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【社会】

自衛隊病院の開放拡大 防衛省検討 岐阜など11施設医師不足に対応 

2009年1月11日 朝刊

 自衛隊病院を一般市民も利用できるよう、防衛省が開放を検討している。自衛隊病院は原則として隊員とその家族に利用を限定しているが、利用対象者を広げることで病院運営を改善させるのが目的。自衛隊の不祥事が相次ぐ中、医師不足の地域に貢献し、イメージアップを図る狙いもある。同省は五月をめどに具体案をまとめる。

 自衛隊病院は隊員の健康管理、訓練や有事でのけがなどに対応する職域病院として、多くは基地や駐屯地の隣接地に設置されている。

 陸上、海上、航空の各自衛隊が個別に運営し、隊員の利用は基本的に無料だ。

 中央(東京)や横須賀(神奈川)、富士(静岡)、岐阜(岐阜)など十六病院あり、うち中央や横須賀など五病院は例外的に一般にも開放されている。

 利用者が限定されていることに加えて、有事に備え、一定数の空きベッドを確保していることもあり、病床利用率は平均28%と、一般病院(76%)の三分の一ほど。診療実績に基づいて収支を試算すると、二百十七億円(二〇〇七年度決算)の「赤字経営」になる。

 非効率な運営を改めるため、財務省が一般開放などを要請。防衛省も患者が増えることは医官の技術向上にも役立つと、昨年十一月、省内に委員会を設け見直し作業を本格化させた。

 委員会では、いくつの病院を一般開放するか、地元医師会の意向も聞きながら検討。

 既に開放している病院でも利用率が上がらないことから、どうすれば一般患者が使いやすい病院になるかや、地元の医療機関との連携も模索している。

 

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