資本主義の悪、マルクス社会主義の善
資本主義の悪、マルクス社会主義の善 (前編)
現代の風潮を考察し、その「論理志向」に疑問を呈す。
昨年のリーマンの破綻から一気に世界中に広まった金融危機と、その結果未曾有の不況に襲われた世界経済。その中で日本の企業なども生き残りをかけて、派遣労働者への契約を破棄し、結果的に大量の失業者が生み出された。
左翼はこの現状をものの見事に自らの運動と結びつけ、報道されたところでは共産党は大幅に党員を増やし、他の左翼も勢力拡大を図っている。
左翼は元々労働者階級による資本家階級への闘争を経て、革命によって自分達の目指す理想社会(共産主義)を実現しようとしており、現在のような社会情勢は彼らにとっては絶好の機会到来となっています。
さて、左翼の運動とその理想とする社会については、この前編の後に考えるとして、今回は資本主義の悪ということについて、考察することにしたいと思います。
善悪で判断するほど単純な問題ではありません。しかし、マスメディアや左翼は資本主義=悪ということで報道を続け、それが国民に受け入れられています。
派遣労働者問題は契約の解除という言い訳は通用しません。それは労働者の首切りであるとする考えが一般論としては正当性を得ていますし、年末の派遣テント村にしても、ある種の胡散臭さはあっても、それを追及する声よりは、「とにかく助けてあげなければ」という世論が盛り上がった。
物事には全て陰と陽、光と影、明と暗の部分があるが、現在は陰・影・暗の部分だけが意図的に資本主義の悪と結びつけられ、それに挑戦する左翼は善という立場をものにした。
では、現代資本主義はどこが悪であるのか?
その点に関して考えて見ることにしたい。資本主義が魅力あるとされたのは、それが豊かさを与えてくれるからでした。対してマルクス社会主義の魅力とは平等主義という価値観にあった。
旧ソ連が資本主義の前に敗れ去ったのは、豊かでもなくそして平等でもなかったからでした。貧しくとも平等であれは人は我慢もしたでしょう。しかし、一握りの共産主義の独裁者だけが豊かで、多くの国民が貧しく不平等であると感じたので共産主義は国民の支持を失いました。
シナ・中国は確かに共産党の独裁政権が続いていますが、市場開放・外資の導入などによって、多くの国民が豊かさを実感できていた。だから民主化がならずとも、国民は体制の変革までは望んではこなかった。
物質的な豊かさを保障し、それを与えていれば、資本主義も悪のイメージよりは善なるイメージで見られてきたが、その豊かさを与えられなくなった時点で、それは悪のイメージが先行し失望を招く結果となる。
冷戦の崩壊はすなわち資本主義の勝利でした、その資本主義はその勝利に驕り高ぶり、最大の敵を倒したことで、株主(資本)を絶対化する道を突き進んだ。
更に儲けが全てであり、その手段を問わないとする手法までもが絶対化されるに及んだ。本来資本主義とは物づくりや、それの移動や販売というシステム全体を指すものであった筈でした。
金融業などはしょせんはこのシステムの黒衣であって、主役にはなりえないものだった。この金融業を悪と見なすのには理由があります。それは下記のような歴史があるからです。
皆さんもシェークスピアの「ベニスの商人」に出てくるユダヤ人シャイロックについてはご存知と思います。中世ヨーロッパでは多くのユダヤ人が高利貸しを生業としていた。他人に貸した金から利子をとることはキリスト教が禁止していたため、それに手を染めるユダヤ人は欲深い悪人と見られてきた。
この悪のイメージが定着していた筈の、金融という職種がいつの間にか、資本主義の主役となって、新自由主義とか市場万能主義とかグローバリゼーションという言葉に乗って世界を席捲しました。
「何かがおかしい」と皆が感じていたにに、今回の危機が訪れるまで、それを修正しようとする動きもなされなかった。ウォール街を支配するのが国際ユダヤ資本であり、本来その行き過ぎはもっと早くに正されるべきだったのです。
大企業から学校、各種団体、そして庶民に至るまで、この投資とか投機という欲望のゲームに酔いしれて、それが持つ危うさに気がついていなかった。
また、資本主義と言えども守らなければならなかった道徳や倫理、更には社会性を考えずに踊らされた。そこに現代資本主義の誤りと躓きが生じたと思います。
資本主義そのもののシステムが悪なのではなく、金融資本主義がのさばったことや、その強欲なやり口を放置して何も下さなかったことが悪である。
世界最大の資本主義国家であり、その主導的立場にあった米国自身がそのことに気がつき、米国建国の理念であるキリスト教の信仰と生活の清純に再び立ち返るなら、資本主義の悪を追放できると確信します。
米国国民が本来持っていた清教徒主義の価値観こそが、この資本主義の悪を払拭する最善の道となる。それを期待したいものです。

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Posted by the_radical_right at 09:24
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日米関係
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放課後デムパ倶楽部#24 ”ウソバスター”を撃て【愛国学園】at 2009年01月11日 12:12
米国の要求に屈しなかった城内氏の意見を真摯に聞き、応援すべきではないか?
http://likecoffee.iza.ne.jp/blog/month/200901/
水間ブログの2009・1月5日のエントリー
文科省へのパブコメメール要望にて一意見につき一メールで
教育への要望を送ってください。
教育からかえていきましょう。
>米国国民が本来持っていた清教徒主義の価値観こそが、この資本主
>義の悪を払拭する最善の道となる。それを期待したいものです。
極めて同感です。
本来、政治は貨幣所有者による横暴を制限すべき存在。政治そのものが商業主義に陥ってはならない。
商業に資本主義的"手法"を導入する事は有意義である事もありますが、政治は国民的価値観に基いて運営されなければならない。
世界の諸国民にはそれぞれの価値観があり、マルクス主義を曲解し、特定の民族的野心に基く権力闘争の為に価値観そのものを押し付けようとしたボリシェビキの行いも否定されるべきものです。
我々も国民的価値観に基いて、すなわち神社と水田の国である我日本の本来の姿を取り戻さなければならないと思います。
金儲けが全て、と言う金融工学が、ある意味今回の危機を大きくしたと言えるでしょうね。米国は自分で働く事よりもお金をもうけることを主眼にした時に、今回の危機は決まったのでしょう。
もう一つ言うと、自分の不動産を抵当に入れてお金を借りて消費する、と言うやり方も良くないですね。要するに消費スタイルを全面的に改めないと駄目だと思いますね。
テレメンタリー 13日(火) 2:40 〜 3:10
【番組内容:1】
発展を続ける中国。その陰には、「食」を支えた日本の農業技術者原正市さんの存在があった。北海道・岩見沢出身の原正市さん(2002年没 85歳)は1980年代初め、コメの栽培技術「畑苗移植栽培」を中国・黒龍江省に伝えた。畑で苗を育て、水田に移植する技術だ。
【番組内容:2】
それまで直接水田に種を蒔き、天候に左右されやすかった黒龍江省のコメの生産高は8年後の1990年には、それまでの5倍の234万トンになった。
やがてこの技術は中国全土へと伝わる。原さんは21年に渡って30の省と地区を回り、食を支えた日本人として中国国家から表彰された。
日本人の本来ある精神性とは、どんなものであったのかを問いただす時期に来ているのではないでしょうか。
国際資本主義の中にありながらしなやかな日本精神とはどう有るべきかを問う時期に来ていると思います。
元来日本人は、西洋を受けつつ東洋を受け入れ和の精神で日本人であり続けた。
現在の日本には、キリスト教も仏教も神道もカルト教も混濁した状態の中で強い唯物心がフィルターの役割をして作用しているので、極めて屈折率の高い歪んだ社会を形勢しています。
つまり、心と物、肉体の遊離が起り、食品問題、リストラ、マネーゲーム等人の為とかお陰様での日本社会の消滅が、極端な階級社会への道を志向しているのではないか?
アメリカの躓きで、日本も文化文明を一国で持つ力があるなら何か新しく模索できるものがあるのではないか?
旧態依然とした左翼の逆行思想の時代ではないと考える。
「ガザを空幕するなら経団連を空爆せよ〜・御手洗をさらし首にせよ〜・ストライキなんて甘い!労働により生まれる付加価値はすべて労働者のものだ〜・会社であろと資本であろうとすべて労働者のものだ〜労働者が主役の社会を・・」と叫ぶデモです・・。
派遣も正規も公務員もすべての労働者は団結せよ・・・なんです。
資本主義の矛盾を修正するのではなく革命をさけんでいます。
すごいですね。本性丸出し・・。
叫んでいるのは若者ですから 戦術上不満を拡大させ革新勢力に結集させるということから ついつい革命まで叫んでいるのでしょうね。
どれぐらいの参加者がこの主張を理解していることか?
2009年1月8日のデモの様子。↓
http://jp.youtube.com/watch?v=o30GbVd3cMY
そもそも共産主義体制の国家システムでは国家が成り立たなかった事は世界中の多くの人々が経験してきた事です
現在の修正資本主義という国家システムの中の一要素として共産主義的要素は立派に機能していると言えると思います
共産主義という国家システムは一つの体制としては存在し続ける事は困難であったのですが一要素的側面としては修正資本主義の中において立派に機能しているのです
派遣労働のことですが日本よりも自由主義的要素の強いアメリカの要望を受け入れてしまった事が日本の失敗であったと言わざるをえないと思います 少なくとも製造業の派遣労働は改めるべきなのではないのかと感じております
アメリカの要望を安易に受け入れ政策として失敗をしてもそこから学び修正して行けば良いのではないのかとも感じていますが
派遣切りはスタートの合図ですよ。
共産革命になるか民族革命になるか
知らんが大改革へのスタートなのだと思う。
民族派としては極右軍事政権誕生への
スタートと考えるべきでしょう。資本主義
云々の議論より時代は共産、社会主義を求めています。
それなら民族派は社会主義の一つである
極右軍事政権誕生に邁進すべきです。
これからは社会主義に向けて民族派と共産派の
バトルです。社会主義社会の実現が求められて
いると思う。デザインは民族か共産かというところ
厳密には国際共産では共同体は成立しませんから
社会主義という共同体は不可能でしょう。
国際共産は国家よりグローバル資本と相性が合うと思いますが。
アメリカ建国精神とピューリタン思想は違います。
>アメリカ建国精神とピューリタン思想は違います。
ここで、どのように違うという議論をするつもりはありません。あなたがそのことにこだわるなら、私は次のように言い換えても構いません。同じ意味で使わせて頂きます。
米国社会の土台には信仰と清純さを保とうとした清教徒主義がある。
なめ猫さんも公明党の批判を繰り広げていますよ
http://genyosya.blog16.fc2.com/blog-entry-1113.html
TVでチェ・ゲバラの映画を煽っていますが、時代と状況が違うな。
あの時代は、独裁と独裁のの戦いで次元がランク落ちの世界です。
参考にならんです。
>派遣労働者への契約を破棄し、結果的に大量の失業者が生み出された。<
真実は、派遣切りなることばは捏造。
派遣社員は解雇される存在にあらず。
なぜなら、派遣社員は派遣もとである派遣会社に雇用されており、派遣先に雇用されているわけではないから。
派遣先には派遣社員を解雇する立場には、ない!
↓博士どののエントリーが詳しい
http://specialnotes.blog77.fc2.com/blog-entry-2157.html