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「生活保護は国民の権利」人間らしく生きるために活用を
生活保護は、生活にこまったときに、国民のだれもが権利として請求できる制度です。
不況による低賃金や低い年金などによって、生活保護基準以下の生活費で暮らしている人も、たくさんいます。
わが家の生活費はどうなのか、自分の生活保護費を計算してみませんか。
地域や家族状況でちがう基準
生活保護は、働いていても、または年金収入などがあっても、厚生大臣が決めた基準額以下の世帯であれば、その差額が生活保護費として支給されます。
生活保護の基準額は、住んでいる地域や家族構成によってそれぞれ違ってきます。
基本となる7つの扶助
@生活扶助 一類と二類の二つから成り立っており、一類は食費や衣類など家族一人ひとりの費用で、二類は光熱費や家具什器など家族全体で使うものです。
A教育扶助 子どもが義務教育を受けるのにかかる費用です。
B住宅扶助 毎月の家賃、転居にともなう権利金などが支給されます。
C医療扶助 病気やけがをしたときに、福祉事務所が発行した「医療券」をもって医療機関にいき、お金を払わず医療が受けられます。
D出産扶助 出産に必要な分娩料などの費用です。
E生業扶助 暮らしをしていくための生業費、技能修得費及び就職支度費です。
F葬祭扶助 葬式のときの検案、遺体の移送、火葬などの費用で基準が決まっています。
<生活保護支給の内わけ>
生活 | 住宅 | 教育 | 医療 |
毎月支給されるもの | |||
○生活扶助 | ○住宅扶助 | ○教育扶助 | |
(一類と二類) | + | ||
*入院の場合は、 | 給食費など | ||
入院患者日用品費 | |||
○家族の状況に応 | |||
じた加算 | |||
その時々に応じて | |||
○出産扶助 | 権利金、敷金 | 入学準備金、 | 医療扶助 |
○生業扶助 | 家賃修理費 | 教材費、 | |
○葬祭扶助 | など | 修学旅行費 | |
○期末一時扶助 | など | ||
(年末) | |||
○一時扶助 | |||
○二類の冬期加算 | |||
(十一月から三月) |
家族の状況に応じた加算
家族の状況に応じての加算もあります。
@妊産婦加算 妊娠の事実を確認した翌月から加算。
A母子加算 父母の一方、または両・方がいない世帯の子どもが十八歳の誕生日以降最初の三月三十一日まで加算。
B障害者加算 決められた障害者の等級に応じて加算。
C老齢加算 七十歳以上の高齢者、または身体の状況によっては六十五歳以上の高齢者に加算。
D在宅患者加算 在宅患者で、現に療養に専念している人が栄養の補給を必要としているときに加算。
E放射線障害者加算 被爆者などで障害があり一定の要件を満たす場合に加算。
F児童養育加算 児童を養育している場合に加算。
G介護料加算 障害者を家族が介護、または介護人を頼んだときに加算。
<生活保護を受けたとき利用できる制度(東京の例)>
種 類 | その内容 |
地方税 | 固定資産税の減免 |
特別区民税・都民税の非課税 | |
特別区軽自動車税の減免 | |
年 金 | 国民年金保険料の免除 |
心身障害者扶養年金掛金の減免 | |
都営住宅 | 共益費の免除住宅 |
入居保証金の減免または徴収猶予 | |
水 道 | 基本料金の免除 |
下水道 | 基本料金の免除 |
水洗便所設備助成金の交付 | |
放 送 | 放送受信料の免除 |
交 通 | 都営交通無料乗車券の交付 |
JR通勤定期券の割引 | |
清 掃 | ごみ容器の無料貸与 |
廃棄物処理手数料の免除 | |
衛 生 | 保健所使用料・手数料の滅免 |
教 育 | 都立高等学校・高等専門学校の授業料の免除 |
「基準額」・「収入認定額」が支給
基準は級地によって違います。級地は消費水準のちがいによってきめられ、1級地〜3級地のそれぞれ1か2に分けられています。
目安として1級地は大都市です。
自分の住んでいる地域の級地を調べ、次に生活保護基準表に基づいて、自分の家族や条件にあてはまる、それぞれの基準額や加算額を書き入れてください。その合計額が、あなたの生活保護基準となります。
収入がある場合は、収入額から交通費、社会保険料、税金などの必要経費、勤労控除額などをさし引いた額が、収入認定額となります。年金や恩給、仕送りなどは収入です。
先に計算した保護基準額から収入認定額を引いた額が、あなたの世帯に支給される生活保護費となります。
東京・板橋区(1級地の1) | 石川・金沢市(2級地の1) | ||||||||
家族の状況 | 四人世帯 | 高齢者一人暮らし | 四人世帯 | 高齢者一人暮らし | |||||
1 | 35歳男 | 1 | 70歳男 | 1 | 35歳男 | 1 | 70歳男 | ||
2 | 34歳女・妊娠 | 2 | 34歳女・妊娠 | ||||||
3 | 13歳女 | 3 | 13歳女 | ||||||
4 | 4歳男 | 4 | 4歳男 | ||||||
収入 | |||||||||
1 | 夫 20万円 | 1 | 年金 5万円 | 1 | 夫 20万円 | 1 | 年金 5万円 | ||
2 | 妻 6万円 | 2 | 妻 6万円 | ||||||
保護基準額 | |||||||||
第1類 | |||||||||
1 | 35歳 | 40,370 | 70歳 | 32,660 | 35歳 | 36,740 | 70歳 | 29,720 | |
2 | 34歳 | 40,370 | 34歳 | 36,740 | |||||
3 | 13歳 | 44,460 | 13歳 | 40,460 | |||||
4 | 4歳 | 27,220 | 4歳 | 24,770 | |||||
計 | 152,420 | 32,660 | 計 | 138,710 | 29,720 | ||||
第2類 | 4人 | 58,040 | 1人 | 43,480 | 4人 | 52,820 | 1人 | 39,570 | |
生活扶助合計 | 210,460 | 76,140 | 191,530 | 69,290 | |||||
加算 | |||||||||
妊産婦 | 9,230 | 9,230 | |||||||
老齢 | 18,070 | 16,820 | |||||||
教育扶助 | 4,140 | 4,140 | |||||||
給食費 | 4,700 | 4,700 | |||||||
住宅扶助 | |||||||||
注@ | 68,500 | 52,700 | 注B | 35,000 | 25,000 | ||||
保護基準合計 | 297,030 | 146,910 | 244,600 | 111,110 | |||||
収入認定額 | |||||||||
収入 | 1 | 200,000 | 50,000 | 1 | 200,000 | 50,000 | |||
2 | 60,000 | 2 | 60,000 | ||||||
計 | 260,000 | 計 | 260,000 | ||||||
差し引くもの | |||||||||
必要経費 | 注A | 44,000 | 注A | 44,000 | |||||
基礎控除 | 1 | 30,380 | 1 | 30,380 | |||||
2 | 14,700 | 2 | 14,700 | ||||||
計 | 89,080 | 0 | 計 | 89,080 | |||||
収入認定額 | 170,920 | 50,000 | 170,920 | 50,000 | |||||
生活保護支給額 | 126,110 | 96,910 | 73,680 | 61,110 |
注@住宅扶助の特別基準額は、地域によってちがいます。この例では限度額いっぱいで計算しています。なお、一人暮らしの場合は多くが所長限承認額ですが、特別な場合は知事特別基準が適用される場合もあります。
A収入認定の必要経費は、交通費、社会保険料、税金などがあります。
Bそれぞれの社会福祉事務所ごとに家賃の限度額がちがいます。世帯人数などによってもちがってきます。今回の計算は限度額以下で計算しています。