口の中でとろりと溶けるおいしさ
アイスクリームはシャーベットと違って、凍っているのになめらかな口当たりがあります。これは、アイスクリームの中に空気が混ぜられているからです。テレビなどでアイスクリームを作る機械を見たことがありませんか。
材料を入れて凍らせながら羽根を回転させると、その組織の中に空気が送り込まれていきます。空気が入ることによって独特の口当たりが生まれるのです。
また、氷を口に入れたときほど冷たく感じないのは、空気や乳脂肪の細かい粒子が冷たさを伝えにくくするからです。さらに乳脂肪はアイスクリームに適度な粘性と、おいしさの決め手となるコクのあるまろやかな風味を作ってくれます。
デザートでもからだに必要な栄養が摂れる
栄養豊富な牛乳を原料にしているので、良質のたんぱく質やカルシウム、ビタミンA、B1、B2などを摂ることができます。エネルギーはアイスクリーム1個(乳脂肪分8%・130ml)当たり136kcalで、板チョコ1枚(約50g)やスナック菓子半袋(約50g)の半分しかありません。そのうえカルシウムは105mgで、牛乳コップ2分の1杯(100ml)とほぼ同じ。子どもの成長に欠かせない栄養が手軽に摂れるおやつに、また、大人でも食事だけでは必要な栄養を摂れないときに適した食品です。夏バテをしたり、食欲がでないときにもおすすめです。
アイスクリームが太りにくいってホント?
アイスクリームは太るというイメージがあるようですが、筑波大学運動・栄養生化学の鈴木正成教授の研究では太りにくい食品であると報告されています。その理由は2つあります。
その1 血糖値が上がりにくい
食後に血糖値が急速に上がるとインシュリンの分泌が増え、体脂肪として蓄積されやすくなります。一定量の炭水化物(50g)を含む食品を食べた2時間後の血糖上昇反応を示す指数を「GI値(グリセミック指数)」といい、ブドウ糖を100としたときの比で示されます。この指数が低いほど太りにくいということになりますが、アイスクリームは牛乳やほかの乳製品と同様、GI値が低いと報告されています。
その2 冷たさ効果
冷たいアイスクリームを食べるとからだの中から冷やされるため、体温を元に戻そうとしてエネルギーの消費が大きくなるので太りにくくなります。
また、冷たいと短時間に大量に食べることはできません。摂り過ぎにはなりにくい食品といえるでしょう。
アイスクリームは1年中食べられますが、それでも夏に食べるのは格別。この夏もおいしく味わって、アイスクリームと新しい思い出を作ってください。