渋谷区の住民で作る「渋谷オンブズマン」(久保田正尚代表)は13日、金井義忠区議(57)=真自由政経フォーラム=が架空の領収書を使って政務調査費210万円を不正に交付させた疑いがあるとして、警視庁に詐欺の疑いで刑事告発したことを明らかにした。いずれも親族の経営するたばこ店名義の領収書で、「切手代」と「はがき代」とされていたという。【前谷宏】
オンブズマンは昨年夏、07年度に区議に交付された政務調査費の収支報告書と、添付された領収書を情報公開請求した。オンブズマンによると、このうち金井区議に交付された計240万円の中の210万円分に当たる領収書11枚が、兄が経営する「金井煙草店」の名義になっていた。ただし書きはいずれも「切手代」と「はがき代」で、1年間で▽80円切手2万5000枚▽50円切手1200枚▽50円はがき800枚を購入したことになっており、収入印紙も張られていなかったという。
オンブズマン側は「1年間にこれだけの切手とはがきを購入するのは不自然で、架空請求の疑いが濃厚」などとし、昨年12月4日付で告発したという。
金井区議は13日、毎日新聞の取材に対し「210万円分は区議会に返還した。現在、オンブズマンから区監査委員に監査請求も出されており、結果が出るまで詳細はコメントできない」と話した。
〔都内版〕
毎日新聞 2009年1月14日 地方版