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青色防犯灯:青色効果? 東京・足立の町会、街路灯25灯を変更

 ◇犯罪前年比4割減/防犯意識も高揚

 防犯効果があるとして、全国で設置が進んでいる「青色防犯灯」を東京都内で初めて設置した足立区の六町三丁目町会(約600世帯)で、この1年間の犯罪件数が前年比で約6割にとどまり、隣接地区と比べて大幅な減少となった。地元町会は増設を検討しており、管轄する警視庁綾瀬署は「青色効果かまだ分からないが、住民の防犯意識が高まった成果」と話している。

 足立区六町には05年、つくばエクスプレスの六町駅ができたため、住民以外の出入りとともに犯罪も増えると予想された。三丁目町会は自主パトロールを始めたほか、「人の心を落ち着け防犯効果がある」と奈良県が05年に先駆的に導入した青色防犯灯の設置を決め、07年11月、町会内の街灯59カ所のうち25灯を青色灯にした。

 綾瀬署によると、設置後の08年1~11月の犯罪件数を前年同期(07年1~11月)と比較すると、3丁目は前年(25件)に比べ4割近く減少し、16件にとどまった。隣接する1丁目は前年比1・6倍に増えたほか、件数の減った2、4丁目でも同8割前後だった。

 3丁目ではとりわけ、空き巣などの「侵入盗」が07年は9件と隣接3地区と比べて突出して多かったが、08年は11月までに発生はなかった。

 三丁目町会は青色防犯灯について住民にアンケートしており、中には「青色だと暗いので元の白色灯がいい」という意見もあった。その一方で1年間で犯罪抑止効果も見られたとして、今後、青色灯の増設を進めるという。

 町会内に設置されている青色防犯灯は全国でも珍しい1本に青色発光ダイオード(LED)64個を内蔵した蛍光灯タイプ。1本1万6000円と通常の蛍光灯より割高な半面、月当たりの電気代は67円安い155円で、寿命も5倍程度の4万~6万時間。同町会長の小松健さん(66)は「防犯対策は面の広がりが重要。他地区も同様の取り組みをしてほしい」と話す。

 綾瀬署生活安全課は「管内全体でも発生件数は前年比14%減少となっているが、3丁目地区で大幅に減少したのは街灯の色を変えるという地域の防犯意識の高まりも大きいのでは」と話している。【井崎憲】

毎日新聞 2009年1月10日 東京夕刊

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