【第35回】 2008年12月22日
総集編~あの作り方は今
2009年は「古いしがらみ」を捨てる勇気を持とう!
上田 その通りですね。さて、それでは次のテーマに行きましょうか。今度は6月22日放送の第11回「次のニッポンのリーダーは誰だ!?」です。このテーマの放送は、すごく大きな反響を呼びましたね。
このときは、「次の日本のリーダーにふさわしいのは誰か?」ということで街頭インタビューをしましたが、3位は小沢一郎さん、2位が麻生太郎さん、そして1位がなんと小泉純一郎さんでした。やはり小泉さん人気は根強いですね。彼はどんなリーダーだったんですか?
竹中 部下としては最高に仕えやすい上司でした。その理由は、「指示が明快で、なおかつ絶対にブレない」ということ。やはりリーダーは物事に動じ過ぎたらダメなんです。
このときの放送で、私は「バルコニーに駆け上がれ」と提言しました。これはリーダーシップ論で有名なハーバード大学ケネディスクールのハイフェッツ教授が述べた意見なんです。
たとえば、上田さんがダンスホールで踊っているとします。ホールのバンドも照明の感じもすごくよく見える。しかし、ひとたびバルコニーに上がってみると、また違う状況が見えて来ます。つまり、「バルコニーで全体を俯瞰してからフロアに戻って体制を立て直せ」という教訓なんです。
その場にいる当事者は、やはり目の前のことしか見えません。リーダーの素質は、それを俯瞰して見れるかどうかによって決まるんです。
リーダーの資質は「俯瞰できる目」
根強い人気の小泉元首相がトップに
竹中 そのよい例が、小泉さん。彼は、人が何かを説明しているときに、メモを取らずにじっと腕組みをして聞いているだけなんです。無駄な部分を全部切り捨てて重要な話だけ聞いている。そして、腹に落ちたことだけを言葉にするから、発言のインパクトが強いんです。
上田 それでは、現在の麻生首相はどうでしょうか? 私には、どう見てもバルコニーに駆け上がっているように見えませんが…。
竹中 そもそも、バルコニーからちゃんと見ていれば、「定額給付金」のような発想は出てこないでしょう。
| 第35回 | 総集編~あの作り方は今 (2008年12月22日) |
|---|---|
| 第34回 | トーキョーの作り方 (2008年12月08日) |
| 第33回 | 道州制で日本を大改造! (2008年12月01日) |
| 第32回 | 観光庁を民間委託せよ!? (2008年11月25日) |
| 第31回 | 次世代大国インドの秘密 (2008年11月17日) |
| 第30回 | 農業を成長産業にせよ! (2008年11月10日) |
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竹中平蔵
(慶應義塾大学教授 グローバルセキュリティ研究所所長)
1951年生まれ。一橋大学経済学部卒業後、日本開発銀行に入行。ハーバード大学、ペンシルバニア大学客員研究員、大阪大学助教授、慶應義塾大学教授などを経て、01年より小泉内閣で金融担当大臣、経済財政政策担当大臣、郵政民営化担当大臣、総務大臣を歴任。04年から06年まで参議院議員。
上田晋也
(タレント)
1970年生まれ。お笑いコンビ「くりぃむしちゅー」メンバー。早稲田大学教育学部中退。91年に有田哲平とコンビ結成。レギュラー出演番組多数。
経済学者・竹中平蔵と、くりぃむしちゅーの上田晋也が、毎週楽しくわかりやすく日本の経済を解説。同名テレビ番組(BS朝日、朝日ニュースター)の一部を再構成してお届けします。