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January
11
2009
今日は全国各地で成人式が行われています。一時「荒れる新成人」と言われて、各地の成人式では勘違いをした一部の新成人が毎年、お酒を煽ったり、騒いだり・・・。そんなトラブルが多発してしまって、自治体でも行事を縮小したり取りやめたりしたところが多いみたいですが、高齢化社会へ向かう日本の状況を考えれば、新成人はまさに金の卵。社会全体でもっと大切にしなくては、またそういうシステムに変らなければいけないのではないかと思います。しかし、それは過保護であってはいけない。いま、派遣切りの話題が連日テレビ報道で賑わっていますが、これも少々やり過ぎ報道でしょう。派遣労働の問題は、対極的にはまだまだ労働問題の一部にしか過ぎない問題で、今後もっともっと深刻な事態が出てくるでしょう。ワークシェアの問題しかり、正規雇用リストラの問題しかりです。年金の問題もまさに、この労働問題と表裏一体をなすもの。年金改革の必要性を説きながら、一方で非正規雇用を促進するような法律を作る。不況になり、法律に基づいて企業が解雇(実質的には解雇ではない)を行えば、とたんに問題視する。こういう節操の無い政治、政策そのものがもっと問われてもいいのではないかと思います。また、派遣社員が解雇され住む家も追い出され・・・・路上生活者になる・・・という一連の報道はいかにもバカなTV屋のやりそうなことです。僕は、はっきり言ってこれはごく一部の人たちの特殊な事例であると思います。こう書くと批判を受けそうですが、あえてそう申し上げたいと思います。ですから、個別に対応するしかない問題であると思いますし、大半の解雇された派遣労働者の皆さんが、しっかりと自助努力をされていると思います。そこに、毛布や食料、手当てまで支給するというのは、正直これは過保護以外の何者でもないのではないか。今日ワイドショーを見ていたら同様の境遇の方の就職活動を取材していました。当面、職種を選ばずに働く気であれば、仕事はあるらしいです。警備業界でも介護業界でも、畜産などでも有効求人倍率は高いのだそうです。TV取材ではその男性は希望の金額でないのでもっと他を探します、と言うことでした。それは決して悪いことではないと思いますし、ごく当たり前の行動だと思います。が、そういう状況であるなら、それは危機的な状況とはほど遠い通常の労働市場の状況でしょう。ならば、特別視する必要性がまったくないと思いますね。(余談ですが、こういう部分にもTV報道の危険性が潜んでいます。)
若年層は、非正規雇用者比率が非常に高いのです。もっと若年層を大切にするシステムとは、正規雇用を促進し社会システムに積極的に参加するように促すことやそのための窓口を拡大すること、そしてフリーターはあくまでも社会保障のない急場のしのぎですということをアナウンスしてゆくことが大切なのだと思います。それをするためのワークシェアリングならば、大いに結構なのではないかと・・・。このままでは、人が淘汰される社会になってしまいます。「格差社会」以上の「淘汰社会」が到来してしまう。社会という全体を包括するコミュニティで淘汰が進むと国が荒れます。治安も維持できなくなり、政治的にも不安定になり、犯罪も多発します。小泉改革、そして自民党政治の先には、お金では計ることが出来ない大切なものを失うという淘汰する社会が待っていました。お金を沢山儲けることは悪いことではないと思いますが、だから儲けた人が偉い人ということはまったくありません。儲ける人がヒーローなどという社会、風潮に日本がなって欲しくない・・・・僕は真剣にそう思っています。
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January
10
2009
いま、自作業界の目玉商品と言えばSSD。流石に、装着したときのサプライズがユーザーの間に広まってきたようで、年末からは品薄状態が続いている。それはそうと、いま、未曾有の不況は世界的にPC業界を浸食していて、来週のインテル決算は遂に下方修正となるらしい。そのような状況にも関わらず、年末から世界のDRAM市況はジリジリと値上がりが始まっている。実は、その原因がSSDの世界的な流行にあると言われています。もちろん半導体各社も出荷調整をしたり、不況対策に躍起になっていますが、それでもPC向けに関しては不気味に値上がりが続いているのも、SSDというイノベーションの影響であることは間違いないところ。PC業界もここ数年、ある意味、イノベーションがなさすぎたとも言えます。
ところが、日本でのSSD市況はどうかというと、これは急ピッチでの値下げ競争が進みました。この傾向は年明けから特に顕著で、各店とも度を越した値下げラッシュにまで発展しています。実は、明日からHOSHINO INGでSSDの販売を行うというので、品薄であるとか価格であるとかが心配だったのですが、正規ルートで仕入れて正規価格で販売するということなので、ちょっと安心いたしました。市況よりは高価になってしまうかも知れませんが、保証の問題や供給の問題に関しては安心してお使いいただけると思いますので、お勧めです。
こういう機会があって、流通の方ともいろいろお話をしましたが、兎に角いまのSSDの値下げラッシュは、長年自作業界でビジネスをしている彼でも「異常事態」と言うくらいだそうで、正規代理店からの仕入価格を下回る値付けが続出して大混乱なのだそうです。製品の販売だけですので、どう考えても完全な赤字での販売をこの時期行うということは・・・。また、赤字でないにしても1%-5%の薄利販売は当たり前で、これも実質的に赤字販売と言えるものです。かといってメーカーや正規代理店が販売価格を表立って縛るわけにも(法律上)いかないので、いま業界ではSSDブームが単なる一過性のものになってしまうのではないか、との懸念が渦巻いています。こういう販売方法というか、薄利で大量に販売しなければならない事情は、このご時世十分にあるとは思いますが、将来を考えると非常に厳しい状況に陥るのは目に見えています。製品の保証の問題(特にSSDの性質上、将来的にしっかりと保証された、または保証体制が維持されることが重要)などは、しっかりとした代理店保証またはメーカー保証が前提だと思いますが、流通でトラブルが多発したのでは・・・・。こういう状況を一刻も早く改善しないといけないと痛感しました。「右から左」の単純なビジネスは、やはり淘汰されていくのだろうということかもしれないです。
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January
09
2009
昨今の自動車業界の急激な減速には少々驚かされた。どうしてこんなに急激に販売不振になるのか、正直理解できない。アメリカで自動車販売が不振である原因は非常にはっきりしていて、それは自動車ローン等ファイナンスがサブプライムで非常に傷ついたことが主要因です。しかし、日本の場合はどうも、原因がはっきりとしなくて、主要因と言えるのはどうも、「センチメントの悪化」と言うことらしい。対前年比でもアメリカよりも日本の方が統計が悪いんです。なんか、納得できないというか・・・。対北米輸出比率の高いトヨタの強烈な業績修正を見ると、どうしてここまで収支が悪化してしまうのかが、にわかに理解不能です。恐らく、現行の投資や大幅な在庫増大が想像以上にあるということでしょうか。でも、いま、チャンスとばかりに強力に北米での販売を強化しているのが、ドイツのメーカー。特にワーゲンとBMWは11月以降北米でのシェア拡大に躍起になっているという話もあります。アメリカでのシェアはトヨタとホンダが非常に強かったわけで、この調子じゃドイツ勢に足元をすくわれかねません。ここは、是非とも頑張って欲しいと思います。
自動車といえば、原油高以来にわかに脚光を浴びたのが、ハイブリッド車、電気自動車、水素自動車等の代替エネルギー車だ。この分野ではプリウスを筆頭にラインナップの広いトヨタがダントツリード、その後をホンダが追う展開だそうで、いま、恐らく毎日徹夜で技術者の人たちは開発や地域にあわせたチューニング、コストダウンに立ち向かっていることでしょう。しかし、ハイブリッド車のエネルギー効率というのは、言われているほど良くないです。少なくともガソリン価格が急騰してその代替エネルギーが明確に登場するまでの、いわば中継ぎという役割ではないかと言われています。実際に製造コストは非常に高いし、製造プロセスでのエネルギー効率が非常に悪化するわけで、ガソリン消費量に関して明確なアドバンテージがあるとは言えません。それでも、現時点では、消費者のエネルギーコストを大幅に節約するのも事実で、ラインナップできていないならメーカーにとっては致命的です。
僕が個人的に押しているのが、マツダの水素ロータリー。液体水素を安全に搭載できる技術、そして補給所の整備が可能であるなら、この技術は世界を必ず席巻するでしょう。何せ、原理的にレシプロエンジンの構造では、発火制御が出来ずにまったく使い物になりません。その点、世界で唯一のロータリーエンジンをモノにしたマツダなら、ほぼ現存のロータリーのままで、僅かな補器を付加するだけで実用が可能、そして肝心の排気ガスは、つまりは「水」であって、まったくの無害。これが、エネルギー的にはほぼ理想の自動車と言って間違いない。ところが、メリットばかりではなく、しっかりと安全面でのデメリットも・・・。ここが悔しいところで、何せ相手は「水素」ですから、交通事故等を想定すると課題が山積だということです。こと、人命に関わるもんだいですから、いい加減では済まされない。近い将来、これを回避できる革新的な技術の誕生を切に願っています。
そう考えると、何時の時代でも「技術革新」こそ、もっとも大切なことなのだとしみじみ痛感させられます。
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January
08
2009
1998年の暮れに最初のアルミケースを発売してから10年の月日が流れ、ようやくWiNDyケース(タワー型ケース)に「味」らしきものが出てきたように思っています。最初はアルミシャシーからのスタートだったけど、デザインはほぼ無きに等しい状態でした。僕が所有している歴代のモデルを時が経ってからじっくりと見てみると、徐々によくなってはきているものの、当時の苦悩が偲ばれます。特にフロントマスクデザインに関しては、MT-PRO1200くらいが限界で、その後のトライは正直失敗している製品が多かったですね。また、WiNDyが大きく飛躍する契機となったJAZZに関しては、パネルデザインはあまりに陳腐すぎたと思っていて、造形のコンセプトはいまでも非常に面白いと思っていますが、マテリアルや構造がまったくダメでした。何でも「勢い」というのは大事だけれど、「勢い」だけではいいものを継続的に作ることはできないのは自明です。しかし、当時はそのことを意識する余裕すらありませんでしたね。
苦悩の末に選んだ道は、樹脂によるフロントマスクの造形をアルミ素材に切り替えると言う選択でした。2002年に最初のALTIUM(ATXタワーケース)を作ったのが最初で、そこから現在にいたるWiNDyデザインの流れが決まったと言ってもいいと思います。今見れば、気恥ずかしくなるようなデザインではあったけれど、それでもある種の「気負い」とか「迷い」が隠しようもないほどに前面に出ていて、面白いと思います。決定的だったのは、2004年のALTIUM Xと2006年のJAZZ。「DIYケースはシャープに作りたい」という思いが、結実した作品となりました。以来、ALTIUMデザインはALCADIAや現在のVRに受け継がれていますし、今年はタイミングを計ってJAZZの進化バージョンを発表したいと思っています。
また、マスクをアルミデザインにしたことで、当初は非常にデザインの自由度が限定されるのではないか、と思っていましたが、考え方を少し変えれば、非常にオリジナリティがあって、しかもこの上なくシャープネスに溢れる感覚が貴重なものに思えてきました。現時点ではいささか地味との評価もありますが、基本的にこのデザイン路線を成熟してこそWiNDyであると思っています。2007年のOLIEONデザインはステーションタイプの定番へと波及しましたし、ALCADIA X4や最新のMC3ではCUBEタイプへも波及しています。こうしてみると、僅か10年ではありますが、その間にデザインに関する苦悩やためらいや、チャレンジが絶え間なく続いていて、そして幾度も失敗を繰り返しようやく見出したのが、現在のフルアルミデザインの流れだったと思います。そして、最近の製品はようやく少しだけこのデザインが成熟できたかな、と思います。どんなデザインでもそうでしょうけれど、オリジナリティが違和感なく存在できるようになるまでには、それ相応の時間が必要でしょう。最初は物真似でもなんでもかまわないのだと思いますが、1度オリジナリティを追求しよう、確立しようと思った瞬間に、苦悩が始まります。そして、苦悩の末に、トライアンドエラーを繰り返して到達するポイントが必ず存在します。そのポイントでどれだけ存在感を発揮できるのか、どれだけオリジナルと呼ばれるデザインになっているのかが困難なことではありますが非常に重要なのだと思っています。
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