東京・銀座で交通渋滞の原因となっている客待ちタクシーの行列解消に役立てようと、東京都は26日から来月13日にかけ、JR新橋駅近くの乗り場からあふれたタクシーは別の駐車場に待機させる実証実験を行う。待機用のスペースが限られた場所でも渋滞の解消を目指す初の試みで、都都市整備局の担当者は「今後の対策に応用する基礎資料にしていきたい」と話している。【木村健二】
実験対象は、新橋駅銀座口にほど近い「銀座1号乗り場」。銀座地区はタクシー業務適正化特措法に基づき、平日午後10時~翌日午前1時は、指定された乗り場以外での乗車が禁止されている。1号乗り場は、高速道路の入り口に近く長距離客が多いため、客待ちタクシーが周辺では最も多い。ピーク時の待機列は800メートル(約150台)を超え、二重、三重に並ぶ個所もあるという。
実験は期間中の土日祝日を除く14日間、午後10時~翌日午前1時に行う。待機列が1号乗り場から中央通りまでの約200メートル(約20台)を超えた場合、それ以上のタクシーは東約1・5キロにある中央区内の3階建て駐車場(約240台収容)で待機する。
タクシーは駐車場入り口のETCシステムで客待ちの順番が登録される。1号乗り場で空きが生じると、監視しているスタッフが駐車場に情報を送信。駐車場の専用信号が青になり、登録順に従ってタクシーが乗り場へ向かう。駐車場で待機中はアイドリングを止めさせ、温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)の排出削減も狙う。
毎日新聞 2009年1月13日 東京夕刊