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首相訪韓、友好ムード 経済危機が関係改善を後押し (2/2ページ)
このニュースのトピックス:麻生内閣
だが、昨年2月に就任した李大統領は現代建設会長などを歴任した徹底的な現実主義者。歴史認識問題を棚上げし、経済重視の「日韓新時代」を提唱したことで一気に関係改善が進んだ。麻生首相も実業界出身なので李大統領に親近感を抱いており、両首脳の緊密さは増している。
李大統領が北朝鮮への融和政策を見直したことも日韓関係に奏功した。李大統領は拉致問題について「私は拉致被害者の家族の心情や日本の立場を誰よりも理解している」と明言し、対北朝鮮外交でも日韓の足並みはそろい始めた。
加えて経済危機が関係改善を後押しした。日本側は昨年12月、ウォンと引き換えに円などを融通する通貨交換(スワップ)協定を拡充し、ウォン暴落を防いだこともあり、経済・金融面での協調はますます強まるとの見方が強い。
麻生首相は12日午前、李大統領と会談し、同日午後、帰国する予定だ。だが、韓国の景気が今後も悪化すれば、反日世論が頭をもたげ、日本バッシングが再燃する可能性もある。竹島(韓国名・独島)問題など両国間の懸案に解決の糸口が見つからないだけに「薄氷の友好」と言えなくもない。