購入されたマンションで
年内に引渡しが予定されている方は、
極力来年に延ばされることをお勧めします。
どうしても引き延ばせないときは、
せめて引越しを来年に繰り越してください。
もちろん住民票を移すのも来年に。
現行の制度では「居住の用に供す」のを始めた年からの適用です。
引渡しが今年でも、住み始めたのが来年なら、
新しい制度が適用されるはずです。(現行規定では)
今年引渡しを受けて引っ越された方は、
お気の毒と言うほかございません。
ただ、間違いのないように申し上げておきますが、
住宅ローン控除はローンを組んだ方のみに適用されるもので、
全額現金でお買いになった方には関係ありません。
現金の場合は別の控除の対象となります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●さて、榊からいつものお願いです。
今まで2回「榊淳司の注目のマンション情報」を配信しましたが、
もしこの2物件のモデルルームに行かれた方は
ぜひ感想をコメントでお聞かせください。
皆さんの目に、あのふたつのマンションがどう映ったか、
榊はとても興味があります。
●お知らせします。
現在販売中の月刊誌「日経マネー」に、
榊淳司のコラムが掲載されています。
みなさん、ぜひ買って読んでください。
●原稿のご依頼は、このブログのコメントからご連絡ください。
当方よりメールで返信差し上げます。
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榊淳司
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回答が遅れ気味で申し訳ございません。
今日もこれからひと仕事片付けた後、
各ご相談へのアドバイスを書いてお送りしたいと思います。
すべての方まではできないと思いますが、
だいたい4,5日以内にはお送りするように心がけています。
もし、それ以上経っているのにこない、
と言う方は申し訳ございません。
手作業で行なっているので、見逃した可能性があります。
恐れ入りますが、もう一度こちらのからコメントからお送りください。
★コメントをいただく際に、
○検討の物件名
○住戸の広さ、間取り、条件
○価格、先方の提示価格
○交渉過程
○家族構成など、マンションを買う理由
○その他必要と思われる条件
など、こちらが判断する上で必要と思われるアウトラインを
ある程度お知らせください。
ただ、個人情報は不要です。
首都圏、近畿圏の方については土地勘を交えた
アドバイスを差し上げられる場合があります。
その他のエリア及び首都圏・近畿圏でも
榊の土地勘のない地域につきましては、
申し訳ございませんが、市場データやHP情報による
一般的な見解をお伝えしています。
●本日の話題は「週刊朝日」その他の記事についてです
地下鉄に乗っていると今週号の「週刊朝日」の
中吊り広告が目に飛び込んできました。
「不動産底値買いのチャンス
専門家が教える値引きの極意」
あれ、それは今、私が今やっていることじゃん!
と思って・・・・いつになく買ってしまいました(笑)
何か私も知らないような奥の手があるかと思いきや・・・・???
掟破りの「担当者ボーナス」なんてのも紹介されていましたが、
なんだかやましいことしているみたいで、嫌ですよ、そんなの・・・
これだけは押さえたいマンションの「必須チェックポイント」
というのがあって、こちらの担当「専門家」は元東急設計の碓井民朗さん。
昔々お会いしたこともあって、私も尊敬しています。
専門家ならではのディテールが示されているので、
巷の住宅情報誌が取り上げがちなものより使えるでしょう。
しかし・・・全体的にはいつもどーりの期待はずれ。
業界の外の人間が業界の中を取材して書くのだから、
やっぱり限界がありますね。
記事のボリュームにも限りがあります。
最近、いろいろな雑誌でこの手の企画をたくさん見かけるようになりました。
私がこの数ヶ月間言ってきたことを、
今さらの如く強調していただいているので
こちらとしても光栄に存じています。
ひょっとしたら、私のブログをご覧になっているのでしょうか?(笑)
それとも、先月20日に発売された「日経マネー」の、
私のコラムをお読みになったのでしょうか?
●住宅ローン減税、ほぼいけそうか?
やっぱり最大600万円になりそうな気配ですね。
ただ、いつ買った人に適用されるのか、
という我々が一番知りたいことが不透明なまま。
これでは動きようがありませんね。
私としては前回のブログ記事以上に申し上げることはありません。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●さて、榊からいつものお願いです。
今まで2回「榊淳司の注目のマンション情報」を配信しましたが、
もしこの2物件のモデルルームに行かれた方は
ぜひ感想をコメントでお聞かせください。
皆さんの目に、あのふたつのマンションがどう映ったか、
榊はとても興味があります。
●お知らせします。
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榊淳司のコラムが掲載されています。
みなさん、ぜひ買って読んでください。
●原稿のご依頼は、このブログのコメントからご連絡ください。
当方よりメールで返信差し上げます。
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これまで榊がご相談にたいする回答を返信させていただいた方には
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不用の方は、コメントをお寄せいただく際に、
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本当は「値引き交渉のコツ」などは、あってないものです。なぜかというと、個々のケースとそれぞれの人物のキャラクターによって、値引き交渉の情景はまったく異なったものになるからです。だから、どのケースにも適用できるような「コツ」はありません。ですので、ここでは一般的なことだけ書いてみます。
●どう切り出せばよいか
みなさんからのご相談を読んでいると、これが一番難しいようですね。特に首都圏の方はものを買うときにあまり値切ったことがないようなので、余計に切り出しにくいのかもしれません。関西の方でも、相手が大企業だと躊躇されることがあるようですね。
でも、今や値引きは当たり前です。堂々と要求していいものだと思ってください。ただし、「値引きの仕組み」のところで書いたように高飛車に出ると担当者にそっぽを向かれることがありますから、くれぐれも気をつけてください。しかし、決して下手に出る必要はありません。堂々としていましょう。
まず、「買ってやってもいいが、これじゃあ高すぎる。0000万円までさげろ」というのでは反発されます。
一般的には「このOタイプの000号室が大変気に入りました。買いたいのだけれど、私の予算ではどうも足りません。0000万円なら買えると思いますが、何とかなりませんか?」という切り出し方でしょうね。
●希望額は実際の100万円下を提示
その際の希望額は、実際に買える額の100万円ほど下に言っておきましょう。交渉の過程で「それじゃあ、何とかがんばってあと100万円」と、相手に譲歩できます。交渉ですから、向こうも一方的に押しまくられて100%譲歩、というのでは面子が立ちません。というか、上司や売主への言い訳で「○○さんにもがんばっていただき100万円予算を上げてもらいました」といえるからです。
●「お金がかかる」系の情報は開示
値引きを引き出す理由は「この金額でなければ家計的に買えません」というのが、一番強力です。そのために、ローンを利用される方は年収などの情報はきちんと教えるべきです。というか、ローン審査に必要です。さらに、子どもを私学に行かせているとか、老いた親の面倒を見なければいけないとか「お金がかかる」系のプライベートな事情はなるべく担当者に伝えてください。売主が「だったら仕方がないな」と思える材料になるからです。
そうではなく、資金的な余裕があるのだけれど「駅の向こうの○○マンションと比べたら、こっちは割高じゃないか」という理由で値引きを迫ると、販売担当者も「いいえ、うちのマンションはコレコレの理由があるからこの価格なのです」と切り替えしてきます。販売担当者は、周辺の物件との競合条件は熟知していて、問答集まで作って理論武装しています。そこから攻めても無駄です。
●「今月中に決めてくれれば・・・」に惑わされない
よくある相談に「今月ご契約いただければ000万円の値引きができますが、来月はできなくなります」といわれたからどうしよう、とか「この週末に決めなければいけませんが、どうしましょう?」みたいに、期限を切られてあせらされている例がよくあります。
こういう期限は、販売担当者が勝手に決めているだけですから、気にしないでください。今のご時勢なら、時間が経てば経つほど値引き幅は拡大します。今月は000万円で来月はゼロ、なんて常識的にありえない話です。
唯一、ありえるのは他に買いたい客が現れて、お目当ての住戸が契約されてしまう場合です。ただ「他にも検討なさっている方がいらっしゃいますので、早めに決めてください」というトークは、フェイクであることがほとんどです。本当かフェイクか、見極めるコツはありません。それこそ、みなさんの眼力にかかっています。
●競合物件をぶつけてみる
これは交渉上手な方なら、やって見られればいいと思います。ただ、いろいろな駆け引きを伴いますので、自信のある方のみになさってください。下手にやると逆手に取られて、精神的に不利な状況に追い込まれることにもなります。
現場の販売担当者は、周辺エリアの競合物件については熟知していますから、アレコレ説得されたり、こちらの手の内を見透かされたりすることもあります。なるべく、遠くの物件で、本命とは全然関係なさそうな企業が売主のものになさってください。
●「粘り」と「がんばり」です
ダメかな、と思っても諦めないことです。今の時代、なんでもアリですから一旦交渉が決裂しても、担当者とのつながりだけは維持してください。
「○○さん、たまにはモデルルームに遊びに来てください」と電話で誘われたら、行ってあげてください。そういう時には「0000万円(希望額)までは、まだ無理ですか?」と冗談めかして聞いてください。その時はダメでも、その後で売主の判断で値引きのラインがそこまで下がってくれば、真っ先に電話がかかってきます。
また、最近ありがちなことは、販売価格の5掛け(半額)以下で業者に転売してしまうことです。そういう時には、たとえ1戸でもそれ以上の額で売りたいので「○○さん、今週中に契約していただければご希望額の0000万円が可能です」という連絡があります。そういう時は「0000万円(6〜5掛けくらい)ならすぐに契約します」とさらに値引きを要求すると、すんなり通ったりします。まあ、レアケースですが。
要は、売主の事情である日突然値引き許容ラインがガクンと下がることがあるのです。そういう意味で、担当者とは喧嘩別れにはしないでください。
●強い意志を持ってください
担当者は、それこそ交渉のプロです。何度も経験しているでしょう。さまざまな説得を試みて、こちらの希望額を上げさせようとします。これにずるずると引き込まれれば、向こうの思うツボ。それを避けるためには頑として「0000万円でなければ、契約しません」という態度を貫くべきです。
●「モデルルーム家具付」に惑わされない
モデルルームの家具というものは、基本的に売主が買取ったものです。マンションの販売が終われば、行き場所のないもの。たいていは購入者にあげるか、担当者が自宅に持って帰ります。「000万円相当です」といわれても、実質的な値引きではありません。ただし、モデルルームにおいてある家具は、しごく高価なものであることがほとんどです。
●ポイント制に惑わされない
「00ポイントで大型液晶テレビ」というポイント制は、ごくありがちな値引きスタイルです。ただ、本当に欲しいものであればいざしらず、そうでなければその分を価格から引いてもらったほうが賢明です。
私がいつも相談でお答えしている、一般的な「値引きのコツ」をあげれば、以上のようなものです。ただ、マンションとはそれこそ「一物一価」で、それぞれのケースによってすべて事情が異なります。
また、交渉の過程は一様ではありません。
肝心なことは、「私は交渉が下手だから」なんて思う必要がないということ。自分は0000万円で買いたい、という強い意志を持って粘る、がんばるのに交渉のテクは必要ありません。そこに求められるのは、強い意志です。
みなさんのご健闘を心よりお祈りします。
●さて、榊からいつものお願いです。
今まで2回「榊淳司の注目のマンション情報」を配信しましたが、
もしこの2物件のモデルルームに行かれた方は
ぜひ感想をコメントでお聞かせください。
皆さんの目に、あのふたつのマンションがどう映ったか、
榊はとても興味があります。
●お知らせします。
現在販売中の月刊誌「日経マネー」に、
榊淳司のコラムが掲載されます。
みなさん、ぜひ買って読んでください。
●原稿のご依頼は、このブログのコメントからご連絡ください。
当方よりメールで返信差し上げます。
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榊淳司
テーマ:首都圏マンション情報 - ジャンル:地域情報
今回は「新築マンション値引きの仕組み」です。
値引き交渉は一種の「戦い」のようなものです。戦いに勝つには、孫子がいうように「己を知り、敵を知らば百戦危うからず」です。今回の記事は、「敵」を知るための基礎知識とお考えください。
●現場の営業マンは「兵隊」である。
お気づきと思いますが、ほとんどの新築分譲マンションの販売側企業は「売主」と「販売代理」が分かれています。購入者は「売主」から購入するわけですが、モデルルームなどの販売現場で説明・案内するのは「販売代理」会社の社員です。つまり「担当者」と呼ばれる方々。
少数ではありますが「売主」が直接販売している場合があります。ただ、そういう場合も、接客をしている「担当者」は「黒子」と呼ばれる派遣社員がほとんどです。
販売会社の社員や売主の名刺を持った担当者には、はっきりいって「値引き」に関する限り、ほとんど権限がありません。例えていうなら、売るための「兵隊」さん。定価で販売することはできますが、1円でも値引きをするためには上司、あるいは売主の承諾が必要です。
●この「兵隊」を侮るなかれ
でも、この兵隊さんを侮ってはいけません。彼らは歩合の割合が高いとはいえサラリーマンです。売らなくても最低限の収入は保証されています。「こんなヤツに頭を下げてまで売ってやるか」となると、そっぽを向かれて値引き交渉すら始まりません。
非常に残念なことではありますが、マンション販売現場で接客にあたる方々はホワイトカラーの中でも選りすぐりのエリート集団、というわけではありません。むしろその逆である場合も多々あります。普通に3ヶ月も勉強すれば合格する宅地建物主任者の試験に2回も3回も落ちる人もゴロゴロいます。また、偏った思い込みに陥りがちなタイプや、他人に対する偏見を抱きやすい方も少なくありません。
決して彼らに対してへりくだる必要はないのですが、「値引きして当然でしょ」という態度で交渉を始めようとすると、へそを曲げられてしまう可能性もあります。
●第一ステップは「上司(または売主)と相談します」
先ほども書きましたように現場の販売員には、値引きに関する限り、権限は皆無に等しいと思ってください。もし、いきなり「今決めていただけるのなら000万円値引きできます」と言われたら、それはあらかじめ000万円までなら値引きしていい、というインセンティブ枠(値引き幅)が現場に与えられている場合で、誰が行ってもその額だけは値引きしてくれる、ということです。そういう場合は、その額を交渉のスタートにすべきです。
さて、こちらの希望額が向こうの提示額と異なった場合、交渉が始まります。希望額の切り出し方は、次回詳しく書きますので、ここではひとまず交渉開始とします。
現場の担当者さんは、自分の判断で決められませんから「上司(または売主)と相談いたします」となります。これが第一ステップ。
その際に、たいていの場合は「いけるかもしれません」とか「無理だと思いますが」と、彼らの予想が付けられます。これは、まあ参考程度に聞いて置いてください。
●担当者を「戦友」にすべし
モデルルームで交渉が行なわれるのはたいていが土曜と日曜。ほとんどの新築マンションでは月曜日に「営業報告」が行なわれます。土日に接客したひとりひとりの客について、コメントを付した報告書を売主に提出します。客にはランクが付いています。S、A、B、C、Dなどです。Sは契約確実。Aは濃厚。Bは交渉次第。Cは今後期待。Dはほぼダメ。値引き交渉の対象者はだいたいB。
さて、そこで担当者もしくはその上司から個々のケースについて説明がなされます。SとAは問題ないのですがBの場合は、詳しい事情説明が求められます。
つまり、なぜその客は値引きを求めているのか。交渉によって歩み寄れる余地はあるのか。どこと競合しているのか。値引きすれば本当に買うのか等々が突っ込んで議論されます。
そこで、担当者が熱意を持って「この方に買って欲しい、売って差し上げたいから、どうか値引きを認めてください」と説得すれば、売主の担当者も「じゃあ上司に相談するか」ということになります。
上司も売主担当者に説得されると、「だったら仕方がないから稟議を書いてみるか」と話が進みます。つまり担当者に「値引きをして売りたい」という熱意のあるなしは、値引き交渉の成否に大いに影響するのです。
だから現場の担当者は敵ではなく、味方に引き込むべきです。「どうしてもこの人に買って欲しい」と思い込めば、それこそ必死で上司や売主を説得してくれます。逆に「どーでもいいや」と思っていると、それが伝わり、値引きの話も進みません。
もし、販売の担当者とソリが合わなければ、現場の販売所長に直接電話して担当者変更をお願いしてください。これはよくあることです。一生に一度かもしれない買い物ですから、そういうことに遠慮する必要はありません。
●稟議が回って役員決済
そして、いよいよ「000号室について○○氏に000万円値引きし0000万円で契約してもよろしいでしょうか」という稟議書が作成されると、売主経営陣にまわされることになります。会社によりますが、社長決済であることがほとんどです。
●交渉には時間がかかります
以上は、スムーズに進んだ場合のことで、通常はこのどこかの段階で行ったり来たりを繰り返します。ですので、土日にモデルルームで交渉を始めて、翌週の月曜(つまり翌日か翌々日)に結果が出ることなど、まずありません。
もし「大丈夫です。000万円引きでご契約いただけます」なんて返事が来たら、それは値引き幅があらかじめ決められた枠内であったか、よほど販売を急いでいるか、のいずれかです。そんな時は「ちょっと考えさせてください」といって、作戦を練り直しましょう。
行ったり来たりは、何週間も続くことが普通です。売主は少しでも値引き幅を圧縮したいので、現場の販売担当者に「000万円だったら稟議が通せるから○○さんと交渉しなさい」と指示を出したりします。そうすると、「先日のお話を上に上げたところ000万円までだったら値引きができるということになりましたが、なんとかその線でお願いできませんでしょうか?」という電話がかかってくることになります。
●値引き幅は事情次第。半額もあり得る。
よく「いくらくらいまで値引きが可能でしょうか?」というご相談があります。これはケースバイケースです。つまり、売主がどこまで決断するかです。「赤字でも仕方なし。一日でも早く完売」というハラなら、当初設定価格の半額だってありえます。現に、業者間で転売する場合の相場は、今や5から4掛けが普通です。
「絶対に赤字にしない」ということであれば、その時点で全体の内何戸を定価で販売できたかによります。定価でたくさん売っていれば、より多く値引きしても全体として収益を確保できます。ただ、定価で買った人の手前もあるので、あまり多くの値引きには踏み切りにくく、多くて3割ほどです。
1戸1戸についての「利益確保」を死守しているのなら、せいぜい2割でしょう。
●なぜ来年の3月までが買い時なのか
マンションの売主各社は今、必死で在庫を圧縮(値引き販売)しています。来年の3月末時点での完成在庫は「時価」で評価されます。それが原価(土地購入費+建設費+諸経費)を割っていた場合は「損失」として計上しなければなりません。加えて、手元資金が絶対的に不足しています。決算をキレイにするのと、手元の現金を確保するため、損をしてでも売りたいのです。だから、購入側にとっては千載一遇と呼べるほどのチャンスが来年3月までなのです。
以上、ごくごく簡単に書きましたが、これが「新築マンションの値引きの仕組み」です。実際は個々のケースで異なってきます。今、自分が値引きの仕組みのどの段階にあるのかを考え、冷静に交渉を進めてください。迷われたら、ご相談も承ります。
●榊からのお願いです。
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榊淳司
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