沢 竜二さん、解雇された非正規労働者を救済するため大衆劇団に約300人の採用を呼びかけ
解雇された非正規労働者を救済するため、「全国座長大会」の仕掛け人でもある沢 竜二さん(73)が、全国の大衆劇団におよそ300人の採用を呼びかけた。
沢 竜二さんは、座長として海外公演を行い、大衆演劇の第一人者といわれている。
そんな沢さんが、派遣切りされた人などを救済しようと新たな取り組みに乗り出した。
沢さんは「雨露しのぐとこだけでも、おれが提供できるんじゃないか。ご飯は食べさせてくれます。劇場が。『派遣切り一座』というのをつくりたいね」と話した。
沢さんは、全国およそ150の大衆劇団に、およそ300人の採用を呼びかけ、9日から自らの劇団に応募してきた人との面接を行った。
沢さんの劇団の面接には、10人ほどの人が応募してきたという。
中には、派遣切りなどで職を失い、住む場所もない人がいるという。
面接に来た男性は(58)は「住むところが一番肝心だと思ってます。ホームレスを考えなければいけないということになっちゃいますので」と、面接で現在の窮状を訴えた。
この男性は、システムエンジニアとしてコンピューター会社で働いていたが、2008年5月に解雇された。
その後、アルバイトを続けてきたが、その仕事も年末に失い、妻からは離婚も言い渡され、1月末で自宅を出なければならないという。
面接に来た男性は「(妻からは)きのう、きょうの話ではなく、ずっと、積年の恨みつらみがあるようなんですけども」と話した。
沢さんが率いる劇団は、1カ月ごとに全国各地を巡業している。
食事や寝る場所は確保されるものの、1カ月の給料は3〜5万円程度だという。
応募者の中には、この金額を知り、がっかりする人もいた。
面接を受けた男性(46)は「(給料が3〜5万円だが?)考えちゃいますね。ちょっとね」と話した。
面接を終えた離婚・失業ダブルショックの58歳の男性は「できればお世話になりたいと思ってますね。住むところが欲しかったっていうところかな。あとは、もしかしたら仕事が面白いかもしれない」と話した。
面接の結果は、10日までに本人に直接伝えるという。
(01/09 18:06)