皆さんから頂いたメールの紹介や質問内容に関してのお返事をご紹介します。ご紹介に際しては、本人からの要望がない限り、必ず氏名、E-mailAdress等は非公開と致します。また、 メールを送っていただいても、必ず掲載するわけではありません。またEメールで添付された資料は、発信人が特定できたもの以外は開きません。ウイルス対策のためです。御了承ください。 |
FAX受信専用番号 03−5624−0030 (新聞などの記事をコピーした際に使ってく
ださい。その際、コピーした新聞の名前、掲載日、送信者の氏名や連絡方法を必ず記入してください)
タイトル 掲載日 | 届 い た メ ー ル と お 返 事 ( コ メ ン ト) |
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いつも拝見しております。(1月9日) |
届いたメール いつも拝見しております。 1月5日の記事の写真と似たような写真をネット上で見つけましたので、 お知らせしておきます。 http://www.jiji.com/jc/p_archives?id=20090108204756-7608918&rel=y&g=pho 何かの参考になればと思います。 |
コメント ありがとうございます。時事通信の配信写真ですね。白燐弾の特徴をよくとえている写真だと思います。 この件に関しては、「あれは発煙弾だ」「クラスター爆弾だ」「化学兵器なのだ」という、いろいろなメールが届いています。「反戦団体が意図的に煽っている」といものや、「プロパハンダ(政治宣伝)で利用している」というものもありました。
わたしは国際条約で禁止すべきと考えています。
左の写真はイタリアのテレビ局が製作した白燐弾のドキュメントより |
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CNNが白燐爆弾と報じました。(1月9日) |
届いたメール 神浦さん 今朝、ちょっと興奮することがありました。
神浦さんも、ご覧になったかも知れませんが、今朝放送されたCNN
ニュースで、ガザ地区で使われた謎の爆弾が白燐爆弾だという専門家の見解が報じられました。 globalsecurity.orgのジョン・パイク代表が爆弾が投下される映像を見て、間違いなく白燐爆弾だと述べている映像が放送されたのです。このサイトにも、この問題について解説したページができていて、イスラエ ル軍がガザ地区で白燐爆弾を使用したと書いています。 http://www.globalsecurity.org/military/systems/munitions/wp.htm
これについて、イスラエルは発煙弾だと反論しています。しかし、発煙弾にも白燐が使われています。化学兵器禁止条約では適正な目的のために適正な量の化学物質を使った兵器までは禁止しておらず、発煙弾に白燐を用いるのは問題がないとされています。 しかし、これは科学的な定義の限界を示しており、条約に合致した発煙弾を小型白燐爆弾として使
うこともできるわけです。現に、白燐爆弾がない場合、米軍は発煙弾で 代用します。イスラエルはこうした事情の裏をかいて、ごまかそうとし
ているのだと見るべきです。 |
コメント 以下のお返事は、以前、「あれは発煙弾です。対人焼夷弾(白燐弾)などというものではありません」というメールを頂いた方に対する反論です。おそらく多くの人が同じような誤解をされていると思って、今日はその「反論」を掲載します。 ーーーお返事(「反論)−−−− 日本では毎年夏に行われる富士の総合火力演習で、最後は戦車部隊が横一列に並んで、同時に、前方に発煙弾を発射して白い煙幕の壁を作る演出をやります。ですから多くの人が煙幕弾は空中に発射するものと誤解しています。あれは敵が戦車を狙って測距離やミサイル誘導のレーザー光線を照射した際、その敵のレーザー光線を戦車が感知し、その対戦車ミサイルの攻撃から逃れるために煙幕弾を発射します。本当はその直後に戦車は後進をかけ、一気に付近のくぼ地などに車体を隠します。ですから煙幕の効果が一時的であってもしかたないのです。 本来の地上戦で使われる煙幕弾は、出来るだけ長時間・大量の煙幕を放出し続けるものが用途に合っています。煙幕は風に流されることを考量して着弾しています。煙幕弾を空中破裂させる必要はなく、空中破裂では煙幕がすぐに風に流されて煙効果が減少します。(攻撃目標を示すための発煙弾であっても、空中破裂させる必要はありません) ならば地上攻撃(砲撃)にりゅう弾を使用する方が白燐弾より効果があるといえます。りゅう弾は爆風や砲弾の破片で建物を壊したり、付近の兵士を殺傷する効果が大きいからです。しかしりゅう弾なら一般市民が生活する市街地では使えません。威力が大きすぎるからです。もし、ハマス専用の施設であれば、イスラエル軍は精密誘導爆弾や攻撃ヘリからの対地ロケット弾、あるいは砲兵のりゅう弾砲で破壊することは可能です。(実際に行っています) 白燐弾は私が対人焼夷弾というように、建物を壊したり、地下を貫通する威力はありませんが、建物と建物の狭い路地などに隠れた人間を攻撃できます。それも石やコンクリートの建材で作られた建物なら、施設を壊すことなく攻撃するのが可能なのです。特に迫撃砲に白燐弾を使うと、その弾道(飛翔コース)の特性から、垂直に近い角度で落下し、空中爆発で狭い路地にいる者を白燐で焼き殺すことが可能になります。 しかし上空の無人偵察機や偵察ヘリからは、兵士(戦闘員)と一般市民や避難民を区別することができません。だから白燐弾は残忍兵器と私は考えています。 |
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日本がパレスチナ問題解決に寄与できる可能性。(1月8日) |
届いたメール 神浦元彰さん (神浦・・・・・昨日の下段のメールを頂いた方です) >>もう25年前の頃ですが、何度か、イスラエルで政府高官(ハイレベルな知 >> 識人)と話し合ったことがあります。まだパレスチナ自治区が出来る前で、 >> ガザやヨルダン川西岸はイスラエルの占領が続いていました。その時、彼ら >> の会話の中に、何度も聖書(旧約聖書)の話しや、紀元前(DC)の戦争の >> 話しが出てきました。ちょっと日本人とは歴史認識の方法が違うと感じまし >> た。 イスラエルという国家はユダヤ教に基づく民族の国家であることを国是としている国家ですから、ユダヤ教を否定したら国家そのものの存続の前提が崩壊してし まいます。だから、ハイレベルな知識人であればあるほど、ユダヤ教の歴史観、 世界観にどうしても縛られてしまうでしょうし、ユダヤ教の歴史観、世界観を背景にした国民感情、ユダヤ教指導者の意向を知悉していないと、政策の策定は不可能です。 >> ちょうどこのメールを読んだあとに感じたような感覚です。おそらく私はこ >> のメールの半分(あるいは2/3)も内容が理解できないと思います。 特に、アメリカ合衆国に任せておくことは危険です。キリスト教圏の中でも、プ ロテスタント信徒、特にその中でも先鋭的なグループがヨーロッパを脱出して建国したアメリカでは、一般信徒が我流で旧約聖書を熱心に読みすぎるんです。 キリスト教では、神とヘブライ人(イスラエル民族)との間に結ばれた契約が、キリストたるイエスが人類の原罪を背負うことを通して新たな全人類救済の契約として結びなおされたとみなしています。だから、カトリックや正教会のような宗教改革以前からの伝統宗派では、旧約聖書の旧い契約も重要なものであるとみなしつつも、一般信徒が我流で旧約聖書を読みすぎて、旧い契約の思考回路にはまってしまうことを嫌ってきたんですね。旧い契約に関しては、知的なトレーニ ングを積んだ碩学の聖職者というフィルターを通じて知った方が無難だと考えられていたんです。 だから、欧米人クリスチャンのファーストネームになっているクリスチャンネー ム(洗礼名)には、もともと新約聖書の十二使徒やカトリックや正教会が認定した聖人にちなんだものが多いですが、旧約聖書の人名にちなんだものはほとんど 見られなかったんです。ところが宗教改革でプロテスタントが誕生し、各国語に翻訳された聖書が登場すると、プロテスタント信徒の間ではカトリック教会が聖 書にも出てこないのに勝手に制定した「聖人」の名前をクリスチャンネームに使うのを嫌って、旧約聖書に出てくるヘブライ人名を盛んに用いるようになっていったんですね。 英語圏や北ドイツのような新教国でみられるエイブラハム(アブラハム)、アイ ザック(イサク)、デボラ、レベッカ(リベカ)といったクリスチャンネームがそうです。 そういう意味で、アメリカの宗教右派と呼ばれる非常に層の厚い人たちは、旧約聖書をカトリック信徒や正教会信徒よりはもちろん、ヨーロッパのプロテスタン ト信徒よりもはるかに熱心に読んでいますし、それだけにユダヤ教徒と似たよう な形で旧約聖書の世界観、歴史観から影響をあまりに強く受けています。 今回、イスラエルとハマスの仲介に名乗りを上げたのがカトリック国で、しかも 革命以来、公的分野のうち政府の関与する部分から宗教色の排除に努めてきたフ ランスであったというのは、非常に示唆的です。つまり、彼らは旧約聖書の語る歴史観をよく知りながらも、そこから一歩引いた形で事態を眺めることの容易なポジションにあるのです。 ここから日本がパレスチナ問題にコミットしていく戦略のヒントが読み取れます。日本はキリスト教国ではなくキリスト教徒も人口の1%程度ですが、キリスト教、ユダヤ教の知識は比較的容易に得られる環境にあります。また少数派であることもあって、他宗教に対して欧米人と比べて感情面で寛容で、キリスト教以外の宗教に偏見の少ない信徒が少なくない。アフガニスタンで活躍しているペ シャワール会の中村哲医師がいい例です。つまり、その気になればフランスに匹敵するような恵まれたポジションを生かせる立場にある可能性を、日本は秘めているのではないでしょうか。 |
コメント まったく次元が低い話しで恐縮ですが、若い頃に報道写真の先輩カメラマンから、「外国で信じる宗教を聞かれたら、絶対に無宗教と答えるな」と言われたことがあります。外国では無宗教という人間は理解できないからだそうです。人間扱いされないと言われました。 イスラエルでは政府高官から「宗教」を問われました。私の祖父が田舎の神社の神主のようなことをしていましたので、「神道(シント・ニズム)」と答えると、「旧(オールド)か新(ニュー)か」と聞かれました。そのとき父の本棚に「旧神道」というタイトルの本があったのを思い出し、「オールド シント ニズム」と答えました。次ぎに「どのような時に神に祈るのか」と聞かれました。「苦しい時や困った時」と答えると、そばにいた日本人はニヤニヤ笑っていましたが、その政府高官は満足そうに大きくうなずいていました。 しかし宗教の影響力って大きいですね。独裁者が最後は自分(あるいは周囲が)を神に近づけようとする気がわかります。 もう一度、エルサレムには行ってみたいですね。エルサレムの遺跡では人間の歴史、民族、文明、宗教を強く感じました。これからもよろしくお願いします。 |
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ユダヤ人・パレスチナ人・ガザについて。(1月7日) |
届いたメール 神浦元彰さん ご無沙汰しております。北海道札幌市の000です。 後にペリシテ人は民族集団としては土着のカナン人に同化して消滅してしまい、カナン人は航海民族フェニキア人として後の歴史に名を残すことになります。 |
コメント お久しぶりです。お元気でしたか。 もう25年前の頃ですが、何度か、イスラエルで政府高官(ハイレベルな知識人)と話し合ったことがあります。まだパレスチナ自治区が出来る前で、ガザやヨルダン川西岸はイスラエルの占領が続いていました。その時、彼らの会話の中に、何度も聖書(旧約聖書)の話しや、紀元前(DC)の戦争の話しが出てきました。ちょっと日本人とは歴史認識の方法が違うと感じました。 ちょうどこのメールを読んだあとに感じたような感覚です。おそらく私はこのメールの半分(あるいは2/3)も内容が理解できないと思います。しかしイスラエルではこのようなことが普通の市民が、お茶を飲みながら語り合っているのですね。 しかしイスラエルでは常識であっても国際感覚では常識にはならなと思います。どうすればイスラエルとパレスチナとの憎しみの連鎖を断ち切ることができるか。パレスチナ問題をアメリカやヨーロッパに任せていないで、日本人の我々も真剣に考える時がきたようです。 |
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イスラエル軍がガザ侵攻で使った白燐弾のこと。(1月6日) |
届いたメール 神浦さん ガザ侵攻に反対している者です。 イスラエル軍のガザ侵攻のテレビ報道で、花火のように何かがパラパラと炸裂する爆弾のようなものを見ていて、ずいぶんと気になっていました。 クラスター爆弾のように見えて、ちょっと違うなと思っていましたが、あれが白燐弾なんですね。驚きました。噂は聞いていましたが、映像で見るのははじめてです。 情報を公開されたこと、感謝しています |
届いたメール 神浦さん お休み中は骨休めが出来ましたか?
今年も無理せずのびのびとご活躍されることと思います。 http://www.abysshr.com/mdklg019.html
既にご覧になっているかもしれませんが。なんとも残酷な兵器ですね。
日比谷公園派遣村のニュースといい、白リン弾の件、正月気分もどこへやらで寒々とした気分の新年を迎えました。
私は、今年還暦(!)を迎えますが、あまり自覚がありません。
同級生を見渡してもどうもそういう自覚のない人がほとんどです。 昔、自分たちの子供だった頃の還暦と今ではだいぶ違いますね。 |
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届いたメール 神浦さん いつもサイト拝見しています。 このガザ殺戮と日比谷公園の派遣村という事件が、今年の初めになったのは 象徴的な気がします さて、こちらのBBC動画の冒頭で出てくる兵器ですが↓ http://jp.youtube.com/watch?v=-q3LDg2tlvA これが、神浦さんのお書きの白燐弾なのでしょうか? 一部では、この映像がクラスター爆弾と誤解されているようです 確かにイスラエルがクラスター爆弾を使用したという報道もあるようですが… |
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コメント あれはクラスター爆弾(「砲弾)では絶対にありません。空中で炸裂して地上に降り注ぐので誤認したと思います。 映像では火の玉が数十個に分かれていましたが、地上付近ではさらに細かく分解し、霰(あられ)が降るように落下してくると思います。その一つ一つが高温で激しく燃焼し、体内に入っても白燐の燃焼が続きます。 世界で最も人口密度の高い難民キャンプといわれるガザの市街地で白燐弾を使うことは残忍極まりない行為と思います。ガザ市街では断水が起き、電気が止まり、食糧や飲料水にも困っていると聞きます。パンを買うためにパン屋の前に並んだ人々の頭上に、燃えた白燐が降り注ぐことを想像するとゾーとします。 イスラエルは市街地で白燐弾を使用したことで世界中の世論を敵にまわしたことになります。かつてナチの虐殺を体験(アウシュビッツ収容所)したユダヤ人がどうしてあれほど残忍なことができるのか不思議です。 もはやイスラエル政府が主張する「ハマスのロケット攻撃から自衛するため」という主張は、自らの行為で正当性が失われました。あとはパレスチナとの憎しみの連鎖が深まるだけです。 |
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「中国、空母6隻の保有目標」スイス誌報じる。(12月30日) |
届いたメール こんばんは。 色々の話がでている中国空母ですが、6隻保有という記事がありまして、ローテーションを考えた隻数を考えているんだと感じました。 実際スイスの原文を読んでいないのでなんとも言えませんが、隻数が現実だとすれば、日本にとってはかなりの脅威なのではないかと。 神浦さんは、中国は脅威にはならないという論調で語ることが多いように感じますが、台湾と平和裏に統一し、アメリカとは米国債を支えつつ政治的にイニシアチブを握り、統一朝鮮(もしくはそれに近い関係)が登場するとなると、統一中国、統一朝鮮の仮想敵国は日本以外にない、もしくは日本以外を敵に仕立て難い状況になるのではないでしょうか? アメリカとは戦争は出来ないでしょうが、日米を乖離させ日本を孤立させれば、日本と戦争をしても アメリカは政治的にも経済的にも中国に楯突く事は出来ません、中国と対立してまで日本と軍事関係を保つとは思えませんし、武器、兵器を日本に供給し続けるというのも危うい状況なのではないでしょうか?(F−22も絶望的です) 米中が緊密化していけば、日本にアメリカ軍を駐留させる必要は思いやり予算と、一時的に駐留するような空の基地以外必要ないわけで、相対的に日本の重要性は下がるでしょう、そんな状態でアメリカは日中紛争、もしくは戦争時、日本側につくとは到底思えません。 中国が空母を持とうとしている理由はアメリカには政治的に利用しつつ、アメリカとは対立を避けつつ、日本とは尖閣を支配下に置きつつ、真剣に戦争を想定しているように思えてなりません。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー (神浦・・・・これは同氏の2通目です) たぶんチェックはされているとは思いますが、ねんのため昨日メールでおくった関連記事です。
複数の軍や造船会社の関係者が明らかにした。また、遼寧省の大連港に係留されている旧ソ連軍の空母ワリャーク(6万トン級)が近く改修を終えて訓練用に就航する見通しで、艦載機パイロットの養成も始まっている。 最近、黄雪平・中国国防省報道官が建造に前向きな発言をしており、各国の関心が集まっていたが、計画の全容が明らかになるのは初めて。空母の配備で中国海軍の洋上戦闘能力が高まれば、東アジアの軍事バランスに大きな影響を与えるとみられる。 中国軍は08年秋までに「大航空母艦計画」を作成し、海軍総司令部内に専門部署を設けた。原子力ではなく、通常推進型となる。広東省湛江に司令部を置き南シナ海を管轄する南海艦隊に配備される予定で、海南島三亜に専用の埠頭(ふとう)を建設している。艦載用にロシア製戦闘機スホイ33を約50機購入する。 上海市当局者によると、上海市郊外の長江に浮かぶ長興島には、世界最大規模の造船基地が08年秋に完成した。
4カ所ある大型ドックのうち1カ所が空母建造用。造船会社関係者の話では、電力制御システム関連の部品はロシアから輸入するほか、国内の軍事関連企業に発注した。これらの調達が順調なら空母の工期は2年短縮される。 一方、大連港にあるワリャークは旧ソ連時代に7割ほど建造されたもので、98年にマカオの観光会社が買い取り、02年から海軍と関係が深い大連の造船会社が改修していた。電気系統のトラブルなどがあったが、このほど訓練用として完成のめどが立った。 大連には、発着に高度な技術が求められる艦載機パイロットを養成する学校が設立された。07年からウクライナ・オデッサの海軍航空部隊トレーニングセンターで学んだ中国海軍幹部が講師となり、選抜された約50人を訓練している。ロシアなどからも講師を招いているという。 海軍少将の一人は朝日新聞の取材に対し、中国の中東からの石油輸入が増えているためマラッカ海峡やインド洋のシーレーン防衛を空母の任務に想定していると明らかにしたうえで、「米国が保有するような10万トン近い大型空母ではなく、脅威にはあたらない」と強調した。 中国軍にとって空母は海軍力強化の柱だ。まずは沿岸を米国の脅威から守るための緩衝地帯を広げ、海洋権益を確保する意味合いが強い。西太平洋海域に展開する海洋国家を目指す戦略の第一歩といえる。 |
コメント 先進的な国では、これからの最先端の軍事技術は、軍事革命(Revelution in Miltary Affair)に沿ったものになります。中国が軽空母を配備しても、平時に砲艦(訪問)外交を行うくらいで、有事には港湾(母港)から外洋に出ることはないでしょう。瞬時に撃破されます。 中国の空母を勝手に想像して、中国が西太平洋に支配権を確立するためと騒ぐことが、中国にとっては理想的な反応を得られるということです。日本が中国のバカな戦略にお付き合いする必要はありません。 海自が中国の軽空母と交戦する図演・・・・・・・・・を想定してください。陸自も沖縄などの南西諸島の島嶼防衛を想定した部隊と兵器(対地/対艦・巡航ミサイル)を、わざわざ遠い北海道に創隊させることもできます。地域のミリタリーバランスです。やはり中国の軽空母建造は現代の大艦巨砲主義の再現です。 |
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ソマリア沖の海賊に海自派遣について。(12月28日) |
届いたメール 00と申します。 いつもこの神浦さんのサイトを読ませてもらっています。 膨大な情報と的確な内容なので、驚きながら読ませています。 本当に勉強になります。 神浦さんは、海賊対策で、ソマリア沖に海保の派遣を唱えていますよね。 然し、現在海賊対策でソマリア沖に派遣している殆どの国は、海軍艦艇を派遣しています。この事実をご存知でしょうか? 仮に警察組織の海保をソマリア沖に派遣したら、どうなるでしょう? ほぼ海軍だけが活動しているソマリア沖に海保巡視船等を派遣して、日本船舶の護衛や海賊船の取り締まりをしたとして、果たして上手く行くでしょうか? また現地では、常に空中・海上・水中テロの脅威に備えなくてはならないし、CTFの指揮下に入らない場合でも高度な情報をリアルタイムでリンクさせておかなくてはならないと思います。 然し、軍事組織の海軍と警察組織の海保では、通信一つを取っても全く異なります。 巡視船の燃料補給にしても、一々港に帰って補給し直すのはでは、哨戒に大きな穴を開けかねないと思います。 そもそも他国海軍との連携は、100%無理でしょう。 それに軍事組織との一体化とも成りかねない活動は、海保法25条に抵触する恐れがあります。 あと、下記の二つの書き込みは、矛盾していませんか? 海自はダメで、海保なら武器使用での海賊に対する脅しはOKというのは、凄く可笑しいと思います。 それに海保航空機に機銃等の武器搭載は、航空法により厳しく規制されています。 海保内部には、海保を警察組織から準軍事組織又は、軍事組織に相当する組織に昇格させることを目論む危険分子が存在すると聞きますが、まさか神浦さんは、関係していませんよね? やはり海保は、今後も純然たる警察組織として、存在するべきです。 今回の海賊事案に関しても、海自に対するみっともない対抗意識を捨て、警察組織としての本来の任務だけをしていれば良いのです。 今回のソマリア沖での海賊事案に対する警察組織としての海保の役割としては、海賊との癒着が囁かれているイエメン等の現地海上警察組織(沿岸警備隊)の体制建て直しや装備品の提供や訓練指導に力を注ぐべきだと思います。
11/14 >搭載している武装も強力で、35ミリ連装機関砲、20ミリ機関砲が「しきしま」の甲板に設置してある。 >また搭載ヘリのスーパーピューマ(2機)には、床に防弾板が敷かれ、テロリストが撃つ自動小銃の弾が機内に飛び込むのを防いでいる。>またこの搭載ヘリには機銃を搭載できる能力があり、7,62ミリの機関銃で上空から海賊船に銃撃を加えることもできる。 11/15 >その海域に海上自衛隊の護衛艦を派遣し、海賊を銃や砲で脅してどのような効果が期待できるというのか。また、果たしてそのような強圧的な手段で極貧から救うことができるのか。 |
コメント ソマリア沖の海賊退治に各国は海軍艦船を出せという規定はありません。海賊退治が目的なら海上警察(海保)の取り締まり船でも可能です。 海上での艦船の通信も、国際VHFや国際船舶電話を使った通信で可能だと思います。高度な戦闘に必要な専用通信回線に接続する必要ありません。中国、ロシア、インドの艦船が行っているのです。今回の海賊退治はCTFの指揮下には入らないと思います。だから海自が出している護衛艦(輸送艦の護衛)が使えないのです。 各国が海賊退治で海軍艦船を派遣しているのは、海賊に対して十分な攻撃力を持つことで圧倒する威嚇があります。子供のたき火でも消防自動車を向かわすようなものです。それに参加した各国の砲艦外交という事情があるのです。中国海軍は初めてのアフリカ沖治安維持活動に参加したことを国際社会に見せたいのです。 とにかく日本の政府は海上自衛隊をソマリア沖に派遣したくてたまらないのです。国際的な海賊問題への対応といえば、日本の海保が着々と実績を積み上げてきました。それがマラッカ海峡周辺での海賊対策です。それを捨てることなく、ソマリア沖の海賊対策に生かせばいいのです。すぐという効果は期待できませんが、3年、5年、7年となれば、大きな成果が期待できると思います。 それから私は軍事(海自)と警察(海保)の区別はついています。海保を軍事組織にすることなどバカげています。しかし有事には海保が海自の指揮下に入ることはあると思います。米海軍と沿岸警備隊の関係のようにです。それでも担う役割は同じものにはならないと思います。 スーパーピューマヘリの軍事武装化については自分で調べてみてください。そのことが必要な経緯があり、そのような対策がなされたことをです。ただ多くの人が知らないことなのです。これは違法ではありません。 2つの記事についていえば、11/14は武器の威力について述べたものです。もし海賊が徹底的に攻撃してくれば、海保の側でもそれくらいの応戦が出来るという意味です。11/15に記事は、山賊や海賊をすべて殺しても、山賊や海賊を生んだ貧困を解決しなければ、海賊問題を解決したことにはならないということです。 |
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今年も一年お疲れさまでした。(12月27日) |
届いたメール 埼玉の00と申します。 以前メールした事がありますが、 私も神浦さん同様フリーランスで、子供二人を妻と交代で面倒見ている共稼ぎ夫婦です。 おかげさまで上の子が5つ、下が三つになりました。 今年も一年毎日拝読いたしました。ありがとうございました。来年も毎日更新を楽しみに待ちます。 もう何年も前からこのHPを見ていますが、TBSのアクセスを聞いても、テレビを見ても、神浦さんが出ていると身内・親戚のように親近感を感じますね。これもインターネットのいいところかもしれません。毎日HPを見ているから(勝手に)友人のように感じています。 来年は北朝鮮にも何かある、そしてアメリカも新しい体制になる、という事で本当に日本が自分達でどうしたいのか?というのを考えなければならない年になるのではないかと思います。 半島絡みの問題がここまで時間がかかったのは論外ですが、日本人が得意なのは助け合いですから、半島に何かあれば民衆目線で良いことができるのではないか、と期待しています。 神浦さんの非戦、反戦のスタンスで軍事を語るというのはクールだと思います。 来年もご活躍を期待しております。 ではよいお年を。 |
コメント 頂いたメールを読んで「やっと今年も終わった」と感じました。私の方こそ「読んで頂き、ありがというございました」です。5才と3才の二人のお子さんですか。子育ての大変な時期だと思いますが、それだけ楽しいことも一杯です。私の子育ての時期でも一番楽しかった時ですね。今でも当時の写真を見るだけで楽しくなってきます。 今日は午前9時から今日のWhat New を書きました。10時半から年賀状の表(住所)を刷って、12時すぎに近所の散髪屋の予約をしています。午後2時頃からベランダの窓ふきと風呂場の大掃除をして、夜は我が家で湯豆腐だと思います。 昨日は書斎の大掃除をして、大量の本や雑誌を捨てました。そのためか書斎が今日はいつもより広く感じています。 来年は北朝鮮の崩壊や、アフガン和平など、国際環境が大きく変化する年になると思います。私はオバマ米時期大統領に期待しています。彼がどのように世界を変えるか。それを見届けるのが楽しみです。 それから私事ですが、来年は私の還暦(60才)です。人生再出発ぐらいの気持ちで頑張る気になっています。 それでは、よいお年を。来年もよろしくお願いします。 |
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護衛艦に海上保安官を同乗させて海賊対策ですか?(12月26日) |
届いたメール 神浦さん、おはようございます。今朝の産経新聞の記事に変な記述を見つけました。 <また、一義的に海上での治安維持を担当する海上保安庁との連携を強化する <ため、日本で海上保安官を(護衛艦に)同乗させて出航する。武器使用につ <いては、警察官職務執行法を準用し威嚇射撃や海賊側と同程度の武器で <の応戦を認める。(記事の引用です) これって、戦車に警察官を乗せて市街地をパトロールし、犯罪をおこなう者には、その犯罪者と同程度の武器で応戦するという意味ですよね。こんな実例って有りですか。 このような海賊対応案を政府が検討中と書いてありました。日本という国はおかしなことを考えるものですね。神浦さんなら、この件をどう思いますか。お考えを教えてください。 |
コメント 確かに冗談だろうと思うような考えですが、本当にそのような検討が行われているようです。私が初めてこのことを聞いたのは先月中旬ですが、海上保安庁の関係者から聞きました。その時の話しでは、護衛艦が海賊船に出会っても”威嚇”以外に何もできないので、海賊への武力行使は同乗の海上保安官が行うものという説明でした。 そんなことが出来るのか? これが正直な感想でした。空自の複座の戦闘機に警察官一人が乗りこみ、機銃を撃つボタンは警察官が押すというようなものでしょう。いくら何でも奇妙すぎませんか。そんな奇妙なことを誰が考えつくのか気になります。 今までにこんなアィデアが出てきたのは、自衛隊を海外に派遣させるために外務官僚が考える姑息な策謀の時でした。今回もそうな気がします。これを政府で大まじめに議論するのですから、本当に日本って不思議な国だと思います。 要は、泥縄です。今まで海賊対応に本気で準備や検討をしていなかった。しかし中国がアデン湾に海軍艦艇を出しと聞いて、一度は捨てた海上保安官を護衛艦に同乗させる案を焦って出してきた泥縄案です。こんなことしたら日本の防衛体制の内部矛盾を拡大させるだけです。 |
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93年10月のソマリアのモガディシュの戦闘にはテクニカルは登場していません。(12月26日) |
届いたメール 「ブッラクホーク・ダウン」の映画にはテクニカルが登場しますが、原作のドキュメンタリー本には書かれていません。
(神浦・・・・下段のメールの件です) |
コメント 90年代後半にNHKが製作した現地ドキュメントでは、モガディシュ市街でテクニカが何度も映っていました。その映像と重なったのだと思います。そのNHKドキュメントでは米兵に家族を殺された少年が、「アメリカ人の観光客がソマリアに来れば殺す」と話していたのが印象的でした。 |
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改造されたものはテクニカルです。(12月25日) |
届いたメール 先日の写真展ではお疲れ様でした! ランドクルーザーというよりも、ピックアップトラック一般が兵器として 転用されており、そのうちの代表的なものがトヨタのランクルや ハイラックスサーフである、とのことです。 (神浦・・・本日のWhat New で民間用車両を武装化したものです)。 武器として改造されたピックアップのことを、最近では一般に「テクニカル」 と呼ぶそうです。 http://ja.wikipedia.org/wiki/テクニカル では。 |
コメント ソマリアの惨事を描いた小説の「ブッラク・ホーク・ダウン」(映画化)でテクニカルが盛んに登場していましたね。ピックアップトラックの荷台には対空連装機関銃なってものもありました。 私が初めて見たのは30年頃前の南部レバノン地区で、キリスト系ゲリラ(親イスラエル)がトヨタのランクルに12,7ミリ機関銃(M2)を搭載していました。装甲はありませんが、奇襲の火力は十分に期待できる様でした。 その当時はまだテクニカルという言葉は聞きませんでした。アフリカの内戦あたりから出てきた言葉ではないでしょうか。 |
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神浦さんは日本テレビの軍事問題の解説者ですか。(12月24日) |
届いたメール 神浦さん、こんにちは。今日は神浦さんにお聞きしたいことがあります。 以前から気になっていたのですが、神浦さんは日本テレビと専属契約を結んでいるのですか。今月号の「航空情報」誌でも神浦さんのことを「日本テレビ軍事解説者」と書いてありました。 私が神浦さんを見るのは、テレビ朝日やTBSテレビのほうが多いので気になっていました。もし日本テレビと専属契約を結んでいるなら、神浦さんが他局の番組に出演してもいいのですか。 若干、神浦さんのプライベートなことと思いますが、気になるとますます気になってきます。神浦さんが暇な時にでも教えてください。 言い遅れましたが、「よいお年をお迎えください」。今年はお疲れ様でした。来年も神浦さんのHPに期待しています。 |
コメント もう今日はクリスマス・イブなのですね。カミさんから、夕方、フラド・チキンを買いに行くように言われています。今夜はTBSテレビの「あの戦争は何だったのか。日米開戦と東条英機」を見ながら、チキンを食べ食べ、ワインを飲むつもりです。 そこでご質問の件ですが、私は日本テレビと専属契約を結んだことはありません。日本テレビだけでなく、他の民放テレビやラジオとも専属契約を結んだことはありません。私もよく日本テレビの解説者と言われることがあり不思議な気持ちです。 思いあたることと言えば、01年の米国同時多発テロの時、約2ヶ月間ぐらい、毎日、日本テレビの朝のズームインと、夕方のニュースプラス1に出演したことがあります。それも契約したのではなく、「2週間スケジュールを押さえさせてください」「もう1週間スケジュールを押さえさせてください」とそれぞれの番組の担当者から頼まれ、ズームインは朝5時頃に局入りし、朝8時すぎには終わっていました。ニュースプラス1は午後3時に局入りし、7時頃には終わっていました。この時間帯は、テレビに出演しないときにもニュースが飛び込んで来るので待機しています。 01年の米同時多発テロのあとに、すぐにアフガン戦争が始まりましたから、日本テレビの露出時間が長くなったと思います。 それ以外の時間は、他局の番組出演やインタビューに応じていました。ですから日本テレビと専属契約ということではありません。たまたま同時多発テロの時に、日本テレビの出演が多かったので誤解されたと思います。 私は若い頃からいろいろなテレビ関係者にお世話になっています。特に海外取材では事前にテレビ番組から取材費をもらって行っていました。そのため特定の局と専属契約をすれば、今まで他局でお世話になった方に恩返しができません。それが専属契約が出来ない理由です。 |
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防衛装備品についての会計検査院報告です。(12月23日) |
届いたメール 神浦さん。00@000です。 12月21日にご紹介のあった「防衛省・装備品 国際相場の50倍で調達」の記事のもととなった会計検査院報告がネットに上がっています。 http://www.jbaudit.go.jp/report/all/pdf/0403-01.pdf 米国国防省の「FLIS」についての言及は、このpdfファイルの14頁目にあります 。 それにしても、自衛官たちがイラクで本当に「命張っている」のに、内局のこのだらしなさは、どういうことか。本当に防衛利権こそ、亡国の所業ですよね。 米軍は、90年代から「マネジメントの近代化」を一生懸命やってきており、それは経営学の教科書に載っているほどです。 FLISなんてのは典型的にそうで、それまで基地基地でてんでんバラバラに調達していたものを一括購入することによりコスト削減と 「装備の共通化」を図ったものです。 その際、米軍の基地というのは地理的にべらぼう に互いが離れていますから、「IT」の活用できたことが大きい。 考えてみれば当たり前のことですが、補給のコストが下がるということは「継戦能力」 の向上と直結するわけで、「いつも戦争中」の米軍が「調達コスト」に敏感になるのは当然です。 「戦争しない軍隊」は、そういうところで堕落するわけですが、それをいつ までも許していてはいけません! |
コメント 「このHPをやっていて良かった」と思うことが度々あります。今回のようにこのようなデータを教えて頂いた時も「良かった」と感じました。貴重なデータをありがとうございました。私一人ならこのデータと出会うことがなかったと思います。 さっそくプリント・アウトして赤線を引き引き熟読します。 今まで防衛利権のことを見聞き(有効射程以内)しても、「しょうがないなぁ〜」とぐらいに軽く考えていたと反省しています。まさに亡国の所業でした。「日本防衛の敵は防衛省内に在り」でした。東京地検・特捜部や会計検査院が何度切り込んでも、切り崩せなかったほど強い敵です。 しかし放置していれば、日本の防衛は食いつぶされてしまいます。私たちは微力であっても防衛利権や防衛汚職の告発を続けることが大事と考えています。 追伸 今、プリントしたものを読んでいますが、まさに教科書のように丁寧に説明してあります。これを少しでも多くの人が読んで欲しいですね。 |
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北朝鮮で金正日暗殺計画が摘発されましたが。(12月22日) |
届いたメール 神浦さん、お久しぶりです。2年ぐらい前にソウル(留学中)からメールを出したことがあります。今は帰国して民間シンクタンクで研究員(経済関連)として勤務しています。 神浦さんにお聞きしたいことは、最近の北朝鮮のことです。神浦さんもご存じだと思いますが、北朝鮮で盛んに金正日の動静に関する報道が連日行われています。 先日は、暗殺計画があったとして首謀者逮捕まで報じています。北朝鮮のような国で金正日の暗殺計画があったという報道自体が異常な感じがします。 日本や韓国のメディアでは、このような北朝鮮の報道は内外の金正日重体説を打ち消すためと伝えています。金正日が各地を視察したというだけでなく、暗殺未遂事件まで報じる必要があるのでしょうか。 もし差し支えなければ、神浦さんのお考えをお聞かせください。 今年も残り少なくなってきました。この1年間、神浦さんに教えて頂いた軍事知識が大変役にたちました。ありがとうございました。来年もお体に気をつけてご活躍ください。応援しています。 |
コメント あの暗殺計画は、韓国の拉致被害者(団体)が北朝鮮の保衛部職員に依頼して、韓国人行方不明(拉致)者の調査を行っていた人物と発表しました。それを北朝鮮当局が金正日・暗殺計画と発表したようです。すでに保衛部員は処刑(銃殺)だそうです。 これは内外向けでも外国向けではなく、北朝鮮国内の人心を引き締めるための世論操作だと思います。外国(韓国)から暗殺者が侵入しているという危機感のためです。 それに私は内外むけというよりも、国内向けの報道を重視しているように思います。静止画(写真)だけでは信頼性がないといっても、静止画だけを公表することで外国の評価が変わることはありません。それよりも、北朝鮮国内で金正日重病説が広まってきたための対策ではないでしょうか。 外国では北朝鮮当局に対する不安(不信)が解消するより、より健康説に疑惑が深まっているように思います。それも間もなく明らかになると思います。5カ国の北朝鮮への援助が細くなって、支配体制の末期症状が進みます。北朝鮮が崩れる時は、本当にあっけないほど簡単に崩れます。 |
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防衛利権を告発するNGOに期待します。(12月21日) |
届いたメール いつも貴重な情報をありがとうございます。 |
届いたメール はじめまして 倉敷の61才男です。6年間毎日拝読して勉強しています。 かねてより「日本が独立国でありますように・・」と願い続けて、そうでないのは国内に利権屋たちのような政・官・財の跋扈を知らずにいるからではなかろうか、と思ってきました。
お説の NGO を応援したいのですが手段がありましたらお知らせください。 |
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コメント 日本の防衛政策は何が原因でこんなにも動きが取れなくなってきたのか考えました。外務省の乏しい軍事知識なのか、アメリカ政府の圧力なのか、それとも防衛行政の利権体質なのかと考えました。やはり一番問題なのは、調達実施本部の水増し請求問題や、守屋前事務次官のような利権体質から抜け出せないことが最大要因のように考えることが多くなりました。 しかしこれは反自衛隊的な視点ではなく、逆に自衛隊の体質改善のために行うもので、現職やOB隊員の協力を得てできることと思います。私の周囲にも防衛利権に怒りを感じている元隊員は多くいます。 今日のWhat Newでも取り上げましたが、自衛隊の装備品の調達価格が適正価格(公開値)の50倍です。200万円の車を1億円で買うような非常識です。それを「装備品の価格は複雑で単純比較はできない」(防衛省装備施設本部装備政策課)という感覚です。 防衛省に自浄作用ができないなら、外部から圧力を加えるしかないでしょう。そうしなければ日本の防衛はガタガタに壊されます。 幸い、友人にNGOやNPOに詳しいものがいます。彼らに相談し、協力を頼んでみます。とにかくこれからは情報が必要になります。皆さんの地方紙などに載った関連記事があればFAXで送ってください。 |
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米軍のグアム移転の現状。(12月18日) |
届いたメール 00000ジャパンの00です。 グアムに不動産を持つ身としては、米軍のグアム移転問題はいつも関心のあるところです。
今日の記事にあったような、米軍再編で日本政府が負担する経費を、徹底的に調査・追跡するNGOを立ち上げるのなら、私もメンバーに加わりたいと思っています。
なぜなら、グアムのエネルギーは全て輸入した油でまかなっています。石油価格が上がれば、即、街のガソリンスタンドの価格は上昇し、停電も突然起こります。近頃は水道代が信じられないほど上昇しています。
インフラの整っていないグアムでは、高層マンションを計画しても、電気水道、ゴミ処理の問題で許可が下りなくなっていましたが、不動産や建設業界の圧力で、グアム政府も仕方なくゴーサインを出したようです。
しかしウォンの急落で、韓国資本の元気が無くなり、工事は計画のまま、ストップしていいます。ナイトスポットの目玉だったドッグレース場も閉鎖になり、明るい話は少なくなりました。
グアムの移転問題は、米軍とだけ話し合って解決する問題でないのです。ビザの解禁で、いずれ中国からも大量の観光客がなだれ込んで来ます。グアム政府と米軍、日本政府の足並み揃えた話し合いが無ければ、沖縄の二の舞になる危険性をはらんでいます。
そうならないようにするには、ソーラーエネルギー、風力発電の最大活用。海水の淡水化装置、ダイオキシンを発生しない焼却場。大規模な汚水処理場など、今の日本の技術を効果的に活用することです。
グアムの南部には、まだ旧日本軍に反感を持つ部落もあると聞いています。観光客だけでなく、インフラにどれだけの資本注入ができるかによって、真の日本の価値が問われるでしょう。
日本の優秀なゼネコンには、米軍や日本政府、グアム島民に対しも、モデルケースになるようなプレゼンテーションを期待したいものです。
防衛利権を生む背景には、軍事問題に頬かむりしてきた我々にも問題があります。
グアムからの現地情報、これからも続きます。 |
コメント 米軍がアジア戦略でグアムの拠点化(米軍再編)を決めたことで、グアムは軍事基地の島としてインフラが整備されると思います。確か上下水道の整備はもちろんですが、火力発電所の建設も計画にあったように記憶しています。島全体を作り替えるぐらいの変化が起きると思います。 日米ともに、グアムの軍事利権に群がる者たちは、これからのビッグビジネスに蠢いていると思います。グアムの経済も軍事関連で支配されるのではないでしょうか。グアムは島の規模が小さいので今の沖縄との比ではありません。 グアムに住む人はそんな変化を知りませんから、これから大変な変化を体験することになると思います。これからもグアムの現地情報に期待しています。 |
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「ブッシュ大統領に靴投げつけ」の意味は?。(12月17日) |
届いたメール 神浦さん こんにちは。 昨夜、日本でもTVの各チャンネルで「記者会見で、イラク人記者に靴を投げつけられるブッシュ大統領」の映像が流されましたが、これは軍事の目、外交の目で見ればどう分析すべきでしょうか。 靴で殴る、踏みつけるなどの行為が、6年前のバグダット陥落映像でも見られた「フセインの銅像を草履で叩き続ける一般市民」(勿論、心理戦目的などで偽装した中東系アメリカ人のCIA要員等も混じっていたとは思いますが)のように、中東では相手への最大限の侮辱と見られることは明らかです。 これが、まだ歴史的には「戦勝国の指導者」か「敗軍の将」か評価の定まっていないブッシュ大統領に対し行われたのは、アメリカ軍のイラクからの撤退が「戦略的後退」「名誉ある撤退」でなく「敗戦」となったからだと見て正解でしょうか。 もう完全に勝者、敗者が決まった構図というのは、満州や樺太、東プロイセン、ズデーテン、当該敗戦国本土での、その後の凄惨な過程を見ても判るように非常に残酷なものです。 この中で犯人を英雄とし、即 時釈放を求めデモ行進を行うイラク人たちに、現代日本の「良心的な」「普通の」価値観とは微妙に異なった、戦争慣れした人々ならではの「文法」を感じ取ることができました。 日本とは事情が違っても、計算高いな、と思うんですよ。 オーストリア皇太子暗殺やガンジー暗殺のよ うに本物の拳銃、爆弾など使ったら「犯罪」と見られ敵の報復も招きますが「もう、俺たちは勝ったん だ」と歓喜し「もう、お前らの時代は終わったんだ!」と古典的なロボット漫画に出てくるような舞台設定で勝どきを上げる、大啖呵を切る、全然悪いことじゃないという思考は当然とも感じました。 「確信犯」は、法律、学術用語などで正確な定義のそれではないとも思いますが、正しく往年の「ヤミ米城」「自己告訴」のように「確信犯」の勝ち誇った満足のようなものを取り押さえられたイラク人記者から見ることができました。 今後、米軍は日露戦争でのロシア軍、スエズ戦争での英仏軍のように、「名誉ある撤退」でなく「敗者」と しての「石もて追われる」敗戦を迎えるのでしょうか。それでももっと悲惨な民間人の「引き揚げ」が ないだけアメリカはまだ運が良いとも感じるのですけどね。 正規戦から非正規戦に主流が移っても、「歴史は繰り返す」だな。と正直考えました。 あれはとても衝撃な映像だったので、感想としても散漫な文になりました。 |
コメント これからブッシュ大統領に代わり、オバマ新大統領になると、米軍のイラク撤退の意味づけが重要になります。米軍は徹底的に敗北での撤退という言葉を嫌うでしょう。アメリカの大統領が代わって対テロ戦争のやり方が変わったから撤退するという言葉にこだわります。 むかし、ベトナム戦争で激戦のケサン攻防戦を戦った米海兵隊の指揮官(大佐)にインタビューしたことがあります。彼はベトナムで米軍が負けて撤退したという言葉を嫌い、最後まで「大統領が帰って来いと言ったから撤退した。もう一度ベトナムに行けと言われれば行く」と話していました。 そのような視点で考えれば、靴を投げたという行為よりも、中東の各地で「彼を英雄と称える」デモが起きたことが深刻です。この事件を受けて、ワシントン・ポスト紙は「今回の中東訪問はすべて台無しになった」と書いたそうです。これで明らかにブッシュ大統領の対テロ戦争は敗北したと思いました。 あの靴がブッシュ大統領の顔面に命中していれば、ブッシュ大統領に同情する人が多いかもしれませんが、私は本当に当たらなくてよかったと考えました。もし命中していると、英雄デモが反米の大暴動に発展した危険がありました。 これからイラクの駐留米軍撤退を、いろいろと言い訳をつけて延長したり、一部残留論などが出てくると思います。でも、イラクの治安部隊を訓練するため、米軍の一部を残すなんて出来ません。それこそ全員が殺されます。仮に、イラク国民の3/4が米軍の一部駐留延長に賛成し、1/4が反対しても駐留延長は出来ません。その1/4に米軍が襲撃されます。賛成の3/4は米軍を守ってくれないのです。このあたり軍事常識が一般常識と違うところです。軍事の世界は多数決ではないのです。強いものが弱い者を支配する世界なのです。 |
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最近、メールの掲載が少ないですね。(12月16日) |
届いたメール 神浦さん、こんにちは。いつも神浦さんのHPを読むのを楽しみにしています。 ところで神浦さんのHPの面白さは、鋭い切り口の「What New!」と、読者の質問や主張に答える「メールにお返事」のコーナーだと思っています。 しかし最近、「メールにお返事」が更新されることが少なくなりました。これは神浦さんに届くメールの数が少なくなったのか、それとも神浦さんがお返事を書く時間がないからですか。 ただ通りすがりに読んでいるだけなのに、勝手なことを言って申し訳ありませんが、もし可能であるなら「メールにお返事」も更新をお願いします。 今年も残りわずかになり、年末も押し迫ってきました。今年1年間、いろいろと勉強をさせて頂いてありがとうございました。来年も期待しておりますので、ますますのご活躍を祈念しております。 |
コメント ありがとうございます。毎日、コツコツとHPの更新を続けていると、壁に向かって座禅を組んでいるような気持ちになります。皆さんに読んで頂くのは嬉しいのですが、それとは別に、自分自身が修行しているような気持ちで更新しています。 メールが届く数は田母神騒動の頃から少なくなりました。その原因は田母神騒動を意識して、自衛官に向けた記述が多くなり、普通の方だとちょっと違和感を持つからかと考えていました。でもアクセス数は減っていませんから、それなりに多くの方に読んで頂いていると思っていました。 これから年末年始にかけ、例年ならばメールの数も少なくなるし、アクセス数も減少します。元に回復するのは1月10日過ぎ頃でしょうか。やはり皆さんが公私ともに忙しくなるからでしょう。 私もこれから忘年会や大掃除など、体力勝負のイベントが目白押しです。ちょっと更新する時間が違ってくるかも知れませんが、できるだけ更新するように頑張ります。もちろんメールにお返事も更新します。 |
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在沖縄米軍に関する小沢一郎氏のコメントの件 (12月7日) |
届いたメール 神浦さん 毎日ごくろうさまです。 12月6日の”What's new"で取り上げられた民主党の小沢代表の「沖縄には大きな軍事力は不要」との談話には全く同感です。それについて、少し長くなりますが、私も話しをさせてください。 小沢代表は「米軍の極東でのプレゼンスが全く必要ないとは思わない が」とことわりつつ、「沖縄にそんな大きな軍事力は必要ない」と指摘し、「もっと両国(日米)で話し合い、沖縄の皆さんの気持ちを踏まえて解決する努力を しなくてはいけない」(『毎日新聞』12月6日付)と提起しています。 「沖縄にそんな大きな軍事力は必要ない」ということについて、神浦 さんは、沖縄の戦略環境の変化をわかりやすく簡潔に説明なさっていますので、解説として十分とは思いますが、1点だけで付け加えさせていただくと、日本本 土および沖縄駐留(配備)の米軍のグアムやハワイへの移駐はやはり中東・北アフリカをにらんだ布石、とくにインド洋上沖合いの米軍の最重要軍事戦略拠点 ディエゴガルシア基地の補強ではないかと考えています。したがって、米国・米軍は、北朝鮮はもちろん中国の「脅威」はさほど念頭に置いていないのではない でしょうか(中国の軍事力の台頭には注意を払いつつも)。そのように思えてなりません。 沖縄へ行ってタクシーに乗り、運転士さんに米軍縮小の動きの話をし ますと、大半の方が「米軍がなくなったらメシが食っていけなくなるのでは」と、心配を口にされます。さらに沖縄県民の多くが米軍駐留の見返りとしての軍用 地料や基地交付金、振興事業費などに「お世話になっている」という気持ちもあってか、「米軍基地はいらない」という本音を言えずに、歯ぎしりしているよう に感じます。しかし、「いつまでもあると思うな、米軍基地」です。 米軍(基地)が沖縄に居座り続ける理由について、基地問題を取り組 んでいる人びとの中にも、あたかも軍事的理由から、ととらえている方もありますが、これも神浦さんがご指摘なさるように「軍事(防衛)利権」が本質的なこ とであって、在沖縄米軍の軍事的必要性の論理は、利権をあさるやからの県民・国民をたぶらかす「マインドコントロール」という側面もあるのではないでしょ うか。 沖縄には本土復帰(1972年)から2008年まで、沖縄振興開発計画に基づく公共事業費が約9兆円(毎年約5千億円)投下されています。 これ これは私たちが納めた税金からです。その結果、道路、港湾、空港などのインフラの整備は進みまし たが、相も変わらず、失業率は全国一高く、一人あたりの県民所得は47都道府県の最下位で、暮らしは全く良くなっていません。なぜか。公共事業の事業利益 が本土資本に吸収されて、地場資本の蓄積や県民生活向上、自治体の財政の改善につながっていないのです。また、振興事業費、基地交付金は国のひもつきで使途が限定され(道路特定財源と同様)、さらに国の補助が他県は50%のところを沖縄は90%という高率補助というせっかくの特典が住民の必要な事業に向け られていないという問題もあります。 ではどうするか、です。沖縄振計の公共事業費は今、内閣府沖縄担当部局(旧沖縄開発庁)の予算として、他省庁の分も内閣府に「一括計上」されて、内閣府の仕切りのもとで執行されていますが、この予算執行権を沖縄県に移譲 させて(内閣府の縮小の行政改革となる)、県や市町村が主体的に生きた使い方をするようにすることです。沖縄は観光産業を軸にすれば、立派な自前の経済力 をつけることが可能だと思います。沖縄県民みずから自立する術を企画・立案し、実行していく、それに伴い、かさぶたがとれるように、米軍基地がなくなる、 つまり、基地の整理・縮小・撤去は、自立の努力と表裏の関係にあるのではないか、と考えています。 そのような県民、自治体の動きをリードする政治(政治家・政治勢力)、県民のリーダーの声をもっと大きくしてほしいと願っているところです。 |
コメント 在沖米軍が去った沖縄県の自立と発展は、沖縄県民自身が主体的に行うことは最重要課題です。本土の大企業が沖縄に箱物への投資を誘い、沖縄に振り向けられた開発資金を奪う構図は脱皮させるべきと思います。 沖縄が基地助成金を頼みにしていては、アル中患者がお酒を断てないのと同じです。沖縄に強い指導者が求められていると思います。基地助成金を奪い取ってくるだけの政治家ではなく、沖縄の将来像を描いて示せるリーダーです。 どうして沖縄の人がそのことに気がつかないのか不思議に思うことがあります。来年には自民党が政権を失い、新しい利権まみれでない政権が生まれると思います。沖縄の資金を沖縄の将来のために使う政策を立ち上げるチャンスと思います。 沖縄の人はもっと頑張ってください。日本で一番輝くことができるのは沖縄です。やり方さえ間違えなければ、これから10年経てば沖縄に米軍はいません。そのことがわかりますか。米軍のいない沖縄で、発展する方法を考えてください。 |