建築デザイナーのこだわりの家・オフィスを大公開!

  • 橋本 潤
    橋本 潤

    1971年 東京生まれ。1994年 千葉大学工学部卒業。1996年 千葉大学大学院工学研究科修了。1996-2007年 スタジオ80勤務。2007年 フーニオデザイン設立。

  • 石上 純也
    石上 純也

    1974年生まれ。2000年 東京都芸術大学大学院修了。2000-2004年 妹島建築設計事務所勤務。2004年 石上純也建築設計事務所設立。

  • 遠藤 幹子
    遠藤 幹子

    1971年 東京生まれ。1997年 東京芸術大学大学院修了。インテンショナリーズ勤務。2001年 berlage-institute終了。2003年 office mikiko設立。

  • 長谷川 豪
    長谷川 豪

    1977年 埼玉県生まれ。2002年 東京工業大学大学院修士課程修了後、西沢大良建築設計事務所。2005年 長谷川豪建築設計事務所設立。

遠藤幹子 プロジェクターを使って空間を有効活用、ちょっとした工夫で子育ても仕事も快適に

オフィスを兼ねた自宅は、地の利で選ぶ  “人の近さ”がもたらす、優しさとあたたかさを感じる住まい

オフィス・自宅の間取り

━━遠藤さんはオフィスとご自宅が同じということですが、こちらの場所に決めた一番の理由ってどんなところなんでしょうか?

「地の利、ですかね。子どもにとっての環境の良さを考えたら、親戚も近くにいて、近所に一緒に遊べるような子どもが住んでるところだったので。新宿も代々木も徒歩圏内ですし。新宿御苑の真裏にあるので、ランチを買って中で食べることもあります。暖かい日には窓を開けっ放しにして、パソコンも落とすとすごく静か。夜はろうそくだけで過ごしたりもしますね。虫の鳴き声とか聞こえて、ふーっとなります」

━━では物件自体のスペックよりも、立地を重視した、と。

「そうですね。物件自体は、バブルとか量産ぽくない感じが気に入りました。作りつけの棚とか、カーテンボックスとか。丁寧な仕事が垣間見れて」

━━へえー。

「あとは、最初に内覧に来たとき、たまたま上の階の方が「こんにちはー」って挨拶してくれて。大家さんともよく顔を合わせますし、人間が近い感じで管理されている物件のにおいがしたんですよね」

ダンボールのおうち

━━2LDKですか。

「そうです。こっちの部屋が事務所スペースで、奥にニ部屋あって(間取図参照)。一方が寝室、一方がテレビの部屋というかリビングみたいな感じで使っています。狭いですけど、例えばリビングはプロジェクターを置いていて、壁に映してます。画面の大きさも調節できるし。テレビにとらわれなくていいというか。なので、ちょっとの工夫でだいぶ住みやすく変えられたりっていうのはあります」

━━特にリフォームとかっていうのは・・・

「あ、してないですね。ただ、寝室に抜けるドアが実は本棚の後ろにあるんですけど、そこは完全にふさいでしまって、リビングを通らないと行けないっていうプライベートな空間づくりをしました」

本棚

━━賃貸、ですよね?

「そうですね」

━━ご自身で建ててしまおうとはお考えにならなかったんでしょうか?

「うーん、今のところそれは考えてなくて。買っちゃうと動けなくなるっていう意識があって。海外でも生活していたので、またそっちもいいかなーとか。出会ってないからだけかもしれないですけど。ピーンとくる物件に」

━━ちなみにオフィスとご自宅を分けなかった理由はあるんですか?

「それは単純に忙しさだけです。なかにはシッターとか頼む方もいらっしゃるらしいですけど、なかなか踏み切れなくて。バタバタしてますが、娘も『一緒にいるから寂しくないけど、好きなことできる』って言ってくれているので」

━━なるほど。

「仕事をする上で、子どもがいることってハンデだ、って思ってたんですけど、お母さんになってからはそのキャリアを建築にも還元できるってことに気づきました。お母さんなりの視点で、あれこれ言えるのはかなり説得材料にもなりますし。一緒に公園に行って遊具で遊んでみたりとか。子どもとも遊べてなおかつ仕事の参考にもできるっていう、一石二鳥な感じで(笑)」

遠藤幹子氏

━━これから家を選ぶ人にどんなアドバイスがありますか?

「やっぱり、自分が快適だって思うことを伝えることですかね。バリアフリーがいいっていう人もいれば、家の外で転んじゃうからいらないっていう人もいるし。それぞれの住宅の良さがあるとは思いますが、物件的なところだけではなくて、やはり環境とか、近くに住んでいる人の雰囲気とか。そういうのにも目を向けて選んでいけばいいと思います」

K邸

作品紹介

K邸
O邸・世田谷区の家
「通りから奥まった敷地で、広々としたプライベート空間を持ちたい」という要望で始まったミュージシャンの家。
外からは黒い壁で視線を遮り、反対に庭に向かってできるだけプライバシーを開放できるように。3つの個室と音楽スタジオは吹き抜け階段で結ばれ、デッキと庭に開かれた広いリビングへ続いている。
(※マウスオーバーで大きな画像が見えます。)

遠藤 幹子(えんどう みきこ) プロフィール

1971年 東京生まれ
1997年 東京芸術大学修士課程美術研究科建築専攻修了
インテンショナリーズ勤務
2001年 オランダ berlage-institute修了後、スリランカを経て帰国
2003年 office mikiko一級建築士事務所を設立
京都造形芸術大学、桑沢デザイン研究所講師
主な作品に箱根Art Loop、カモカフェ
滋賀県町並み景観賞、JCDデザインアワード新人賞、こども環境学会賞

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