【ニューヨーク=小高航】米ボーイングは9日、今年6月までに民間航空機部門を対象に4500人の人員削減を実施すると発表した。同部門の約7%に相当する。ボーイングは2008年通年の受注実績が前年に比べ53%減少。新中型旅客機「787」の開発コストも膨らんでおり、人員削減でコスト抑制を図る。
約6万8000人を抱える民間航空機部門のうち、間接部門に従事するホワイトカラー(事務職)を中心に削減する見通し。同部門のスコット・カーソン社長は同日、「競争力を維持するためにやむを得ない措置」とコメントした。
ボーイングは航空会社の経営不振などを背景に08年の航空機受注が662機と前年から半減した。一方、昨年9月の長期ストライキの打開策として、工場労働者に対し大幅な賃上げを認めており、収益構造の悪化が予想されていた。(10:37)