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2009-01-10 23:29:06 stanford2008の投稿

桜井淳所長の最近の講演内容-日本の核燃料サイクル施設の臨界安全解析法の現状と課題について-

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【講演要旨】



Ⅰ. 核燃料サイクル施設の概要


上流

1.01ウラン鉱山

1.02精錬

1.03転換(天然六フッ化ウランガス、56.5℃でガス化)

1.04輸送容器(吸着された天然六フッ化ウラン、たとえば、トレーラーによる48Yシリンダー輸送)(海外より海上輸送)

1.05濃縮(天然ないし濃縮六フッ化ウランガス、発生槽(暖めてガス化して遠心分離器に供給)・製品回収槽(冷却して気体から固体にして回収)・均質槽(温めて液体にして均質化後に気体))

日本原燃等

1.06輸送容器(吸着された濃縮六フッ化ウランガス、たとえば、トレーラーによる輸送用保護容器付30Bシリンダー輸送)(海外より海上輸送あるいは国内陸上輸送)

1.07再転換・成型加工(濃縮ウラン溶液あるいは濃縮二酸化ウラン酸化物)

三菱原子燃料・原子燃料工業・GNF等

1.08新燃料輸送容器(燃料集合体のトラック輸送)(国内陸上輸送)


下流

1.10軽水炉炉心

電力会社等

1.11新燃料貯蔵

電力会社等

1.12使用済み燃料貯蔵

電力会社・日本原燃等

1.13使用済み燃料輸送容器(TN型・EXCELLO型・HZ型使用済み燃料輸送容器。高さ9mからの落下試験・高さ1mからの突起物上への落下試験・800℃30min.耐火試験・15m水深で8hの浸漬試験)(海上輸送)

原燃輸送等

1.14使用済み燃料中間貯蔵

電力会社等

1.15核燃料再処理

日本原燃等

1.16プルトニウム(MOX)燃料加工(英・仏・ベルギーからのMOX燃料の海上輸送)

原子力機構・日本原燃等

1.17低レベル・高レベル放射性廃棄物貯蔵(国内海上輸送、英仏からの返還廃棄物の海上輸送)

日本原燃等



Ⅱ. 核的制限値(ANSI/ANS 57.2-1983等)


使用済み燃料貯蔵施設の設計基準(検査・核的制限値・水位維持による放射線遮蔽・自然循環・崩壊熱除去・水温維持(66℃以下)・高燃焼度燃料・タービンミサイル対策・地震対策(水面のスロッシング)・強風対策等)。


○世界各国が採用している核的制限値



Ⅲ. 安全解析の考え方


核燃料の水没を想定した核的に保守的な計算条件


○計算コード




Ⅳ. 新燃料体系


4.1ウラン濃縮施設(keff<0.95)

4.2ウラン加工施設(keff<0.95)

4.3新燃料輸送容器(keff<0.95)

4.4原発新燃料保管庫(keff<0.95,ただし最適減速条件の時keff<0.98)


Ⅴ. 使用済み燃料体系


5.1軽水炉炉心(keff<0.95)

5.2原発や再処理施設の使用済み燃料貯蔵プール(keff<0.95 for BWR, keff<0.98 for PWR, ただし、六ヶ所再処理プールkeff<0.95)

5..3使用済み燃料輸送容器(keff<0.95)

5.4中間貯蔵施設(keff<0.95)

5.5再処理施設

5.5.1受け入れ工程(keff<0.95)

5.5.2せん断工程(keff<0.95)

5.5.3溶解工程(keff<0.95)

5.5.4分離工程(keff<0.95)

5.5.5精製工程(keff<0.95)

5.5.6脱硝工程(keff<0.95)

5.5.7製品貯蔵工程(keff<0.95)

6.6プルトニウム(MOX)燃料加工施設(質量管理・形状寸法管理、keff<0.95)



Ⅵ. 課題


○6.1

○6.2

○6.3

○6.4

○6.5



文献

日本原燃株式会社会社案内

原子力機構プルトニウム第3開発室

日本原子力学会「最適モンテカルロ計算法」研究専門委員会議事録

日本原子力学会「未臨界実験データ評価」研究専門委員会議事録




2009-01-10 21:29:08 stanford2008の投稿

桜井淳所長は「東京新聞」の記者のインタービューに答える-産廃所で発見された低レベルドラム缶-

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桜井淳所長は、日本原電の低レベル放射性廃棄物ドラム缶が新潟県の産業廃棄物投棄所で発見された問題について、「東京新聞」の記者からインタビューを受け、約15分、その意味するところを解説しましたが、緑色したドラム缶には、確かに、日本原電の名前と放射能マークが記されていたため、第三者のいたずらとは考えられず、日本原電から出た物であろうと断定し、ただし、普通、例レベル放射性廃棄物のドラム缶は、黄色の厚いペンキで塗装されているため、変色して緑色になることはなく、むしろ、低レベル放射性廃棄物ではなく、原子力発電所の完全解体撤去にともない発生する産業廃棄物扱いされる極低レベル放射性廃棄物を収納する新たに設けられたドラム缶の可能性を示唆したが、ふつう、紙や布やコンクリートであって、内容物が油性液体であることはないため、おかしな点がいくつくも重なっていると指摘しました。
2009-01-10 18:31:55 stanford2008の投稿

"水戸"だより-"水戸"主催学術セミナーの唯一性と高品質性の内容による原子力界催物との棲み分け-

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原子力界では、主に、大学(東大等)や政府関係研究機関(原子力機構や原子力基盤機構等)において、数年前から、無料で、研究会・講演会・セミナー等の一般や原子力界を対象とした啓蒙を目的とした学術的催物が開催されるようになり、それまで、有料の学術的催物を開催していた日本原子力情報センター等においては、たとえ、セミナー等を開催しても、人が集まらず、商売にならない状態が続いておりますが、それでも、"水戸"主催の学術セミナーのように、参加費が高額であるにもかかわらず、確実に、コンスタントに参加者が確保できるのは、講師の桜井淳所長のそれまでの知識・経験・著書等の学術的成果によるだけでなく、いまでも日本原子力学会のふたつの研究専門委員会の主査を務める等、日本の最先端の学問と問題意識を基にしたレクチャー内容と問題提起をできるためであり、小規模であるにもかかわらず、資金が豊富で大規模なな大学や研究機関と張り合い、うまく棲み分け共存できるのは、レクチャー内容の唯一性と高品質性により、参加者を獲得できるためです(参加者の話では、「企業は、業務上必要な内容であれば、たとえ、5万円でも10万円でも参加させる」ということでしたので、さらなる値上げを検討中です)。

2009-01-10 11:20:37 stanford2008の投稿

桜井淳所長の最近の講演内容-物理学者アルビン・M・ワインバーグの「超領域科学」の歴史構造-

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【講演要旨】


Ⅰ. はじめに


アルヴィン・M・ワインバーグ(Alvin M. Weinberg、核物理学者、1919.4.20-2006.10.18、享年87歳)は、戦時中の1945年に米テネシー州オークリッジにあったクリントン研究所(戦後の1947年にオークリッジ国立研究所に改名)に26歳の時から勤務し始め、1945-1948年の4年間、物理部門の管理職の職位に(26-30歳)、その7年後の1955年から1973年までの18年間、研究所長の職位にあった(36-54歳)。彼は、若くして際立った能力を有していたため、研究所の重要な職位に抜擢され、研究者や研究管理者として能力を発揮したばかりでなく、科学哲学の分野でも優れた業績を残し、世界をリードした。


我々が彼について認識している特筆すべきことは加圧水型軽水炉の概念の提案者であることとTrans-Scienceの概念の提案者であることであろう。


前者に対してはつぎのように評価されている。「しかし戦時中に「マンハッタン計画」で濃縮技術が開発され、核分裂性のウラン235の濃度を高くした濃縮ウランが利用できるようになり、軽水でも十分に減速材の役目が果たせるようになった。これに目をつたけオークリッジ国立研究所のアルビン・ワインバーグ(1946年、当時26歳)は、安価で使い方も熟知している普通の水、軽水を減速材として用いることを考えていた。しかも軽水はそのまま冷却材として燃料が発生する熱を取り出すこともでき、一人二役が可能である。人間が最も使いなれている無尽蔵の軽水を冷却材のみならず、減速材として用いることができれば、コスト的にも、取り扱い上でも、また原子炉システム設計上も極めて有利になる。・・・・・・しかし、水は温度が上がって沸騰すると、水と蒸気の混じり合った複雑なものとなり、原子炉内のウラン燃料の周囲で減速材兼冷却材として計算どおりの性能を出してくれるか、という点で自信がなく、おそらく原子炉が不安定になるのではないかと考えられていた。一方、水を沸騰させないようにするためには、沸点以下の低い温度で用いねばならず、そうなるとたくさんの熱を原子炉から取り出せず、動力源としては魅力がなくなり、実用的でないと考えられていた。これに対し、ワインバーク等は、それでは水を沸騰させずに温度を上げればいいのだから、水の圧力を高くして高温・高圧の液体状としてもちいればよいと、という結論に達し、ここに後に世界中で最も普及することになる加圧水型軽水炉(PWR)の概念が誕生した。・・・・・・当時まだ高圧技術が十分に発達していなかったので、水の圧力、つまり温度をあまり高くできず、熱効率が悪くなるため経済性で不利と考えられていた」(西堂&ジョイ・イー・グレイ 1993 76-77 91)。ただし、( )内は、引用者が補足した。


後者については1972年(オークリッジ国立研究所所長時代の53歳の時)に刊行された論文に記されている(Weinberg 1972)。今回は、その論文を基に、アルヴィン・ワインバーグが提案したTrans-Scienceの内容と歴史構造、今日的意味について吟味してみたい。Trans-Scienceは、Transに何々を越えてという意味があるため、通常、「超科学」と訳されているが、論文の内容と包含する範囲から意訳して、「超領域科学」と訳すケースもあり(藤垣 2002)、むしろ、後者の方が適切であるように思えるため、以下、後者を採用する。


Ⅱ. アルヴィン・ワインバーグ「超領域科学」の内容と時代背景


アルヴィン・ワインバーグの論文(Weinberg 1972)で特に有名なフレーズは「科学に問うことができても、科学には答えられない問題がある」(questions which can be asked of science and yet which cannot be answered by science.)である。その論文では、彼の得意分野の原子力を事例に、科学と公共政策(public policy)の有り方を論じている。「超領域科学」の具体的な事例としては、(1)低レベル放射線被ばくの生物学的効果(biological effects of low-level radiation insults)、(2)低確率事象(probability of extremely improbable events)、(3)対象となるエンジニアリングな問題(engineering as trans-science)の三つの問題を採り挙げている。そして、(2)においては、壊滅的原子炉事故と大地震の二つを採り挙げている。壊滅的原子炉事故の発生確率は、イベントツリーとフォルトツリーを駆使して計算できるとしているものの、その結果の信頼性に疑問を呈している(pp.210-211)。彼は、「超領域科学と公共政策」(pp.213-217)と「超領域科学の公共性と政治的公共性」(pp.217-222)の項においても、当時としては、最新の多種多様な原子力安全問題を考察している。(3)では、確実な実験データがないにもかかわらず、決められた予算とタイムスケジュールで物を作らねばならないエンジニアのノウハウとしての"engineering judgement"に潜む不確実性問題を採り挙げている(p.211)。


その論文が執筆された当時の時代背景は、(1)1972年という論文掲載年、(2)彼が当時オークリッジ国立研究所の所長の職位にあったこと、さらに、(3)上記下線部の表現からして(ただし、その論文には、イベントツリーとフォルトツリーという用語は、使用されておらず、英文の意味からして、筆者が意訳しました)、世界的に原子力発電所の建設ラッシュが続く中(原産 2000 67)、なおかつ、米原子力委員会が、原子力賠償法の再検討のための参考資料にすべく1971-1974年(佐藤 1984 152)、MITのノーマン・ラスムセン教授の指導の下に、US-AEC(途中から改組にともないUS-NRC)安全研究局のサウル・レビン次長が総括して、数百万ドルと延べ数百名の研究者を投入して実施された「原子炉安全性研究」(US-NRC 1975)の初期の段階である1971-1972年初めまでの時期と情報に基づくものと思われる。「原子炉安全性研究」とは、当時、不可能と思われていた100万kW級軽水炉の炉心溶融発生確率をイベントツリーとフォルトツリーというNASAで開発されたふたつの手法を適用して決定し、原子炉格納容器機能喪失にともなう放射能大放出事故(代表的なPWR2型事故とBWR2型事故等)の影響を評価した歴史的画期的研究である。1971-1972年初めまでの段階では、まだ、計算結果は公表されていなかったものの、彼の職位と社会的位置づけからして、いち早く、情報を入手でき、それを基に「超領域科学」という斬新なキーワードで問題提起したものと推察される。


Ⅲ. 歴史構造と今日的意味


アルヴィン・ワインバーグの論文(Weinberg 1972)で議論された三つの具体例は、当時としては、「超領域科学」として成立したかも知れないが、いまでは、必ずしもそのように定義できるとは限らず、特に、壊滅的な原子炉事故や"engineering judgement"に潜む不確実性問題は、エンジニアによっては、意見が分かれるものと思われる。筆者は成立性に懐疑的である。「超領域科学」の分野は、科学や技術の進歩にともない、また、経験や知識等の蓄積によって、固定的な概念ではなく、時代によって、常に、入れ替わる物であると受け止めている。今日、遺伝子組み換え技術やBSE(金森・中島 2002, 小林 2002 2007)、さらに、温暖化対策等が「超領域科学」と位置づけられているが、筆者は、それらに対しても、懐疑的である。それらの現象と影響の範囲は、予測できないほどではなく、「超領域科学」と定義できるほどの困難性は、存在していないように思える。何が分からなければ、分からないと定義できるのか、主観的な問題であって、明確な判断基準など存在していない。「超領域科学」の今日的意味は、むしろ、阪神大震災(兵庫県南部地震1995)、スマトラ沖地震(2004)、新潟県中越地震(2004)・中越沖地震(2007)のように、地震や津波の予測と影響のような自然現象にあるように思える。


Ⅳ. 考察


評価(あと30行補足)



文献

西堂紀一郎&ジョイ・イー・グレイ 1993 ; 『原子力の奇跡』、日刊工業新聞社。

Weinberg, Alvin M. 1972 ; Science and Trans-Science, Minerva, Vol.10, pp.209-222.

藤垣裕子 2002 ; 「第6章科学政策論」のp.150、金森修・中島秀人編著『科学論の現在』のpp.149-179、勁草書房。

佐藤一男 1984 ; 『原子力安全の論理』、日刊工業新聞社。

原産 2000 ; 『世界の原子力発電の開発動向』、原産。

US-NRC 1975 ; Reactor Safety Study, WASH-1400, NUREG 75/014.()

小林傳司編 2002 ; 『公共のための科学技術』、玉川大学出版部。

小林傳司 2007 ; 『トランス・サイエンスの時代』、NTT出版。

2009-01-09 22:11:30 stanford2008の投稿

今後採り挙げるテーマ-学術セミナー開催案内・セミナー改善内容・桜井淳所長講演内容等学術活動-

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今後、本欄で採り挙げるテーマは、いま以上に、非常に硬い内容に限定し、学術セミナー開催案内やセミナー改善内容、それに、桜井淳所長講演内容等学術活動にしぼります(あくまでも、ビジネス中心であり、社会背景からして、特に、重要な問題でもない限り、時事問題等の一時的なテーマは、採り挙げません)。

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