不用になったチャイルドシートを有効活用しようと、伊那市は10日、チャイルドシートのリサイクル会を市役所多目的ホールで開いた。会場には市民から募ったチャイルドシート19台が並び、所有者がそれぞれの特徴や使い方を説明。無料または格安で購入できるとあって大勢の人が来場し、40分ほどでほとんどのチャイルドシートが新たな所有者の手に渡った。
地域の子育て支援グループや、ボランティアでつくる市地域子育て支援ネットワーク協議会で、子育て中の母親から「チャイルドシートは高価なのでリサイクル出来るといい」との声に推された市が初めて企画。昨年10月下旬から約2カ月間、市民に提供を呼び掛けた。
会場では提供者がチャイルドシートの対象年齢や使用方法などを説明。来場者も「新生児にも使えますか」「首を固定するにはどうするの」などと質問し、真剣な表情で品定めしていた。
「親戚に声をかけたがもらい手がなかった。捨てようとも考えたが、高価でもったいないと思った」という同市東春近の女性は、新生児対応のチャイルドシートを提供した。4月に出産を控える同市御園の女性は「新生児用は数カ月しか使えないので新品を買うのはもったいない。きょうはぜひ1台持ち帰りたい」と話していた。
この日は19台のうち、17台を希望者に無料で提供。競争率の高いチャイルドシートは抽選で新たな所有者を決めた。市子育て支援課の原武志課長は「当初予想していた数を上回るチャイルドシートが集まった」と評価。子育て支援の一環として今後も継続していく意向を示している。