「恋人ようになれると思っていた」。去年、東京・江東区で34歳の男が、同じマンションに住む女性を殺害、遺体をバラバラにした事件の初公判で、殺人などの罪に問われた男は起訴事実を認めました。
検察の冒頭陳述で明らかになったのは、余りにも残忍な犯行の詳細でした。
「(Q.マンション内で見たことは?)僕はちょっと面識ない方だったんですけど」(星島被告〔2008年4月〕)
事件発生の翌日。カメラの前でこう話した星島貴徳被告。去年4月、東京のマンションで2つ隣の部屋の東城瑠理香さん(当時23)を乱暴目的で襲い、殺害。その後、遺体をバラバラに切断して捨てた殺人や死体遺棄などの罪に問われています。
13日の初公判で、星島被告は頭を丸めて現れました。
「違っている事はございません」(星島被告)
星島被告は、小さな声で起訴事実を認めました。
一方、検察官は冒頭陳述で動機をこう指摘しました。
「被告は女性と交際した経験がなく、乱暴し続ければ快楽に溺れさせ、言うことを何でも聞く『性の奴隷』にする事が出来ると考えるようになりました」(検察側の冒頭陳述)
そして、残酷な犯行の状況を詳細に述べました。
「被告は自分の部屋の玄関で被害者を待ち伏せし、鍵の音を聞いて部屋を飛び出しました。被害者宅に押し入り、被害者を強く殴ってうつ伏せに倒し、両手首をタオルで縛り、目隠しをして自分の部屋に連れ込みました」(検察側の冒頭陳述)
監禁から3時間後、廊下に立つ警察官を見て犯行の発覚を恐れた星島被告は、瑠璃香さんの口を手で押さえ、首を包丁で突き刺して殺害したといいます。
「(警察官に)『この方なんですが?』と写真を出されたので『面識ないです』と。僕を疑っているのかも知れないですけど、何も聞こえなかったですね。もう眠いんで、寝てもいいですか」(星島被告〔2008年4月〕)
瑠理香さん殺害後、部屋を訪れた警察官に星島被告はこう惚けたといいます。
検察官はさらに冒頭陳述の中で、星島被告が二週間かけて包丁やのこぎりで遺体をバラバラにして水洗トイレに流したり、出勤途中にゴミ捨て場に捨てたりしたと指摘。下水溝などから押収した骨や肉片などの写真を法廷の大きなモニターに映し出し、1つ1つ説明しました。このとき、星島被告はうつむいたままでした。
午後から行われた被告人質問。
「性の快楽によって支配し、自分のいいなりにしようと思った。自分なら出来ると思ってました。恋人のようになれると思ってました」(星島被告)
弁護側は「犯行に計画性はなく、わいせつ行為も行っていない」などと主張。今回の裁判では事実関係に争いはなく、争点は量刑に絞られています。
今月中に5回の集中審理を行い、来月10日にも判決が言い渡される見通しです。(13日16:31)