そうか、もう君はいないのか
2009年1月12日(月・祝)よる9時
ものがたり
作家の城山三郎(田村正和)と妻の容子(富司純子)は海辺の街で穏やかな生活を送っていた。息子の有一(田中哲司)一家は米国で仕事をしているが、鎌倉に嫁いだ娘の紀子(檀れい)は何かといっては両親のもとにやってくる。
三郎と容子がここ茅ヶ崎に移り住んだのは、昭和32年の大晦日。新人賞をもらったばかりの三郎は、「故郷の名古屋にいるとダメになる」と、わざわざ見知らぬ土地にやってきたのだった。夜逃げだと噂されながらも一家はこの地に馴染み、三郎は次々と小説を発表し続けた。
そんなある日、平和な日々が破られる時がやってきた。体調が思わしくないと精密検査を受けた結果、容子の身体からガンが発見された。三郎はどんな方法でも試して欲しいと医師に望むが、容子は手術や抗がん剤を拒み、通院して治療したいと主張。
2ヶ月が過ぎ、このまま小康状態が続くのではと思われた矢先、容子が倒れ救急車で病院に運ばれる。このままだと一晩もつかどうかと医師の診断だったが、その翌日、奇跡的に容子の意識が回復する。
それ以降、三郎は日に2回容子の病室に通い、二人で食事をするのが日課となった。このとき、容子から三郎との出会いの話を聞いた紀子は、両親が恋愛結婚だったことを初めて知り驚く…。
当時22歳、一橋大学に通っていた三郎(中村勘太郎)は、名古屋の図書館で18歳の容子(長澤まさみ)と出会った。二人は急速に距離を縮めるが、容子は父から交際を反対され、三郎のもとから去っていった。その後、ひょんなことから再会した二人は、結婚に向けて同じ道を歩き始めることに…。