東京都は13日、東京・築地の中央卸売市場にある仲卸業者「尾坪水産」(中央区)がトラフグ2匹(計約1キロ)などが入った発泡スチロール箱を紛失した、と発表した。誤って調理された場合は危険なため、都は認証を受けたふぐ料理店以外でトラフグを食べないよう呼びかけ、医療関係者にもフグ中毒患者が出た場合は通報するよう注意喚起した。
都によると、尾坪水産は10日夕、注文先からの連絡で紛失に気づいた。トラフグ2匹のほか、白子、内臓などを取り除いた身欠(みがき)フグ1匹分が入っていた。同日昼間に紛失したとみられ、他業者の品物に紛れ込んだか、誤って配送された恐れがある。
同社は13日に都へ届け出た。築地市場での紛失例は「聞いたことがない」(都担当者)という。トラフグの肝臓や卵巣などには青酸カリの1000倍以上といわれる猛毒が含まれている。【江畑佳明】
毎日新聞 2009年1月13日 21時20分(最終更新 1月13日 21時57分)