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もうひとつの医師不足 解剖医、学会が専門のセンター設置提言へ (2/3ページ)

2009.1.10 20:12
このニュースのトピックス病気・医療

 さらに、16年度から始まった国立大の独立行政法人化の影響で合理化を迫られた大学の法医学教室は、人員削減を求められている。「法医学に興味を持つ学生がいても、職を得るシステムはじり貧」。同学会理事で福岡大法医学教室の久保真一教授はそう指摘する。

 一方、自殺や高齢者の孤独死などの増加で、警察が扱う異状死体が年々増加。解剖数も増えている。5月に始まる裁判員制度に向け、わかりやすい鑑定書を作成することを求められているため、解剖医の負担は増加傾向にあるという。

 このため、同学会はセンター設置や、120〜150人の解剖医の増員▽死因解明のため、遺体にコンピューター断層撮影(CT)法を必ず行う−などを月内にも国に提言、体制整備を求めることにしている。

 

低い解剖率

 日本では10.1%と際立って低い異状死体の解剖率だが、諸外国は米国・50%、英国・60%強、フィンランド・100%という。

 「日本では犯罪性のない遺体の死因究明はほとんど行われていない」。千葉大法医学教室の岩瀬博太郎教授はこう話す。海外では、死因や事故原因をデータベース化し、そこから得られる情報を感染症や事故防止対策など社会の安全にも役立てる取り組みが進む。

 岩瀬教授によると、豪・ビクトリア州では、8人の解剖医が年間約3000体の解剖を手がけ、約130人の職員がサポートしているという。解剖率は同州の異状死全体の約55%にのぼるが、同州と人口がほぼ同じ規模の千葉県では、岩瀬教授ら医師3人が年間約200体の解剖を手掛け、異状死全体の約3%にとどまっている。

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