朝日新聞社が10、11の両日実施した全国世論調査(電話)によると、政府が補正予算案に盛り込んだ総額2兆円の定額給付金について、「やめた方がよい」が63%に達し、「政府の方針どおり配った方がよい」の28%を大きく上回った。麻生内閣の内閣支持率は前回調査(12月6、7日)の22%を下回る19%で、内閣発足以来最低となった。不支持率は67%だった。
目玉政策のはずの定額給付金に対し、多くの国民が拒否感を抱いていることが示され、低支持率にあえぐ麻生内閣はさらに苦境に追い込まれた。「配った方がよい」は自民支持層でも48%にとどまり、「やめた方がよい」が43%いた。
また、麻生首相は定額給付金の目的について、最近の国会答弁では「景気対策」と繰り返しているが、給付金が景気対策として「有効だと思う」人は18%にとどまり、「有効ではない」が71%を占めた。
内閣支持率は、11月の前々回調査では37%だった。前回の急落から今回さらに低下し、福田内閣で最低だった昨年5月調査の19%と同水準まで落ち込んだ。自民支持層でも49%しかなく、党支持者の「麻生離れ」が顕著だ。
財政再建路線から景気対策優先に方針転換した新年度予算案の方針については、「評価する」は33%止まり。麻生首相は予算編成による支持回復にも失敗した格好だ。景気回復を条件に3年後に消費税を増税するとの閣議決定も、「評価」は32%と、「評価しない」の56%を下回った。
派遣従業員の契約打ち切りが相次いでいることを受けて、製造業への労働者派遣禁止が議論になっている。「かえって雇用が減るという意見もある」と紹介したうえで派遣禁止への意見を聞いたところ、禁止に「反対」が46%で「賛成」の30%を上回った。
「いま投票するとしたら」として聞いた衆院比例区の投票先は自民25%(前回28%)、民主38%(同36%)など。民主の自民に対するリードが広がった。
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「質問と回答」は13日付紙面に掲載します。