日用品からロケットまで、日本が世界に誇る妙技
“へら絞り”とは何ぞや。聞けば、金属加工技術の一種でロケットや戦闘機にも使われているらしい…。いったいどこでどのように造られているのかを知るため、へら絞りのトップランナー「北嶋絞製作所」に足を運んできました。
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大きな製品のへら絞り加工は、2名で息を合わせて進めていきます。
へら絞りってあまり耳慣れない言葉なのですが、そもそもどんな技術なんですか? 「簡単に言えば、陶芸の金属版みたいなもの。ろくろのように金属を回転させ、力を加えてカタチを変えていく技術ですね。陶芸と違うのは、型があって、それに合わせて変化させていくところです」
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へら絞りに欠かせない道具である「へら」。用途によって使い分けます。
硬い金属が人力で変形するって、イマイチ想像できないのですが…。「テコの原理ですよ。長い棒のような“へら”という道具を脇に挟んで、絞るように力を加えていく。だからへら絞りと言われているんです」
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金属が変形していく様子は、まるで手品のようです。
ちなみに、サイズの大小ってあるんですか? 「小さいものだったら、4ミリくらいのも造ります」。え、4ミリ!? 虫メガネでも使うんですか? 「いえ、肉眼のみです。だから視力が悪くちゃこの仕事はできないんですよ(笑)」