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2009年1月 7日 (水)

脳科学が世界を救う

新年早々、茂木健一郎先生が私たちのような凡人の脳ミソをぶっ飛ばすような刺激的な発言をしていらっしゃいます。

2009年混沌の先
バブルはひらめき、脳科学で読み解く経済危機

茂木 健一郎氏 脳科学をやっている立場からすると、ネットワーク構造で結びつけられた社会において、バブルの発生と崩壊は避けられないのです。

 脳の中にもバブルがあって、一番時間的に短いバブルは0.1秒のひらめきです。これはバブルと非常に似たようなグラフが描き出されるのです。神経細胞の活動が「ビュン」と上がって下がる。

 バブルのあの価格変動と全く同じです。その0.1秒の間だけ、神経細胞の活動が急激に高まって低下するのですね。そのことによってひらめきが起こり、新しい学習が生じます。

さすが、茂木健一郎先生です。
バブルを脳科学の言葉で説明すると言う独創性。
経済学や脳科学というジャンルの壁をものともしないスケールの大きさ。
まさにノーベル賞クラスの理論です。

我々は旧態依然とした経済学にしがみついたままではいけないのです。

パラダイムの転換です。

エピステーメーの拡大です。

経済学者は、旧来の枠組みに囚われず、経済学と脳科学の融合に真剣に取り組むべきです。

―― 経済的なバブルも発生するメカニズムは後講釈ではいろいろと言えますが、結局の所なぜ発生したのか、分かったようで分からない面があります。

 茂木 脳のバブル発生のメカニズムを解明しようと努力している立場から言うと、経済的なバブルに至るメカニズムをコントロールすることは不可能だと思います。

 ではどうすればいいか。それは、ただバブルに慣れればいいと思うんですよね。

茂木健一郎先生から、バブル崩壊の処方箋をいただきました。
実に貴重でありがたいことです。
日本の、いや、アメリカやアメリカ経済の影響下にある国の経済政策に携わる人間は、茂木健一郎先生のところに飛んでいって教えを請うべきです。
それが、この混沌とした21世紀の世界を救うための唯一の道です。

―― スケール・フリー・ネットワークだと所得の格差が生じやすいのですか。

 茂木 直感的に言うと、例えばみんなが同じ組織に属していて、その組織の中で決まっている給与をもらっているなら、そんなに差は生じないですよね。でも、これが例えばみんながフリーランスになって、いろいろなところから自由に仕事をもらって仕事をするようになると、腕のいい人と、悪い人でものすごい差ができてしまいますよね。

 ちょっとそれに似たようなメカニズムでグラフ構造というものがあります。点と点が線で結ばれてつながっていくようなものをグラフ構造と言いますが、グーグルの創業者のサーゲイ・ブリンとラリー・ペイジは、インターネットを史上最大のグラフ構造だと思って解析して、グーグルをつくったわけです。そのグラフの結びつき方が人によって変わってくるので、それで副産物として所得格差が生じてしまうのです。

さすが、茂木先生。
やっぱり、「スケール・フリー・ネットワーク」は現代社会を読み解くためのキーワードですよね。
なんだか、世の中の大概のことは脳科学とネットワーク理論と複雑系で説明できるような気すらしてきました。   
 
それにしても、日経ビジネスはGJ。
脳科学者に経済について語らせるとは。
他社とは一味も二味も違います。
これからも、レベルの高い記事の提供をお願いいたします。

(追記)
愚堂さん、もしこれをお読みでしたら、是非忌憚のないご意見をいただきたいと思います。
私、何かおかしなこと言ってますでしょうか?

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» [心と脳]脳と経済学 [blupyの日記]
http://a-gemini.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-b51d.html 最初に言っとくと茂木氏の説明は笑止千万です。 まるで経済のバブルは、脳のバブルによって起こるとでも言いたげです。脳のバブルの中身は、神経細胞の活動が急激に上がって下がるといってることから、どう... [続きを読む]

受信: 2009年1月12日 (月) 09時14分

コメント

べつに可笑しくないです。
モギケンを批判的に評価するつもりでこのエントリをお書きならそれは成功してないし、批判するつもりでないならば、ただの情報提供じゃないんですか?
こういうエントリにはツッコむ必要は無いし、もっと言えば、わざわざコメントしてまであなたの「知者」ぶりを明らかにしてくれる閲覧者がそう多く現れるとは思えませんよ私は。

投稿: 愚堂 | 2009年1月 8日 (木) 14時35分

今日は。

「おかしい」と「可笑しい」は必ずしも同じ意味では無い気もしますが、それは措いておいて。

「べつに可笑しくない」っていう事は、こちらのエントリー内容が妥当だという事? でも直後に「成功していない」と書いてあって、なんか意味が解りにくいなあ、というのは取り敢えず措いておいて。

愚堂さんって、驚くほどに、具体的な事を書きませんよね。

こちらを閲覧する人間が無知者だとすると、愚堂さんも含めて、みんな無知者ですね。こりゃ楽しい。もしかして、パラドクスが好きとか?

------

>a-geminiさん

自分の所にも書いてますけど、真面目な話、神経科学の人達は、ちょっと何らかのアクションを起こした方がいいんじゃないかな、と。

きくちさんが教えて下さったのですけど、専門家の中にも、茂木氏の言動に危ういものを感じている人がいるみたいです。

投稿: TAKESAN | 2009年1月 8日 (木) 16時15分

愚堂さん>

批判としては鋭さがなく、ネタとしてはつまらない、と。
全くいいところがないですね。
今後精進いたします。
それにしても、誰も相手にしないようなこの稚拙なブログをわざわざコテンパンに叩きのめして、私の目を覚まさしてくれた愚堂さんは、素晴らしい人格者ですね!

TAKESANさん>

>愚堂さんって、驚くほどに、具体的な事を書きませんよね。

茂木ファンの方って、割とこういう文章を書く傾向があるような気がしますね。
「こういう文章」っていうのは、「妙に大げさな書き方をしてる割には大雑把で中身がない文章」ってことですが。
ああ、愚堂さんは別に茂木ファンってわけではないんでしたっけ?
そのあたり、あいまいなままのような気もしますが。

>自分の所にも書いてますけど、真面目な話、神経科学の人達は、ちょっと何らかのアクションを起こした方がいいんじゃないかな、と。

もう、私らのような素人がいくら言ってもラチがあかないですよね。
ここらへんで、専門家の方に「王様は裸だ!」と言っていただかないと。

投稿: a-gemini | 2009年1月 8日 (木) 21時06分

恐らく、茂木氏が「脳科学をやっている立場からすると、」と始めてしまうのが問題の原因のではないでしょうか。

脳科学というと、脳生理学、脳医学というイメージが一般には強いでしょうが、複雑なネットワークに生じる現象を解明するという生物物理学的アプローチも存在しております。茂木氏は後者の出自であり、物理や数理モデルにバックボーンがあるため、ネットワーク上のカタストロフィックな現象として、“ひらめき”と“バブル”を同列に論じているのでしょう。ちなみに養老氏が先ほどのようなセリフを吐いたら叩き時です。

残念なことに、「生物物理」とか「ネットワークの数理モデル」とかいう言葉が、異分野の方々に??という感じで受け止められるため、「生理学」、「生化学」系の似て非なる名前を名乗らざるを得ないのも事実です。脳科学者を名乗っているから脳以外について語るべきではないというのは酷で、今回に関しては単に脳内電位のアナロジーとして経済現象をとらえた訳ではなく、珍しくも彼の専門分野に近いものの話題だったわけです。

しかし、それにしても危ういと感じるのは同感です。

投稿: LiX | 2009年1月 8日 (木) 21時53分

モギケン先生が自分の専門分野でどういう研究をしているかよく分からないのですが、この記事に絞って言えば、ネットワーク理論の一般向け解説書を読めば素人でも書けそうな思い付きに過ぎない、と感じました。
一見何の関係もない分野に共通した法則が働いている、というのはとても興味深くて、そこらへんがネットワーク理論なんかの魅了なのでしょうけど、モギケン先生の言ってることは粗雑過ぎますね。

投稿: a-gemini | 2009年1月 8日 (木) 23時15分

 あけましておめでとうございます。
   
 以下クオリアの発表のときの記事なんですけど・・。どう思います? きらめくセンス(笑)あると思います? 私は脱力しました。コンセプトメイク係ならそれでもいいんですけど、一番がんばんないといけないところで、これって、どうかな、と。
 後輩がクオリアチームでしたけどあちゃ厳しいなあーって思いましたよ。これを発表せなばならないマーケと広報担当者に同情。ソニービルのクオリアのショールームにも行きましたけど隣がエルメスだから、なんらか意識してたんでしょうけど私の第一印象は「おー、なんか黒いな、ヤマハピアノ売ってるの?隣メゾンエルメスでこれでいいんかい!」。ヤマハをバカにしてるわけじゃないんですけど値段と雰囲気がぜんぜん釣り合ってませんでした。「センスねー、ワクワクしないなー(そこだけで勝負しようって話なのにさっ!)」。

 経済を語るなら、まずクオリアそのものの失敗を話してほしいかなあ。聞く人もそこ聞いて欲しい。ソニーもリストラしてますよね。出井さんはもちろんですが茂木さんも多少は責任あるでしょう。あの商品ラインナップでダメダシできないコンセプターならいらないと思います。ソニーはトンデモな人に(AIBOの天外さんとか、井深さんがそもそも…)親和性があって、そこは功罪両方あると思います。でも茂木さんて、トンデモさんが放つ「なになに!そんなこと考えていらっしゃいましたか!へええー」的なアイディアの芽を私は感じないです。予定調和なことはいうから、敵はあんまり作らないでしょうが、ようするに普通のいい人っぽい。トンデモな天才肌の人はキツいです。要求もキツいです。でもまともな人がけっこうまわりにて通訳と技術者やってくれればいいんですけど。そういうキツい人には、ソニーの方法論でそのアイディアを形にしようとする組織的なモチベーションを大事にする企業文化は好きなんですけど、茂木さんにはそういうがんばろうかなと思わせるオーラを私は感じないですねえ。

クオリア発表のときの記事
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20030610/sony1.htm
■それは数値で表すことのできない脳や心の動き
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20030610/sony1_6.jpg
■3つのつくる
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20030610/sony1_7.jpg

投稿: 安原 | 2009年1月 8日 (木) 23時49分

いやあ、茂木先生ぶっとばしてますねえ。
この、専門家でありながら専門の知識がどこまであるか疑わしい言説垂れ流すところが真骨頂なのでしょうが...。

茂木 健一郎氏 脳科学をやっている立場からすると、ネットワーク構造で結びつけられた社会において、バブルの発生と崩壊は避けられないのです。

ええっ!!ネットワークにしろ、連続化した(非線形)偏微分方程式にしろ解の定性的な振る舞いの考察はとても重要なものですがそれらが爆発解もしくはそれに類した解を常に持つと主張されるとは。
勿論これが正しければ先生はアダムスミスに完全に止めを刺した人間、として世界に末永く記憶されるわけで、同邦人として誠に素晴らしく誇らしい業績です。残念な事に実際には単なる妄言だってだけですが。(仮に、かなりもっともらしい経済モデルが本質的な不安定性=爆発解が豊富にあること、を持つ事を誰かが証明したらこの手の人々(福岡センセとか)は「自分がもう既に示していた」とか主張するんでしょうなあ)

投稿: うさぎ | 2009年1月 9日 (金) 15時29分

安原さん>

明けましておめでとうございます。

私はプロダクト・デザインとかファッションとかに関しては今ひとつ見る目がないと自分でも思っているのですが、そういう私でも、これはちょっとダサいんじゃないかと感じますね。
プレゼンの映像もセンス悪いし。
茂木氏がQUALIAシリーズにどういう風にコミットしていたか分からないんで、茂木氏に責任をかぶせるのも酷かなとは思いますけど。
前から思ってたんですが、茂木氏って、あまり美的センスがないんじゃないですかね。こういうのは趣味の問題って部分もあるし、「そういうオマエはどれほどのものなんだ!」と言われるのが目に見えてるんで、今まで意識的に書かないようにしてたんですけどね。
世間では、芸術や文学にも理解が深い科学者と思われてるようですが、この人が褒めるものって、教科書に載ってるようなものばかりですよね。
漱石だのモーツァルトだのレオナルド・ダ・ヴィンチだの。
今更そんなもの褒められても、誰だって認めてるじゃん、とか思うんですが、「みんな本当の良さを分かってない! 分かってるのはオレだけだ!」みたいな勢いで熱く語っちゃうんだけど、結局どこがどういう風にいいと思ってるのか、具体的なことは全然分からなくて、「そういうのを、”中二病”って言うんだよ」って言いたくなりますね。この人は、あまり世の中に知られていないものの良さを世に知らしめるとか、従来とは違った角度からものごと光を当てて新しいとらえ方を提出するとかっていうのが全然ないんじゃないでしょうか。
「脳科学的に」と言った後に出てくるのは、凡庸な言葉だけです。
こういう人を起用してしまう文芸誌やサブカル誌って相当センス悪いと思うんですけど、いつまで続けるつもりなんでしょうね、こういう茶番を。

>でも茂木さんて、トンデモさんが放つ「なになに!そんなこと考えていらっしゃいましたか!へええー」的なアイディアの芽を私は感じないです。予定調和なことはいうから、敵はあんまり作らないでしょうが、ようするに普通のいい人っぽい。

単なる思いつきか、外国の科学者の言ってることの流用だけですからね、この人が提示するアイディアは。
それ以外は、ごく常識的な一般論を語っているだけです。
だからこそ広く受けるんでしょうけど。

投稿: a-gemini | 2009年1月 9日 (金) 20時49分

うさぎさん>

「この程度なら、「あいのり」での発言に比べたら、害が少ないから、まだマシかなあ」と思ってしまう私は、モギケン・ウォッチャーとして毒されすぎなんですかね(笑)。

ところで、福岡センセイって、何か経済に関して言ってましたっけ?

投稿: a-gemini | 2009年1月 9日 (金) 20時50分

>だからこそ広く受けるんでしょうけど。
そうなんですよ。クオリアって広く受け入れられる商材とコンセプトじゃないのになんか「ふつー」なんですよ。ちょっと話がずれちゃって申し訳ないんですが私はAV系をやっていたので、思うんですけど欧米のAVにこだわる人って、スピーカー1本何百万の世界で、家から直しちゃうので(例えば地下室を作ってしまうとか)すごいお金のかかる趣味なんです。そういう人を相手にすることを考えてないっていうんでしょうかね。

日本の家の間取りってブラウン管テレビを基準に作られているように思うんです。端にテレビのアンテナ線があって、細長くて。そして湿気が多いから窓の多さに価値観を置く。そうすると、壁掛けの大きな薄型テレビを設置する壁がないんですよ。最近の部屋は一部屋の大きさを大きくする方向ですが昔のマンションだと部屋数が多くて、それこそ5.1CH用のスピーカーを置く場所がない。そうすると家の間取りから作り変えて配線も隠さないと生活感満載の貧乏くさい部屋になるわけです。だから、デベロッパーやリフォーム屋さんや、インテリアコーディネーターと共同で仕事をして配線のサービスやインテリアの総合的なところでさらにお金持ちにお金を使ってもらうって方向にすべきだったんじゃないかなあと思います。センスがある人をまさに「ネットワークさせる」ことを茂手木さんは人脈あるでしょうから、ソニーという壁にとらわれず、まさに自由闊達にやってほしかったなあと思いますね。

投稿: 安原 | 2009年1月 9日 (金) 21時34分

a-geminiさん、
>ところで、福岡センセイって、何か経済に関して言ってましたっけ?
 いや、何か適当な事言ってまるで自分が初めて新しい結果を開拓したかのように振る舞う態度全般に
関して言っただけです。
 私も革命的発見は常に夢見てるもんで、彼らの気持ちは分からんでもないが他人、特に素人に妄想垂れ流すのは害毒でしかありませんね。かのガウスは(レベルがレベルなんで)フェルマー予想(今では定理)について「あの程度の予想ならいくらでも挙げられる」と言って嫌ってたそうです。通常レベルでもちょっとした武器(方法論)齧れば妄想はいくらでも出来ますからね。

投稿: うさぎ | 2009年1月 9日 (金) 22時48分

安原さん>

AV機器のことはよく分からないんですけど、変に高級感を出そうとして失敗したってことなんですかね、QUALIAブランドは。
QUALIAは失敗したのに、茂木氏の方は大人気って言うのは・・・残念です。

うさぎさん>

> いや、何か適当な事言ってまるで自分が初めて新しい結果を開拓したかのように振る舞う態度全般に
関して言っただけです。

あ、なるほど。
了解です。

投稿: a-gemini | 2009年1月 9日 (金) 23時05分

>変に高級感を出そうとして失敗したってことなんですかね、QUALIAブランドは。
高級「感」も失敗してたし、実際高級でもなかったですね。ラインナップもだめだし(MDプレイヤーとか今さらなぜなぜ???老害展示会)、顧客層も絞ってなかった。ムダだけど遊び心があるというのがソニーに期待されてることだと思うんです。それを総合的にプロデュースできなかったことじゃないのかな。話題作りも失敗してる。よい例えじゃないけど、レアアイボとエルメスの犬小屋でセットで1000万円くらいで売り、「バカなんじゃない?」ってことは平気でやるくらいじゃないと。ちなみにエルメスはアイボ専用バッグは出したんですけど、本体より高かったけど売れました(笑)。そしてソニーはAIBO潰してしまったでしょう。あそこは経営的には持ち直してたんですよ。
>QUALIAは失敗したのに、茂木氏の方は大人気って言うのは・・・
そこが不思議。形にするとお笑いになってしまった「ポストモダン建築」のなれの果てみたいなクオリアページだと思うんだけど。
>結局どこがどういう風にいいと思ってるのか、具体的なことは全然分からなくて、
その具体的なところを「あえて言わなくていい、人間は感じるんだ」みたいな(ひらきなおった)コンセプトですね。「赤は赤であるという質感」とか(笑)。それは赤ですね、みたいな。どういう赤なのかやっぱり説明してくれないとわからないですよ。結局ただの手抜きにしかならなかった。

投稿: 安原 | 2009年1月10日 (土) 12時17分

>どういう赤なのかやっぱり説明してくれないとわからないですよ。結局ただの手抜きにしかならなかった。

いくら一人で力を入れて踏ん張っても、他人には伝わらないんですけどね。
そこら辺が分かってないから、高橋悠治に軽くあしらわれてしまうんじゃないかと。
モギケンはウィトゲンシュタインを真剣に読んだ方がいいと思います。
以下、「哲学探究」から引用。

 「わたくしは、緑の色が自分にどのように見えるか知っている」--この言い方には意義がある!--たしかに。〔だが〕あなたはこの文章のどのような適用を考えているのか。

 誰かが「でもわたしは自分の身長がどのくらいか知っている!」と言いながら、そのしるしに手を頭のてっぺんにのせているのを想像してみよ!

投稿: a-gemini | 2009年1月10日 (土) 17時42分

そもそもこのエントリの本文に書いてあるa-geminiさんの意見は18行くらいありますけど、どの行の内容も「結論」でしかないじゃありませんか? 各々の「結論」に至る推論の過程が書かれていない。これがモギケンに対するどのように「具体的」な批判になり得るのか、本文を読むだけでは全然分からない。具体性の無いそういうものに対してどのように「具体的」にツッコめばいいのか私にはそもそも分からない。LiX氏やうさぎ氏のコメントが無かったら、十数個の「結論」が宙に浮いてるだけのエントリになったんじゃありませんか? そういうエントリって、

>「妙に大げさな書き方をしてる割には大雑把で中身がない文章」

の近親ですよ。そう思いませんか。具体性のこの欠如には目を瞑るんでしょうか。

a-geminiさんは、このエントリがどのように「具体的」な批判になるかを初めから分かったうえでこのエントリを公表なさっているんでしょう? その「具体」の部分が初めから隠れているのはどういうわけですか?

まあ、「分かる人には分かる」というスタンスでアイロニーを用いてお書きになったエントリなのでしょうね。a-geminiさん自身が何を分かっていたのかは、アイロニーの陰に隠れて不明なままです。それから、このエントリのアイロニーは、私にとっては笑えるアイロニーではありませんでした。「べつに可笑しくないです。」というのはその意味です。笑えないのはたぶん私の笑いのセンスが幼稚なためでしょうから、気にしないで下さい(皮肉じゃないですよ)。

>私の目を覚まさしてくれた

「覚め」る前と後で何がどのように変わったのかを目にする日を楽しみにしております。慧可のようには犠牲を払うこともなく私ごときのコメントを読むくらいのことで皮肉骨髄が得られたとしたら、私としては羨ましいかぎりです。

>こちらを閲覧する人間が無知者だとすると、愚堂さんも含めて、みんな無知者ですね。

私自身は無知者ですよ。a-geminiさんはエントリ本文でこれだけ断言を繰り返せるのだから、その断言を支える程度には物事を知っているはずですよね。それが「覚め」た結果なのかどうかは分かりませんが。

※書き込むエントリを間違えていたコメントが1つあったので、正しいエントリにも書いておきました(失礼)。

投稿: 愚堂 | 2009年1月12日 (月) 12時30分

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