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ソニーが韓国企業に追いつかれた理由とは(上)

 日本の電子業界大手ソニーが世界的な経済危機の余波で揺れている。ソニーは昨年末にストリンガー最高経営責任者(CEO)が1万6000人の従業員を解雇する大々的なリストラ計画を発表したのに続き、2009年3月期の連結営業損益が1000億円前後の赤字になるとの見通しも報じられている。

 ソニーの営業赤字見通しは、世界景気が急速に低迷したことで生じた円高現象が直接的な原因として挙げられる。しかし、国内外の電子業界関係者からは、ソニーの電子部門の競争力が土台から揺らぐのではないかとの観測が出ている。特に過去数十年にわたりソニーの象徴だったテレビ事業の不振がその代表だ。

◆迷走するテレビ事業

 先週、米ラスベガスで開かれた家電展示会「コンシューマー・ エレクトロニクス・ショー」(CES)でLG電子の姜信益(カン・シンイク)社長は「年内にソニーに追いつく」と宣言した。サムスン電子は既に3年前にソニーを追い越し、その差を広げる勢いだ。これは4-5年前には想像もできなかったことだ。サムスン電子幹部によると、当時はメディアが「サムスンのテレビがソニーを追撃」などと報じると、尹鍾竜(ユン・ジョンリョン)元副会長(現常任顧問)が「そんな高慢なことを言うのは誰だ」とたしなめたものだという。同幹部は「まさに隔世の感だ」と話した。

 ソニーのテレビがサムスン電子、LG電子など韓国メーカーに追い上げられたのは、デジタルテレビへの転換が遅れたためだ。2000年以降、サムスン電子とLG電子は液晶・プラズマディスプレーによるテレビに集中投資を行ったが、ブラウン管への郷愁に浸っていたソニーは平面テレビに対する投資時機を逸した。ソニーはそれを挽回(ばんかい)するため、有機発光ダイオード(OLED)テレビなど次世代製品を開発する計画だったが、膨大な投資が必要なOLEDテレビの市場は過去2-3年でほとんど成長が見られなかった。LG電子幹部は「ソニーは昨年1年間、注目を浴びるような新製品をほとんど発売できなかった。ソニーは代わりに価格攻勢で市場シェアを拡大しようとしたが、円高が進み業績が悪化した」と語った。

趙亨来(チョ・ヒョンレ)記者

チョン・ジンヨン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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