御要望がありましたので、大変恐縮なのですが「ドライバースキル」の個人的な見解をこれからボチボチと書かせて頂きます。2002年より「BMW走行会」の主催としてサーキット走行と密着し、ドライバースキルに「移動運転技術」と「本当の車の運転技術」と2種類のスキルが存在するのを見つけました。そんな中で試行錯誤して体験した事や、先人の方達の伝え語りをなぞったり、仲間と切磋琢磨して自分なりに理解した事柄ですので御容赦下さい。※先人の方達の築いているスキルを自分なりの解釈したのだと思ってくださいね。
カーライフを楽しむ為に、走りのステージを2つ持ってください。と現在、私が主催する「BMW Pole Sitter」では主張しています。
事情により「サーキット走行」参加は難しい方は多いです。
いつかは「サーキット走行!!」の為の準備、公道での法定内運転を楽しく幅を持たせる為にも、法定内での公道での練習+課題を持って走ってみて欲しいです。
ただし、サーキットの運転スキルの「本当の車の運転技術」と公道の運転スキル「移動運転技術」は根本が全く違いますから、移動運転から発生した我流運転はまずはゼロにリセットする必要があります。操作は変わりませんからここで言うのは「意識」です。
簡単に言うと「物理の力」を車の運転操作に意識して取り入れましょう、と言う事になります。
「根性のノーブレーキ」とか「気合いのコーナリング」(笑)では無く理論と走りのイメージの勉強のしなおし。それから身体センサーの必要性。G変化を感じられる身体センサーの育成は必須となり、これはまさにスピードレンジの低い法定内速度ではうってつけです。
そして無制限速度のサーキットのスピードレンジと法定内のスピードレンジにおいて、実は車の操作は全く一緒なのです。違いはありません。
操作の速度やタイミングがスピードに合わせて、少し早くなる程度です。
自動車評論家の某さんがいつも言っていますが、サーキットスピードに慌ててしまい操作に力が入って繊細な操作ができていない。通常運転でも意識さえすれば素晴らしい練習が出来ますよ、と。
私は我流運転が抜け切らずに、某さんにアドバイスを求めたら「コーナリングで車が前を向くまではアクセルをあけるな」と言われ半信半疑でトライしました。
遅い・・・凄く遅く感じます(笑)コーナーってこんなに長い時間いるのかと思うくらいでしたが、タイムは2秒アップしたのです。それから真剣に理論を理解しようと努力がはじまりました。
話を戻して
速度が低いだけで「サーキット走行に通用するスキル」は日常の運転に練習として取り入れられるのです。
公道での街乗り走行を「交通安全」を目的に、法定速度内での「本当の車の運転スキル」の練習をします。
ポイントは
・「交通安全」
・「ステアリング」
・「アクセリング」
・「ブレーキング」
のほぼ4つとなります。
私は、日々の街乗り自体が、いろんなレッスンを絡めて考えて走っているので、サーキット走行はその答え合わせの場所となっています。
サーキットのタイムとは客観的に自分のレベルを教えてくれる「相棒」のような存在です。まずは自分の車の性能を「邪魔」をせずに発揮するようにする事が初級となります。中級は、自分の車をテクニックで「積極的に曲げていく」。上級は、さらに回りの一緒に走る車をコントロールする、になります。
自分が上手くスキルアップしたかはタイムが教えてくれるのです。
しかし、タイムに捉われていては「楽しいカーライフ」では無くなるのを気をつけなければいけません(矛盾していますが)
今でこそ、何となく考えた事柄がアジャストするようになりましたが、走り始めた当初は「あーだ」「こーだ」と走行仲間と議論したり、先人の方達の意見を取り入れて自分なりに工夫して、街乗りレッスンに挑んできましたが、半分以上の確率で「遠回り」や「無駄」が多かったのは事実です(笑)
でも、それが楽しかったり、一番身になったりしていましたね。
それまでは「走る事」なんて深く考えてなくて、聞きかじりや雑誌の知識程度で「わかった風」を装っていたのです。全開で走る場所なんてサーキットぐらいだし、サーキットって危険で怖いし、車が傷むから走る気にもなりませんでしたし(笑)
食わず嫌いと言うか真実は、何事も体験しないと判らないものですね。
サーキットで車を傷めるのは、コースではなく自分自身のスキルだと知ってリラックスして取り組めるようになりました。そして、ルールやマナーを皆で共有し遵守すれば、これほど安全で合理的なシステムは無いと感心したり・・・。
さて、公道での法定速度内でのレッスンですが、皆さんも何か考えて取り組んでくださいね。
ポジションのお話です。
4点式シートベルトやバケットシートが無い方は、ポジションの想定のレッスンを取り入れてください。ノーマルシートやスポーツシートは身体がホールドしづらい傾向があります。
スピードレンジによって横G、前後Gが思うより入力されてシートから身体がずらされてしまいます。またその状態に緊張してしまい腕の力を入れすぎてステアリングを持つ手に力が入り、肩にも力が入り、スムーズなステア操作の妨げになります。
また、右足でのアクセルもブレーキも繊細な操作がしづらくなります。
前後G横Gがかかっている時に両手、両足に力が抜けられる姿勢が、楽しいドライビングを約束するポジションの基本です。
左足で、フットレストをグイーッと腰をシートに押し当たるくらいの意識で押します。そうすると腰がシートに固定されてGに対して上半身がリラックスできます。
さらに、大また開きをして膝を車体に押し付けると完璧です(やりすぎですね・笑)
下半身は、大変な姿勢で固定しているのに対して、上半身はフリーでリラックスさせるポジション作りを街乗りに取り入れてみてください。シートセッティングの重要性がわかったりします。
他に注意点は、目視です。周りの車の動きを十分に見渡す癖をつけて下さい。
ポイントの「交通安全」では、周りを常に見て全てを理解するスキルのことです。バックミラーみてますか?(笑)
「みんカラ」ブロガー以外の一般のドライバーの方達は、頻繁には見ていないとお見受けします。
練習とは
自分の車の周り半径20mくらいの、車や、単車、歩行者の動き、信号、交通の流れ等は、身体で理解できるくらい常に見て情報を仕入れて、直接見ていないときでも身体で感じれるようにしてください。
交通安全に磨きがかかりますし、サーキットを走る場合でもとても必要となるスキルです。
直接見てない時、と言うのは、例えば前を見ているときも、後ろの動きが予想できる、という事です。近づいているのか離れているのか、危険なのか安全なのか・・・殺気(笑)ではありませんが、身体のセンサーをフル動員して感じてみてください。徒歩で歩いていると後ろの殺気(笑)は感じられたりしますよね?あの感じに近いです。
左右もしかりです。
判り易く言うと、駐車場に車庫入れをしたり車を出したりする時に、隣の車や壁を「感じられる」事ができますよね?寄せすぎると背中が「ぞわわわっ」と気持ち悪いというか、ヤバイ感じがしますよね。自分の車の見ていない箇所のイメージができますよね?あれです。回りの車に対して、近づいてくる車輌に対して、歩行者も自転車もしかりですが、それを走行中も感じられる「センサー」を育成しましょう・・・という練習です。そうすると予想するスキルが養われてきます。
仙人の方術の「八方眼」という技術に近いです。
この練習は「余裕」という時間をくれます。余裕時間があれば操作にも余裕が発生しますので、是非取り入れてください。
もう少し言うと5秒後の自分の周りの動き、10秒後の回りの動きを常に予想すると言うかイメージしてみてください。
「安全運転」に磨きをかけて走る練習から始めましょう。