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【政治】

給付金効果 政府、説明できず 

2009年1月14日 07時03分

 衆院予算委員会は十三日、二〇〇八年度第二次補正予算案に関する三日間の審議を終えた。野党の質問は定額給付金に集中する一方、麻生首相ら政府側は経済効果やその目的を明確に説明できなかった。給付金論争が過熱した分、早期の対応が求められている雇用対策の議論が置き去りになった。 (竹内洋一)

 「過去に例がないこと(経済の悪化)が起きているので、余裕のある方は、ぜひ消費してほしい」。首相は十三日の予算委で、高額所得者も給付金を受け取り、消費に回すことを重ねて要望した。

 ただ、与謝野馨経済財政担当相は「高額所得者でも給付を受けた場合、消費マインドは当然生じる」と強調しながら、「従来の消費を抑えた場合は、プラスマイナスゼロになることは当然だ」と発言。景気刺激の効果を断言しなかった。

 政府は一九九九年の地域振興券の例から、二兆円の給付金のうち新たな消費に回るのは四割との推計を示し、国内総生産(GDP)を0・2%押し上げると説明した。ただ、現金ではなく、貯蓄に回しにくい地域振興券を引き合いに出しても、国民理解の助けにはならない。

 審議中、給付金の目的をめぐる首相発言の「揺れ」も給付金への批判を高める要因になった。首相は当初は生活支援と説明し、その後は「消費刺激」とし、高額所得者も給付金を受け取るべきだと主張。約一カ月前、給付金を受け取る高額所得者を「さもしい」と評したこととの矛盾を野党側から突かれた。

 一方で、広がる雇用不安に対し、審議が深まったとは言い難い。野党が製造業への派遣労働規制を求めたのに対し、首相は「製造業は常用雇用が望ましい。さまざまな議論があるので検討する必要がある」と踏み込んだものの、議論はそれ以上発展しなかった。

(東京新聞)

 

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