【第35回】 2008年12月22日
総集編~あの作り方は今
2009年は「古いしがらみ」を捨てる勇気を持とう!
竹中 今、私たちが置かれている状況は大変重大で、まさに世界が金融の秩序を見直そうとしている過程にあります。日本はサブプライムで直接影響を受けているわけではないですが、株価の下落はアメリカよりもひどい。それをどう説明するのか。やはり、今後バルコニーからその対応策を考えられるリーダーをいかに選べるかが、重要ですね。
上田 では一方で、ランキング3位の小沢一郎さんはどうでしょうか?
竹中 小沢さんは、政策について最近ほとんど発言していないように見えます。小沢さんも今回政権をとれるチャンスがありそうな状況なので、選挙に勝つことを前面に押し出していますが、いつまでもそれだけではダメでしょう。今後日本経済をどうして行けばよいのか、与党も野党も早く本格的な政策論争をして欲しいですね。
2009年に向け、これが最後の「作り方」
国民は古いしがらみを捨てる覚悟を!
上田 なるほど。日本の次期リーダーにも、長いスパンで状況を俯瞰できるような人になって欲しいですね。
それでは締めくくりとして、2009年はいったいどんな年になるのか、また日本は経済再生のために何をして行けばいいのかを、竹中さんにうかがいましょう!
竹中 私は、最後に声を大にして言いたい。国民1人1人に「捨てる覚悟」を持って欲しいと思うんです。日本もアメリカも、皆色々なしがらみの中で行き詰まり、改革ができなくなっています。そして、そのような状況が我慢できない「臨界点」にまで達しています。世界経済がどんどん悪くなって行くなか、ピンチをチャンスに変える最大のポイントは、「今までの既得権益や古い利害を捨てる覚悟」に他なりません。
もしかしたら、自民党も民主党も、これまでの支持団体を捨てて、新たな政党へ生まれ変わる覚悟が必要かもしれません。ともすれば、政治家は党を捨てる覚悟も必要でしょう。自分が生まれ変わるためには、何かを捨てて対応していかなくてはならないんです。
しかし、それはまさにピンチをチャンスに変えること。まだ余力があるうちにこれをやれば、日本は間違いなく生まれ変われます。もう小手先のことではなく、自ら抜本的に進路を切り開いて行くという覚悟が求められている。2009年は、そういう1年になることでしょう。
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竹中平蔵
(慶應義塾大学教授 グローバルセキュリティ研究所所長)
1951年生まれ。一橋大学経済学部卒業後、日本開発銀行に入行。ハーバード大学、ペンシルバニア大学客員研究員、大阪大学助教授、慶應義塾大学教授などを経て、01年より小泉内閣で金融担当大臣、経済財政政策担当大臣、郵政民営化担当大臣、総務大臣を歴任。04年から06年まで参議院議員。
上田晋也
(タレント)
1970年生まれ。お笑いコンビ「くりぃむしちゅー」メンバー。早稲田大学教育学部中退。91年に有田哲平とコンビ結成。レギュラー出演番組多数。
経済学者・竹中平蔵と、くりぃむしちゅーの上田晋也が、毎週楽しくわかりやすく日本の経済を解説。同名テレビ番組(BS朝日、朝日ニュースター)の一部を再構成してお届けします。