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2007-01-18 「希望なき時代」という物語に抗する このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

マンガの話題を書かないことに決めたら書くことがなくなってしまったが、他のブログで書くつもりが面倒くさくなった。

帰宅の途中で雑誌日経ビジネス」の表紙がYKKの特集だったので読んでみることにしたが、これがなかなか面白かったのでウェブサイトを見ると毎週月曜日発売とのこと。どこの職場でも置いてあるかもしれないが面白かったので挙げておきたい。YKKというのはあのファスナーとアルミサッシで有名なメーカーである。ある程度年のいった人にはファスナーというと通じないかもしれないがチャックと言う人はとても少なくなった気がする。

日経ビジネス誌のウェブサイトの、「最新号の読みどころ」を見ると、ポスト資本主義社会という見出しになっている。

http://business.nikkeibp.co.jp/nbs/nbse/focus.html

ポスト資本主義社会というのはP.F.ドラッカーの同名の著書からとっているようだが、私はその本を読んでいないのでAmazonレビューを見た。ドラッカー全体主義に抗するためにマネジメント理論を生み出したと聞いている。ちょっとしたトリビア脱線すると、ドラッカーの名を知ったのはかつての現代思想ブームの火付け役の一人だった経済人類学者の栗本慎一郎氏がカール・ポランニーの弟子と言っていたのだったと思うが、その栗本氏が一時流行らせた「暗黙知」の概念を提唱した物理化学者マイケル・ポラニーはカールの兄である。現在では暗黙知という言葉ビジネスマンにも広く知られたため、元々のハンガリー語読みではポラーニと表記されるようだが、どちらの表記にするかでお里が知れるということはとりあえずどうでもよくて、つまるところポスト資本主義社会というのはかつて考えられていたマルクス主義の目指した共産主義ではなくてむしろ自由主義でありながら現状の資本主義とは異なるものだということであって、それが現実にどのようなものであるのかという具体的なビジョンを誰かが明確に持っているわけではないけれども、YKKという地域に徹底的に密着しながらきわめてユニークなグローバルな展開をしている企業のあり方がヒントとならないか、ということであろう。

YKK富山県黒部市を本拠地として、ファスナーのシェアが圧倒的なためアパレルメーカー世界中への進出に伴うことでたとえばパキスタンや、スワジランドなどに生産拠点を持つ、ある種極端に日本離れしたグローバル企業のようなので世の中一般の日本人がまねしたいと思えるものではないが、衣料品世界中どこでも必要とされるものであるゆえに必然的にグローバルになるとも言える。また高級ブランドにも用いられるのでファスナー自体が高い品質とバラエティを備えている。日本企業の強みのヒントもある。

もちろん非常に特殊な例と言えるが、最近思うに日本の一国の中で地方財政破綻とか希望格差社会などと呼ばれている現在にこそ、ビジネスチャンスになるようなヒントは埋もれているのではないか。本来ビジネスに関心が薄く商才がない私だが、高齢化が進めばいやでも介護ビジネスヘルスケアなどの充実が求められていくだろうし、たとえば郊外型のショッピングセンターでは交通の不便があるということで小売りの業態も今後意外な方向に変わっていく可能性もあるのではないかと思う。

発想次第で社会がよくできると思えないのはバブル崩壊以降、ニヒリスティックな物語を簡単に信じ込んでしまうようになっているからではないか。物語批判の方法論は、今ならたぶん単に学問と呼んでもいいような気がするが、今こそ必要なのだと思う。

2007-01-03 新年のご挨拶など このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

正月休みも終わってしまうので昨年の書き残しになってしまいますが、昨年特にお世話になった方々に年賀状を出さなくてはいけないかしらと思いながら、個人用の名刺入れを入れた袋ごと部屋のどこかに埋もれさせたりという状況で結局特には出しませんでした。本当にそうじ力を鍛えないといけないようですが、お世話になったと言うよりもご迷惑ばかりかけてしまったのではないかというおそれのほうが大きいです。

自分くらいの年だと働き盛りという印象がありますがいろいろと個人的な事情もあったりで、本業のほうも日曜マンガ読みのほうも中途半端なまま、だいたい2年間ほどなんとか力を振り絞って書き続けてきましたが、恩のある人に余計なご迷惑をかけるようなことになっては困りますので、自分自身の長年の目標を進めるべく、また社会人としての責任もありますので、心身ともに立て直しをしないといけない状況と考え、こちらの書き込みはしばらく停止することにしてみたいと思います。後の予定は特に決めていませんが、他のところでは時間の余裕と自分の本来しようと思っていることへの関連があれば適宜更新することもあるので、活動そのものを停止するものではありませんが。正直見に来るだけでもそれなりに時間を食うので通勤モバイルで見られる環境は欲しいと思いつつ、少しいろいろな関心の発散を制御して整理していくような訓練も必要なのかもしれません。とはいえ世の中が大きな変化のただ中にあるのだとすれば広い範囲にアンテナを張って自分なりにいろいろ考えることもこれからの人生を続ける上で必要になってくるとは思っているので、あまりあせらずに、世の中や身の回りにこれから起こるかもしれない事態に対応していけるようになりたいと思っています。