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【主張】首相きょう訪韓 実務的な関係を深めたい

2009.1.11 02:47
このニュースのトピックス主張

 麻生太郎首相は11日、ソウルを訪れ、李明博大統領と日韓首脳会談を行う。12月には福岡で温家宝・中国首相をまじえ日中韓3国首脳会談があったばかりだ。隣国の首脳が気軽に往来し合い、その時々の懸案や国際的問題を随時、話し合うという「シャトル外交」は、欧米ではごく当たり前のことだ。これを機に日韓間でもぜひ定着させたい。

 両国はこれまでそうした実務的首脳外交ができなかった。韓国側が領土問題や教科書問題、靖国神社問題など、すぐにはどうにもならない歴史がらみの“懸案”に執着し、事あるごとに日本非難を繰り返してきたからだ。

 今回、会談の第1議題は「両国の経済協力増進策」だという。世界的な経済危機の中で両国ともきわめて厳しい環境にある。とくに韓国は苦しい。となると領土問題や歴史などにこだわってはおれない。経済対策という実務、実利のためには日本の協力がほしい。

 日本にとって韓国は、年間300億ドルを超える貿易黒字の「お客さま」だ。経済沈滞で日本への韓国人観光客が急減しているが、韓国経済の浮揚は日本にとっても大いに必要でありプラスである。

 その意味で今回、御手洗冨士夫経団連会長をはじめ日本の経済界首脳が多数、同行するのは悪くない。韓国の対日外交および世論の関心を、歴史問題など政治中心から現実的な経済中心に方向転換させるよい機会になろう。

 日本の経済人の多くは、歴史問題に執着する韓国のこれまでの対日外交に嫌悪感があった。それが経済協力において目に見えないブレーキになってきた。国際的なグローバル経済時代に、歴史問題に執着し相手を非難し続けるなどということはもう卒業してほしい。肩の力を抜こうではないか。

 さいわい経済人出身の李明博大統領は、現実主義者として実利外交を標榜(ひょうぼう)している。また保守政権として、対北朝鮮政策ではこれまでの支援一辺倒から「北の言いなりにはならない」「言いたいことは言う」という、毅然(きぜん)とした姿勢に方向転換しつつある。

 李政権は日本人拉致問題にも理解が深く協力を約束している。日米韓協力体制強化でも日本と歩調を同じくしている。アフガン復興などでの共同支援事業も計画されている。お互い過去ではなく現在、未来を考え共に何ができるかをさぐる機会にしてほしい。

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