2008年01月15日
本当の車の運転技術・公道の法定内練習の勧め
御要望がありましたので、大変恐縮なのですが「ドライバースキル」の個人的な見解をこれからボチボチと書かせて頂きます。2002年より「BMW走行会」の主催としてサーキット走行と密着し、ドライバースキルに「移動運転技術」と「本当の車の運転技術」と2種類のスキルが存在するのを見つけました。そんな中で試行錯誤して体験した事や、先人の方達の伝え語りをなぞったり、仲間と切磋琢磨して自分なりに理解した事柄ですので御容赦下さい。※先人の方達の築いているスキルを自分なりの解釈したのだと思ってくださいね。

カーライフを楽しむ為に、走りのステージを2つ持ってください。と現在、私が主催する「BMW Pole Sitter」では主張しています。

事情により「サーキット走行」参加は難しい方は多いです。

いつかは「サーキット走行!!」の為の準備、公道での法定内運転を楽しく幅を持たせる為にも、法定内での公道での練習+課題を持って走ってみて欲しいです。

ただし、サーキットの運転スキルの「本当の車の運転技術」と公道の運転スキル「移動運転技術」は根本が全く違いますから、移動運転から発生した我流運転はまずはゼロにリセットする必要があります。操作は変わりませんからここで言うのは「意識」です。

簡単に言うと「物理の力」を車の運転操作に意識して取り入れましょう、と言う事になります。

「根性のノーブレーキ」とか「気合いのコーナリング」(笑)では無く理論と走りのイメージの勉強のしなおし。それから身体センサーの必要性。G変化を感じられる身体センサーの育成は必須となり、これはまさにスピードレンジの低い法定内速度ではうってつけです。

そして無制限速度のサーキットのスピードレンジと法定内のスピードレンジにおいて、実は車の操作は全く一緒なのです。違いはありません。

操作の速度やタイミングがスピードに合わせて、少し早くなる程度です。

自動車評論家の某さんがいつも言っていますが、サーキットスピードに慌ててしまい操作に力が入って繊細な操作ができていない。通常運転でも意識さえすれば素晴らしい練習が出来ますよ、と。

私は我流運転が抜け切らずに、某さんにアドバイスを求めたら「コーナリングで車が前を向くまではアクセルをあけるな」と言われ半信半疑でトライしました。

遅い・・・凄く遅く感じます(笑)コーナーってこんなに長い時間いるのかと思うくらいでしたが、タイムは2秒アップしたのです。それから真剣に理論を理解しようと努力がはじまりました。

話を戻して

速度が低いだけで「サーキット走行に通用するスキル」は日常の運転に練習として取り入れられるのです。

公道での街乗り走行を「交通安全」を目的に、法定速度内での「本当の車の運転スキル」の練習をします。

ポイントは

・「交通安全」

・「ステアリング」

・「アクセリング」

・「ブレーキング」

のほぼ4つとなります。

私は、日々の街乗り自体が、いろんなレッスンを絡めて考えて走っているので、サーキット走行はその答え合わせの場所となっています。

サーキットのタイムとは客観的に自分のレベルを教えてくれる「相棒」のような存在です。まずは自分の車の性能を「邪魔」をせずに発揮するようにする事が初級となります。中級は、自分の車をテクニックで「積極的に曲げていく」。上級は、さらに回りの一緒に走る車をコントロールする、になります。

自分が上手くスキルアップしたかはタイムが教えてくれるのです。
しかし、タイムに捉われていては「楽しいカーライフ」では無くなるのを気をつけなければいけません(矛盾していますが)

今でこそ、何となく考えた事柄がアジャストするようになりましたが、走り始めた当初は「あーだ」「こーだ」と走行仲間と議論したり、先人の方達の意見を取り入れて自分なりに工夫して、街乗りレッスンに挑んできましたが、半分以上の確率で「遠回り」や「無駄」が多かったのは事実です(笑)

でも、それが楽しかったり、一番身になったりしていましたね。

それまでは「走る事」なんて深く考えてなくて、聞きかじりや雑誌の知識程度で「わかった風」を装っていたのです。全開で走る場所なんてサーキットぐらいだし、サーキットって危険で怖いし、車が傷むから走る気にもなりませんでしたし(笑)

食わず嫌いと言うか真実は、何事も体験しないと判らないものですね。

サーキットで車を傷めるのは、コースではなく自分自身のスキルだと知ってリラックスして取り組めるようになりました。そして、ルールやマナーを皆で共有し遵守すれば、これほど安全で合理的なシステムは無いと感心したり・・・。

さて、公道での法定速度内でのレッスンですが、皆さんも何か考えて取り組んでくださいね。

ポジションのお話です。

4点式シートベルトやバケットシートが無い方は、ポジションの想定のレッスンを取り入れてください。ノーマルシートやスポーツシートは身体がホールドしづらい傾向があります。

スピードレンジによって横G、前後Gが思うより入力されてシートから身体がずらされてしまいます。またその状態に緊張してしまい腕の力を入れすぎてステアリングを持つ手に力が入り、肩にも力が入り、スムーズなステア操作の妨げになります。
また、右足でのアクセルもブレーキも繊細な操作がしづらくなります。

前後G横Gがかかっている時に両手、両足に力が抜けられる姿勢が、楽しいドライビングを約束するポジションの基本です。

左足で、フットレストをグイーッと腰をシートに押し当たるくらいの意識で押します。そうすると腰がシートに固定されてGに対して上半身がリラックスできます。

さらに、大また開きをして膝を車体に押し付けると完璧です(やりすぎですね・笑)

下半身は、大変な姿勢で固定しているのに対して、上半身はフリーでリラックスさせるポジション作りを街乗りに取り入れてみてください。シートセッティングの重要性がわかったりします。


他に注意点は、目視です。周りの車の動きを十分に見渡す癖をつけて下さい。

ポイントの「交通安全」では、周りを常に見て全てを理解するスキルのことです。バックミラーみてますか?(笑)

「みんカラ」ブロガー以外の一般のドライバーの方達は、頻繁には見ていないとお見受けします。

練習とは

自分の車の周り半径20mくらいの、車や、単車、歩行者の動き、信号、交通の流れ等は、身体で理解できるくらい常に見て情報を仕入れて、直接見ていないときでも身体で感じれるようにしてください。

交通安全に磨きがかかりますし、サーキットを走る場合でもとても必要となるスキルです。

直接見てない時、と言うのは、例えば前を見ているときも、後ろの動きが予想できる、という事です。近づいているのか離れているのか、危険なのか安全なのか・・・殺気(笑)ではありませんが、身体のセンサーをフル動員して感じてみてください。徒歩で歩いていると後ろの殺気(笑)は感じられたりしますよね?あの感じに近いです。

左右もしかりです。

判り易く言うと、駐車場に車庫入れをしたり車を出したりする時に、隣の車や壁を「感じられる」事ができますよね?寄せすぎると背中が「ぞわわわっ」と気持ち悪いというか、ヤバイ感じがしますよね。自分の車の見ていない箇所のイメージができますよね?あれです。回りの車に対して、近づいてくる車輌に対して、歩行者も自転車もしかりですが、それを走行中も感じられる「センサー」を育成しましょう・・・という練習です。そうすると予想するスキルが養われてきます。

仙人の方術の「八方眼」という技術に近いです。

この練習は「余裕」という時間をくれます。余裕時間があれば操作にも余裕が発生しますので、是非取り入れてください。

もう少し言うと5秒後の自分の周りの動き、10秒後の回りの動きを常に予想すると言うかイメージしてみてください。

「安全運転」に磨きをかけて走る練習から始めましょう。

Posted at 2008/01/15 18:22:03
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この記事へのコメント
2008/01/15 19:09:31
すばらしいです 為になります
5s後の予測 先を読む・意識することですね・・・忘れてました
今の状態のリカバリーに意識しすぎて(笑
コメントへの返答
2008/01/16 13:18:10
偉そうに申し訳ないですm(_ _)m
先人の方達の受け売りです(^-^ゝ
ただ、私も考えて目標をもって取り組むと本当にただ車を運転しているだけで「感動」できるようになってきたのです。無感動の私としてはこれは凄い発見なのです。

2008/01/15 19:17:37
とかく「速さ」を優先する
走行会が多い中、「安全に」
というコンセプトをもった
走行会をpolesitter以外
知りません、ためになりますよ、
って褒めすぎ?(笑)

自分のペースで走るって
すごくかっこいいんです。
コメントへの返答
2008/01/16 13:17:49
褒めすぎです(笑)
結局我々はレーサーでは無いので、生きていることがカーライフの全てのフィールドですもんね。公道って中途半端な思いや矛盾で走られている方は非常に多いと思っています。移動として割り切るとどんなに気持ちいいか(^-^ゝそしてその移動の法定内の街乗り運転が新しい刺激を毎日乗るたびに与えてくれるのですから、ドライバースキルの向上はやめられないです。

2008/01/15 19:28:51
運転の勉強って教習所だけだったし、こういう上達の勉強はとても興味があります。

いろいろ教えてください^^
コメントへの返答
2008/01/16 13:21:12
何を仰いますか。こちらこそいろいろ教えてください。

スキルアップのアンテナが正確に物事をキャッチできるのは「素直な心」が一番と言うのは嫌ほど思い知りました。

人前で教えてください。と言う言葉は簡単に思えますが人として「大きな度量」がないと言えないのを私は知っています。

2008/01/15 20:50:59
とても勉強になる、そして怖いお話でした。自分の今までの色々を思い出し、反省しました。BMWに乗るようになってから、車が体の一部だと心底感じられるようになりました。SFアニメじゃないですが、まさにモビル・スーツだと思っています。ロボットなら「戦闘」するわけですが、自分はまだかろうじて思うように「移動」させているだけです。しかし、この車は自分のすべてを反映して、逆にこの車が自分にすべてを反映させて、文字通り車と自分とを一体化すると信じさせてくれます。あとは心と技の問題です。人波の中を走って抜けるのでも、色んな情報を瞬時に動きに変えています。少しでも接触したくはないです。車ならもっと絶対接触したくないです。だから交通安全にはとても気をつけたいと思いました。ドアミラーもバックミラーもあまりよく見ていなかったと思います。心でさえ感じたいことを、眼でさえ見ていないとはどういうことかと我ながら呆れます。長文で済みません。最後に、自分のスキーは下手なんですが、記事を読みながら、あらゆる動きや力の入れ方を直線的でなく、曲線的にしろと言われたのを思い出しました。カクッではなくジュワーって感じです。日頃の運転で心掛けたいと思います。
コメントへの返答
2008/01/16 13:36:37
こちらこそ勉強になりました。
人波の通行の表現は「いただき」ました(笑)
今後いろんな所で使わせていただきますm(_ _)m
非常に具体的にいろんな方がイメージしやすい表現だと思います。
私達のカーライフのステージは8割がた以上が公道となります。
ドライビングプレジャーとして操る楽しみ、性能を発揮させる楽しみの為に法定速度や交通法規のある公道ではしてはいけません・・・と大人な皆さんは理性的にわかっている反面、非合法とわかっていながら「ちょっとやっちゃう」シーンが多々あると思います。普通に公道を走っているだけでも周りのドライバーの無法は目に付くところも多いと思います。みんなやっている・・・。
矛盾や葛藤を抱えて走られている方も多いと思います。
私もそうでした。しかしドライバースキル向上にはまってからは、モヤモヤした公道の通行にキッチリとけじめがつけられ、法定内速度練習を取り入れてからハッキリと交通安全の意味と行動がわかったのです。そんな個人的な勝手な想いですが仲間には伝えて行きたいと思うようになりました。運転が上手くなるたびに「普通の法定内移動」の運転が楽しくなるのです。
サーキットと公道の2つのステージを上手に使用する事でカーライフはより奥深く楽しい境地(?・笑)に至るなーと確信しています(^-^)

2008/01/16 11:05:53
本当の運転技能
マスターしたいです!
いつも勉強させてもらってます
ありがとうございました
別な場所でも使わせてもらおうと思ってます(勝手に)

今回は紹介もさせてもらってます
ひとりでも多くの方が共有してもらいたい
BMWに限らず運転が好きなら大切にしたいことだと思います
大好きなクルマのためにも
コメントへの返答
2008/01/16 13:43:56
こちらこそです。
表現は先人の方達のノウハウを加工した受け売りだと思っていますから、お気にすることなくガンガン表現してください。私も勉強させてもらっています。
公道に対して中途半端なモヤモヤな価値観や気持ちが、本当に晴天のように晴れ上がり毎日楽しく車の運転を楽しんでいます。これからガソリンが血の一滴になってきます。公道では「本当の車の運転技術」をフルに使っての「ECOラン走行」でタイヤなど消耗品までも減らさない走りを心がけ、年に何回かのサーキット走行で、これまでの培った課題勉強の答え合わせやドライビングプレジャーを心行くまで開放する・・・そんな使い分けができるとカーライフに幅がでると勝手な意見ですが思っています。

2008/01/16 14:59:42
オヂサンも、数回サーキット走行に参加させていただきましたが、確かにサーキット走行した帰り、高速道路など、他車の動きが良くわかるような気がします。
・・・自分ひとりで走ってる訳ではないですもんねぇ〜
また、ステアリング、アクセリング、ブレーキングは、ひとり一人タイミングも違えば、セッティングも変わってきますし、それを仲間で楽しく・・・♪
ってコトを教わったような気がしますぅ
コメントへの返答
2008/01/16 17:38:10
サーキットと公道とそれぞれのステージのスキルをリンクさせれば、きっと楽しいカーライフになると勝手に思っています(^-^ゝ
>自分ひとりで走ってる訳ではないですもんねぇ
これは鋭いです。回りの方達を自身がどのように捉えていくかで環境は変わってきます。敵対するものではなく、自身を成長してくれる大切なパートナー(一期一会でも)と捉えると価値観がグングン広がり走ることの奥行きもババーンと広がります(私の体験談)

2008/01/16 17:30:56
初めての走行会主催で胃に穴が開きそうです。丁度、啓蒙する意味でのブログを書いている途中でした。初めて走行する人にただ「安全に」といっても意味がないことに気づきました。サーキットにおいてはどうすると安全なのか皆さんわからないのでしょうね。でも実はそれは日々の運転技術の応用でしかないんですよね。そういう意味でも、この記事をヒントとさせていただきたいと思います。

でもあまり脅しすぎて、せっかくの機会を楽しめないのでは本末転倒ですよね。でも絶対にぶつけて欲しくない。。。ヒジョーに難しいところです。。。
コメントへの返答
2008/01/16 17:42:31
おせっかいしに行きたーい(笑)

おせっかいしたーい(笑)

よけいなおせっかいしょっと(^-^)



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