アメリカ心臓協会 日本蘇生協議会(JRC)国際トレーニングセンター
American Heart Association : Japan Resuscitation Council International Training Center (AHA JRC-ITC)
| ACLS | BLSヘルスケアプロバイダー | ハートセイバー |
Basic Life Support for Healthcare Provider
AHA-BLSヘルスケアプロバイダーコースは、アメリカをはじめ世界各国で開催されている医療専門家・救命のプロフェッショナルのための世界最高水準の一次救命処置(BLS:Basic Life Support)教育訓練プログラムです。
大人の傷病者に対する人工呼吸と胸骨圧迫(心臓マッサージ)、AEDの使い方に加えて、乳児と小児のCPR、気道異物除去など、国際ガイドラインに基づいた一次救命処置(BLS)のほぼすべてを網羅しています。
日本国内で広く行なわれている市民向けAED講習とは一線を画する本格的な内容となっています。
ひとりで行なう心肺蘇生法(CPR)の他に、ふたり以上の救助者がいた場合のより効果的な心肺蘇生法の訓練や、ポケットマスク(感染防護具)による人工呼吸、医療機関で標準的に使われているバッグバルブマスクによる換気法など、市民向け蘇生講習では含まれない高度な手技も訓練していきます。
AHAのBLSヘルスケアプロバイダーコースは、医師や看護師、救急救命士をはじめとした医療従事者や、救命のプロとして現場で活動する人たち(ヘルスケアプロバイダー)向けの専門的な心肺蘇生法(CPR)講習であり、そうした専門職を想定した救命講習は日本では他に類を見ません。
また日本においては、乳児に対する心肺蘇生法を指導する教育プログラムがきわめて限られています。その点でもAHA-BLSヘルスケアプロバイダーコースは貴重な存在と言えるでしょう。
AHAの長年の経験と教育学的効果に基づいて開発された"Practice while Watching(PWW)"という技法に基づいて、DVD教材を使ってコースが展開されます。すなわち、ビデオ教材の中で映像として示されるデモンストレーションをみながら、それにあわせて胸骨圧迫などの練習を行うことで、正しい手技・正しいテンポを身につけます。
ACLS、PALSを含めて、すべての心肺蘇生技術の基本となるのは、胸骨圧迫と人工呼吸からなるCPR(cardiopulmonary resuscitation)です。手順と方法は決して難しいものではありませんが、BLSプロバイダーとして的確なCPR技術実践ができるようになるためには、知識だけではなく、実際に体を使って訓練を行なう必要があります。そのため、BLSヘルスケアプロバイダーコースの中では、特に大切な手技は繰り返し何度も何度も練習をするようにプログラムされています。
当日は実際に体を動かす実技練習が中心のコースとなります。修得した技術がどれだけ「実践可能な状態」を維持できるかは、どれだけ練習したかにかかっています。受講の機会をより効果的なものとするため、受講生の皆さんがマネキンを使った練習に専念できるよう、講義時間は最小限に留めています。受講生は事前にテキストを熟読してくることが求められます。
また、十分に訓練されたAHAインストラクターは成人教育手法に基づいた効果的なフィードバック、快適な学習環境の提供に努めます。
ヘルスケアプロバイダー Healthcare Provider という言葉は、しばしば医療従事者と訳されることがありますが、正確ではありません。医療専門職者に限らず人々の健康維持・管理に責任ある立場の職種・立場の人すべてがヘルスケアプロバイダーに含まれます。
主に病院内の急変を想定した訓練内容になりますが、BLSヘルスケアプロバイダーコース受講に際しては医療資格は必要ありません。職業上高度な救命スキルが必要な人、また興味と熱意がある人なら誰でも受講できます。
これまでに心肺蘇生法講習の受講経験があって、さらに高度な技術を身につけたいと思う市民の方にもぜひお薦めしたいコースです。医師・看護師・救急救命士などと同じ高いレベルの一次救命処置(BLS)技術を習得できます。
職場などで心肺蘇生法の指導にあたる立場の方には、ぜひ受講していただきたいコースです。
本コースの全課程を修了し、筆記試験・実技試験に合格すると、2年間有効のAHA公式ヘルスケアプロバイダー Healthcare Provider 認定カードが発行されます。世界で通用する医療従事者レベルの心肺蘇生技術認定です。
上級コースである成人二次救命処置ACLSや小児二次救命処置PALS/PEARSコースの受講に際しても、本ヘルスケアプロバイダーコース修了相当のCPRスキルが必要要件として求められており、すべての医療従事者にとって必須の基礎コースといえます。
| コース内容 | 成人・小児・乳児のCPRと気道異物除去、AEDによる除細動、口対口人工呼吸、口対マスク人工呼吸、バッグバルブマスク(BVM)による人工呼吸 |
|---|---|
| 標準コース時間 | 約4〜5時間 (マネキン:受講生比=1:1 休憩時間含まず) |
| 受講対象 | 高度な心肺蘇生法を身につけたいすべての方 |
| 使用テキスト | BLSヘルスケアプロバイダーマニュアル、シナジー,4,830円 もしくは Student Manual:BLS for Healthcare Providers【英語版】,1,995円 各自書店等でお求め下さい |
| 修了カード | Healthcare Provider(英語表記) |
| 筆記試験 | 四者択一式 |
| 筆記試験合格基準 | 84%以上の正解(20問中17問以上の正解で合格) |
| 実技評価 | 成人の一人法CPR、AEDの使い方、乳児の一人法およびふたり法CPR |
| 受講料 | 各実施団体・インストラクターにお尋ね下さい |
| カード有効期限 | 2年 |