2005-09-21 体調不良が続く
この前の3連休中に部屋の片づけをしようと思っていたのだけど、夏がぶり返して寝る時間になっても部屋の温度が30度を超える中、のどの痛みも完全に治らず、下痢も止まらず床に伏せっていました。
連休明けに朝起きあがれず、体調が落ち着いてから夜間診療の内科に行くと、ウィルスが胃でも炎症を起こしているんでしょうとのこと。なるほど腑に落ちました。体中だるいからやはり全体的に体力が衰えているようだ。
■女の読むマンガ

AERAとフリースタイルの2誌が女性の読むマンガの特集をしている。AERAの特集では今の女性が特に女性向け雑誌に限らず少年誌や青年誌の作品を読んでいるという当たり前の事実を記しているが、ジャンルをあらかじめ制限しないでこのようなことを記した特集が今までほとんどなかった。コミックマーケットの発展を思えば80年代に女性が少女マンガ離れを起こして少年誌を読むようになったらしいことは想像に難くない。男たちが少女マンガについて熱く語ることに嫌気を感じたのかどうかはわからないけど。
フリースタイルのほうは「少女漫画」とあえて漢字で漫画としている。やまだないと、よしながふみ、福田里香の3人による鼎談。よしながを除く二人は私とほぼ同年齢ぐらいだろう。30年間の漫画の歴史をこの3人でふり返るというのも最近ではあまり見られない特集だった。
フリースタイルはこれが第2号だけど読み応えのある記事が多かった。
私が24年組という言葉を耳にするのは「ぱふ」のようなマンガ情報誌からだろうと思うので高校の頃。大島弓子を初めて読んだのは大学入学後で、「綿の国星」のどこが傑作なのか最初はわからなかったが、「バナナブレッドのプディング」を読んでなるほどと思った。橋本治氏の「花咲く乙女たちのキンピラゴボウ」でも触れられているので、このへんは決して読解が難しいことはない。「バナナブレッドのプディング」は月刊セブンティーンに連載されていた当時の読者で話がわからないという評判があったと聞いたことがあるが、それは小説を読むスキルとそれほど違いはないように思う。
■個人的なマンガベスト5をメジャー作家の長編で選ぶ

くらもちふさこ「おばけたんご」
楳図かずお「洗礼」
篠原千絵「海の闇、月の影」
全部少女まんがになってしまったのは長編で読み切った作品が少ないがゆえ。
「おばけたんご」のラストシーンは私は雑誌初出のほうが好み(書き手としてはたぶんけっこう難しいのだろうけど)。
■「ユリイカ」は水木しげる特集

京極夏彦氏によるインタビューまである豪華な特集なのに、ブログ界隈でまるで話題にならないってのはどうよ。
執筆陣に博覧強記の岡崎乾二郎氏がいる。浅田彰氏や岡崎氏の守備範囲の異常な広さは普通のサブカル系のライターではなかなか太刀打ちできないものがある。
2005-09-14 ちょっと一人コミックバトンなどしてみたい

勝手に拾ってこようかと思ったけれど一人バトンということにしてコミックの趣味とか書いてみましょうか。
■本棚に入っている漫画単行本の冊数
棚に入っているのはせいぜい300冊くらいかも。段ボールや収納を入れれば1500冊位?短編しか買わないできたので最近は長編を古本でまとめ買いしたりもしたのですがやはり山のようにある本の整理が先。
■今面白い漫画
短編読みなので今のマンガはなかなか読んでないんですが、コミティアにあすなひろし選集のたかはし氏を見舞いに行ったら隣が楽書館さんで(向こう隣がみなもと太郎さん)、昔から大ファンだった青木俊直氏の本をちょっと旧作ながら即購入いたしました。
たかはし氏がその日たまたま谷川史子さんと出会って、こうの史代さんの「長い道」はちょっと凄いという話があったと聞いたので早速買いましたが、私の好みにばっちりはまりました。戦争テーマがなくてもこういうのが描ける人はやはり偉いです。
■最後に買った漫画
というわけで、こうの史代さんの「長い道」
■よく読む又は、特別な思い入れのある5つの漫画
もちづきゆきみ「泣いた紅鬼」(1987くらい)
80年代マーガレットコミックスの新人デビュー作の一つの頂点、と言いたいくらいですが当時のマーガレットコミックスを全部読んだわけではないので、でもこれはくらもちふさこの実験と並行的な作品群の一つでしょう。銀賞受賞作家の本領が存分に発揮されたというか、表題作のラスト2ページで予想を超えたテーマにぱーっと広がるところや、表題作と収録作の「ミルキーハウス」が同じようにエンディングにある仕掛けを持ってそれが響き会うところの巧みさなど、まったく見事でした。
芳成かなこ「赤い鳥ことり」(1986くらい)
「泣いた紅鬼」に先行するデビューコミックスで、デビュー作から表題作までが終いから冒頭まできちんと初出順に並んでいます。表題作は、あきの香奈の「教室のはじっこ」をおそらく下敷きとして、主人公を助ける男子がいない女子校で友だち仲間に入れない女の子の話にリメイクしていますが、当時いじめがマスコミに採りあげられていた時に、いわゆるいじめではなく孤立してしまった少女のちょっとした登校拒否から帰還までを淡々と描いたこの作品は異彩を放っていました。
その後もあきの作品から流用したりしますが、やがて先行作品からのエピソードの全面的な流用によって一見何の変哲もない地味な一編の作品を新たに作り出すなど、パクリと呼ばれそうなレベルを完全に超えたすごい作品を出して、私のマンガの読み方の変化に多大な影響を与えました。くらもち風と岩館風の手法を独特の形で継承して、あきの香奈と後の冬野さほの橋渡しをした位置にあると思えます。
矢野美穂子「夜の海」(1985くらい)
りぼんの新人作家デビュー集に載っているんですが、親しみやすい絵柄とシュールなギャグでセンスの良さが光っておりました。その後りぼんオリジナルに描いたギャグものも面白かった。3作で姿を消してしまいましたが改名して絵柄も変えて描いていることを祈ります。
倉多江美「彼誰時」(1982)
これは橋本治氏が絶賛した「上を見れば雲 下を見れば霧」の姉妹編に位置づけていました。橋本氏がマンガ評論から離れたのちも倉多江美は一連の湘南〜小田急沿線ものをギャルズライフなどに描いており、たとえば紡木たくの登場を準備したのかもしれないと思います。本作は「ミトの窓」所載で、友人の死と、離婚して別れた妻の元から長男を預かって夏の日々を過ごすという、女性マンガ家でここまで読者を男に感情移入させられる作家はめずらしいのではないかと思うくらいの異色作です。
かなり後になって作者は「競馬場へ行こう!」を書きますが、私はこの作品を勝手に「上を見れば雲 下を見れば霧」「彼誰時」と続いた少年三部作の完結編に決めて、一時は入院明けのリハビリに府中競馬場に通ったりしましたが(当時は外国産のタイキシャトルとエルコンドルパサーが化け物でした。また大島弓子を読んで吉祥寺のテレホンクラブに行ってみたことがある)、ギャンブルが苦手で競馬の事情を知るほどつまらなくなってしまったので最近はまるで見に行っておりません。
橋本みつる「パーフェクト・ストレンジャー」(2000くらい)
LaLaで描いていましたが、もっとわかりやすい話を書くようにと言われて、相性の合う担当者が少なかったのか悩んでいたみたいですが、「きみとぼく」に移籍してコミックスも出て、読み切りから中編まで描くようになってこれが代表作といえましょうか。休刊とともに描かなくなってしまいとても残念。
似た傾向の作家としてはガロの津野裕子さんあたりでしょうか。こうしてみると、少女マンガの一番先鋭的な表現者が描けるマイナー少女マンガ雑誌がいまは明らかに足りないと思います(以前はガロがあった。アフタヌーンだとちょっとなあ)。魚喃キリコさんあたりがちょうどボーダーライン上くらいで、日常にファンタジーを紛れ込ませるタイプの作家は描きづらいんではないしょうか。
倉多江美を除いて本当にマイナーになってしまった感じですが、次点で岡崎京子さんの「万事快調」。これは本当に傑作だと思います。団地っ子な私は「ラブ・マスターX」にも惹かれますね。男性作家縛りにしたほうがよかったか。
2005-09-12 ウオークマンの黄昏
選挙の結果が出て、小泉自民大勝。選挙の結果は終わりではなく始まりであって、国民全体として改革を選んだということなのだからそれはそれでよし。これからしばらくが正念場となるだろうという認識は変わらない。
衆愚政治とか言い出すへたれ左翼は論外として、小泉首相を天才マーケターと呼ぶ声が聞こえたけれど、なんかなあ。というのもAppleがiPod nanoを発表した同じ日にソニーが新生ウォークマンを発表したけれども、これは完全にSteve Jobsの術中にはまってしまったようで、マーケティング以前に戦略の誤りで手も足も出ないかのように見えたのだった。
日本の家電はJ-Popと同じような状況になってきているのではないか。携帯電話も然り。国内の市場だけでやっていけるかわりに、国際競争力が低下しているというより、情報家電を海外に向けて出すという気概が見られない。フィンランドのノキアや韓国のSAMSUNGはその国の中で突出した企業だから安易に比較できるものではないけれども、デザインの評価について最近ではSONYよりもSAMSUNGのほうが高く評価されているというランキングの結果があったはずで、どうしても日本企業のヘタレぶりを感じてしまう。で日本企業はこれからどうなるのか、というよりもどうするのか。ということで2ちゃんねるを見に行く。
現在の2ちゃんねるはある意味業界板として業界人の本音を知るにはうってつけである。意見もそこそこ揃うし、中にはまともな指摘もあって、そういう点ではブログよりもまだまだ役に立つ。携帯はソニー・エリクソンブランドで展開しているし、グローバル市場を目指すのなら海外企業との提携、合弁などは避けられないのだろうか。シャープのようにApple的な企業は別として。
2ちゃんねるといえばのまネコ騒動なるものがわき上がっていて、あれエイベックスなんだ。小室ファミリーやユーロビートは私とは相性がはなはだ悪いが、著作権問題として面白いネタではある。典型的なマーケティングの水準を見る例としてもまあまあ。ホリエモンとエイベックスは遠くから眺めるネタだねえ。
■カラーのQちゃん(声・曽我町子)

週末はのどが腫れてしまい、土曜日に行きつけの病院の耳鼻科で診てもらったら、のどに菌による黄色い膿ができていて、抗生物質をもらった。薬局で5日間全部間隔を空けずに飲みきってくださいと言われる。菌が全滅せずに抗生物質に耐性を持ってしまうとその菌に感染しても抗生物質が効かなくなるわけで、院内感染が問題になっていることなどでもすでによく知られているだろう。薬局で他に注意を受けたのは、腸内細菌のバランスが崩れるので下痢をするでしょうがご了承くださいとのこと。下痢はこのところ毎日で、免疫力がちょっと弱っているのかもしれない。
といいながら薬をもらったあと下北沢へポンピドー氏が教えてくれた駅前シリーズの「喜劇 駅前漫画」を見に行く。なにしろ「喜劇 駅前旅館」自体を見ていないので、「駅前大学」と、初日のシリーズ解説を聞くまで映画館にいた。解説の方も言っていたが、70分で十分収められる内容を一編90分もあるから、「駅前漫画」を見終えて「駅前大学」が始まる時点でこれから90分見ないと行けないのかと思うとちょっとげっそりした。とはいうもののおきまりのパターンによるシリーズもの、いわゆるプログラムピクチャーを一編だけ見てもしかたがないと思ってみたら確かにルーティーンがはっきりしていてそれはそれで楽しめた。こういう映画は当時の風俗を知る意味で貴重だという解説に頷く。
後に地元のレンタルのTSUTAYAに行ってみたが「喜劇 駅前旅館」は見つからず。ビデオに関してはTVシリーズが幅を利かせていて昔の作品はまったく充実していない。NHKのBSか日本映画専門チャンネルで事足りると言うことか。この店ではCDはかなり充実していて、少し前にCANのSoon Over BabalumaとLandedが入っていたので聴く機会を逃していたこの2作をレンタルで借りられてちょっと感動したのだけど。
「駅前漫画」の中でたぶん一分程度だがスタジオ・ゼロが制作したアニメが出てくる。藤子不二雄自身が書いたオバQもあるのだろう(これはテレビのアニメも同じだけど)。
当時テレビで放映された初代オバQは白黒番組だったので、カラーというのもある意味で貴重。フランキー堺演ずるマンガ家の師匠である画家が森繁久弥で、その絵が銭湯の壁絵にされて騒ぎとなるくだりなど、ちょうど石子順造のキッチュ論を思わせて少し興味深かった。
iPodとウォークマンの件について比較するために、ある程度記憶しているテレビや電卓の歴史などを改めて調べてみたりしたが、書くとかなり長いものになるので面倒になってやめた。せっかくの休日を疲れをため込むばかりになってしまったので、気が向いた時にまとめるかもしれないけど、まだなんだか夏バテが抜けきらないので。
追記
日本映画専門チャンネルのページを見に行ったら豊田四郎監督生誕百年記念特集とのこと。駅前旅館は放送外みたいですが他の駅前シリーズ豊田作品はやるらしい。先々週の土曜にフィルムセンターへ成瀬巳喜男の「浮雲」を見に行きたくなってこらえたのだけど、同年のキネ旬で僅差で2位という代表作の「夫婦善哉」などやるようですね(この頃の森繁が見たいな)。
2005-09-08 iPod miniを買った
しばらく更新を滞らせていましたが、どうも風邪が治らなかったり体調が悪かったりで、今も夜中に目が覚めて書いています。
■iPod nanoが出た

いきなり出ましたね。miniの後継機種なのでAppleのページを見に行くとすでにminiのページがなくなってnanoの宣伝になっていました。出たその日のうちに購入する人も数多く見かけました。
実は発売の予定も知らずに今週の初めにiPod miniを買ってしまったのですが、それほどダメージはありません。すでに第3世代のiPodと512MBのShuffleを持っていて、iPodは電池が消耗してしばらく使っていなかったので悩んで6GBのminiを買ったのでした。発売されてからすでに一年以上が経っているので発売当初よりも電池の性能がはるかによくなっていたり6GBモデルも最初はありませんでしたから、6GBという容量が微妙だったので4GBモデルを買うつもりは全くなかったからです。そろそろモデルチェンジだろうと思いながら同じ価格で8GBのカラー型が出たら悔やんでいたでしょうが、mini自体が販売終了になったのでちょっと買おうかなと思ってからいろいろ悩んだのが裏目には出ませんでした。
nanoの4GBモデルと比較すると、ディスプレイがモノクロからカラーに変わったてストレージがHDDから半導体メモリに変わってサイズも重さもかなりコンパクトに変わりました。Shuffleを買ったのはUSBメモリとして使えるという言い訳もあったので、512MBは容量が少ないかと思ったのですが、ディスプレイがないとちょうど適切なんですね。nanoの4GBモデルは原価を考えると赤字じゃないかと思うほどですが、これは4GBを買わないとといかんだろうと思って、6GBのminiを買ってみてとりあえずそれほどの不満はありません。
じゃあnanoが出たらminiを買ったかというと、この選択も微妙なのですが、miniはiPodのリモコンが使えて、nanoでは使えなくなったんで、iPodのリモコンを流用できるのがちょっと便利です。